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サルトルと赤い実

2007-11-14 05:19:12 | Greenベランダジャングル記
今日は夕刻に原宿で打ち合わせ。出がけ、頭上を染める薄暮にしばしぽっと見とれ。。

帰りにふとメトロの入口付近にある千疋屋でアップルパイを買った。
この季節は、紅玉の甘酸っぱさがむしょうに恋しくなる。


私はうちにいつも果実がないと落ち着かない。なのでフルーツボールには常に果実が満載。
いまなら蜜柑や林檎、ラ・フランス。少し前なら梨や葡萄。

果物屋さんに行くと私はよく「これ、酸っぱいですか?」と尋ねる。
お店の人はたいてい「甘くて美味しいよ」と答える。
すると、私はがっかりして買うのをやめる。
酸っぱさのない果実は、どこか淋しい。
口当たりがいいだけより、どこかにしゅっと主張があったほうが好き。
身の回りの事物や、ひょっとしてヒトにもあてはまるのかもしれない。

アップルパイを持ったその足で、近所の花屋さんに寄り道。
季節柄、早々とクリスマスカラーの花々が軒先を彩っている。
私は、真っ赤な実を鈴なりにつけた「サルトリイバラ(山帰来)」を買った。

と、なにげに書いたが…実は、今日までずっとこれを「サルトル(!)イバラ」と思い込んでおり
花屋さんに「え?」と聞き直されて初めてマツガイに気付いたのだ。。
それまでは、“実存”的な生き方を茨の道に例えてるのか…とまでは思っていないにせよ、
「フランス原産なのかなあ」とか勝手に思っていた(恥)。まさか「猿捕り茨」だったとは!
まあ、子供の頃からこの手の勘違いは多々…。もしブログでも勘違いを炸裂させていたら、
職業柄まずいので(笑)どなたかこっそりご指摘を。。

で、勘違いついでに、サルトル小噺。
中学の頃に通っていた私塾の若い女先生はいつも、私と仲良しの女の子3人に数学の
難問を出し、その間じっと文庫本を読んでいた。先生が席を外した時、本をそっと見ると
「第二の性Ⅰ」だった。「女はこうしてつくられる」という副題が気になって、
後日本屋さんで探してみた。ボーヴォワールは女子中学生にはまだ謎だったが、
学生時代になぜかサルトルを読み出したのはこれがきっかけ。
(ちなみにその塾の先生は、当時私が日々愛聴していた坂本龍一の高校の同級生だった)

しかし。卒業旅行の時、ローマへ向かう機内にサルトルの「嘔吐」を持ち込んだのは
大失敗だった。フィウミチーノ空港に到着するまで、私は軽い吐き気に見舞われ続けた。

で、サルトルイバラならぬサルトリイバラ。
この実には水が不要なのだが、私はいつも花瓶に何か実ものを挿してないと落ち着かない。
秋にはベランダになっている冬珊瑚の切り枝が欠かせない。
(元は掌サイズの苗だったのに!!!↓)


でも、時々違う色の実も欲しくなる。
そんなわけで、今日は真っ赤に色づいたサルト…リイバラを買ってみたしだい。
10月には「真珠の木」と呼ばれる「ペルネチア」の白い実も飾っていた。


木の実といえば…ナッツも万年常備している。徹夜原稿のお供には、
カリコリと咀嚼することで中枢神経を刺激し、睡魔を散らしてくれるナッツが不可欠。
直径約10cmの缶にぎっしり入った無塩ナッツを高さ3cm分も食すと、さすがに胸焼けするが。

友人たちによくいわれる。
「前世は絶対リス系のげっ歯類だよね」「木のウロとかに棲んでそう」って。げっ歯?ウロ?
まあ、このはなはだしい果実&ナッツ愛を思えば、なきにしもあらず。
そういえば、アップルパイを載せた愛用皿も、はからずもリスと木の実の柄!

BGM:The Beatniks/No Way Out
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