DAT2年生のみなさんへ
すでに内定をもらった人、今就活中の人
これから本格的に活動しようとしてる人
さまざまだと思いますが、就職試験を受けるにあたり
少しだけでも助けになればと思い、アドバイスを記しておきます。
提出作品の作成などに役立てて下さい。
①相手がどんな人材に来て欲しいと思ってるのかを考える
以前君たちの先輩にアドバイスした記事が下の方に2つあるので、
まずはそれに目を通して下さい。
読んでもらえると大体分かると思いますが、
アニメ業界で一番欲しい人材は「レイアウトが描ける人」
次に欲しい人は「動きが描ける人」です。
ですが、数少ない提出物や一回の試験だけでこの2点、
すなわちそれぞれの画力、ポテンシャルを測る事は大変難しいです。
②どんな作品を提出したらよいか
では、どんな提出作品を目指せば良いのかというと、
・「動きのある絵を描こうとする努力が見える作品」
・「色々な物を描こうとする努力が見える作品」
・「色々な角度から描こうとする努力が見える作品」
この「努力が見える」というのは結構重要なポイントで、
あっさりとした立ち絵やバストアップ絵、細かいパーツが上手くて
何となくイラストチックに上手に絵をまとめられる人より、
動きのある絵や色んな絵を描こうとしてる人の方が
ずっと内定の確率が上がると思います。
もちろんより上手く描けるに越した事はありませんが(^_^;)
③レイアウトは提出しなくて良いのか
相手が要求してない限り、私は必要ないと思っています。
ハッキリ言って、どんなに上手い学生でも、
業界のレイアウトに見慣れた審査官
(おそらくプロデューサーとか監督・演出・キャラデ・作監クラスの人)
を満足させられるようなレイアウトは現時点では描けません。
ぶっちゃけ今の君たちにはどんなに時間をかけても描けないと思います。
私も無理でしたw
なので、ここに時間を使う事はあまり好ましいとは言えません。
無理して描いても、かえって描けない事を露呈してしまうので、
その分動きのある絵を描く事に時間を使いましょう。
ただ、簡単な背景(例えばキャラが接地してる地面のディテールとか
遠くの山並み町並み、水平線、近くの電柱や壁など)
は、イメージできるならオカズ程度に描いてもいいと思います。
レイアウトフレームの枠にとらわれないので、その分描きやすいでしょうし
背景付きの絵も作品の中にいくつかあった方がやはり効果的かも知れません。
採用する側は、相手に伝えたい絵をより具体的に
絵描き本人がイメージできてるかを知りたいのです。
④レイアウトが提出必須の場合は?
たまにあるので困った物です。
たいがいの学生は、ちゃんと消失点やアイレベルを考えてますよ!
という事をアピールしようとして自滅します。
消失点やアイレベルの考え方は、
レイアウトをイメージ通り描くための物差し程度の物だと私は考えます。
要はちゃんと描きたいレイアウトが頭の中にイメージできてるかが重要なのですが
訓練が足りない学生はそのイメージさえ浮かばないでしょう。
オススメは実写映画です。(日常的な設定の邦画などは結構良い)
実写映画はある程度計算されてカメラと人物が置かれていて
なおかつ実写だけにそれほどウソが存在しないので、
下手なアニメのレイアウトを参考にするよりずっといいと思います(苦笑)
実写映画を見ていて良い構図だなぁと思ったら、それをレイアウト用紙に
好きなキャラクターに置き換えて引き写してみましょう。(トレスはダメよ)
どの構図をチョイスするかは本人のセンスにかかっているので、
ズルだとは思いません(^_^;)
⑤実地試験では?
書類審査が通ったら、実地試験を行う会社も結構あると思います。
よく聞く話では、原トレ、振り向きの中割り、歩き走りの中割り
などが多く出題されるようです。
あとは「アニメーションの本」に載っている
跳び箱や飛び込み台の原画の課題、またはそれに近い課題もよく聞きます。
重い木槌を持ち上げて杭を打つ原画の課題もよく話に聞きます。
どれが出されても大丈夫なように、
一度「アニメーションの本」や授業でやった課題を復習しておいて下さい。
上手くできる事も大事ですが、時間内にどこまでできるかも試されます。
少しでも準備しておけば迷う時間を省けるので、それだけ有利ですね。
⑥レベルの高い会社に入るだけが良いわけではない
名のある会社、好きな作品を手がけてる会社に入りたいのは
すべての学生たちの願望だと思います。
確かに、元請けの大きな会社は
新人育成のシステムや給料の最低保障もしっかりしている確率が高いです。
ですが、上手なアニメーターも上手い原画も勉強になる仕事も、実はどこにでもあって
大手の会社ではなくても十分経験を積む事は可能です。
アニメの仕事は、業界に入る事より続けていく事の方が数十倍大変です。
自分の実力に見合わない場所、競争の激しい場所に入るぐらいなら
小さい会社でもしっかり経験が積める所に行く事が賢明です。
大手に就職しようが、どちらにしても数年はろくにお金は稼げません。
趣味の物を買う程度の稼ぎを得て人間らしい生活をしたいのなら
今すぐ他の仕事を選びましょう。
本当に一人前のアニメーターになりたいと思っているなら、
とにかくどこでも良いのでスタジオに入ってひたすら経験を積む事です。
希望の会社に入れるまで浪人するとかはナンセンス。
経験さえ積めば、そしてちゃんと実力が付いたなら会社間の移動などたやすいです。
会社選びに関してはそのぐらいの物だと思って下さい。
⑦まとめ
すでに内定が決まった人、とにかく続けられるように頑張って下さい。
これからチャレンジの人、とにかくたくさん受けてみて下さい。
複数会社を受けたいという事情を話して相談すれば、
提出作品はコピーでもいいですよ、とか
内定の返答期限を延ばしますよ、と言ってくれる会社もあります。
(その代わりちゃんと自分から礼節をもって相談しないとダメだよ)
会社は実力だけでなく、その人の「人となり」をよく見ています。
アニメーションは人と人のリレーよってできる総合芸術作品なので、
集団の輪を乱すような人はどんなに絵が上手くても好まれません。
(自分の意見をしっかり主張できる人は必要。バランスは難しいですが…
新人の内は空気を読んで大人しくしてるが吉(^_^;) ←自分の経験よりw)
本当に大変な道のりだと思いますが、
いつか一緒に作品づくりができる日を心待ちにしております!
とにかく体が資本なので、健康にだけは気を付けつつ頑張って下さい☆(`・ω・´)ゞ
るなむー先生より
すでに内定をもらった人、今就活中の人
これから本格的に活動しようとしてる人
さまざまだと思いますが、就職試験を受けるにあたり
少しだけでも助けになればと思い、アドバイスを記しておきます。
提出作品の作成などに役立てて下さい。
①相手がどんな人材に来て欲しいと思ってるのかを考える
以前君たちの先輩にアドバイスした記事が下の方に2つあるので、
まずはそれに目を通して下さい。
読んでもらえると大体分かると思いますが、
アニメ業界で一番欲しい人材は「レイアウトが描ける人」
次に欲しい人は「動きが描ける人」です。
ですが、数少ない提出物や一回の試験だけでこの2点、
すなわちそれぞれの画力、ポテンシャルを測る事は大変難しいです。
②どんな作品を提出したらよいか
では、どんな提出作品を目指せば良いのかというと、
・「動きのある絵を描こうとする努力が見える作品」
・「色々な物を描こうとする努力が見える作品」
・「色々な角度から描こうとする努力が見える作品」
この「努力が見える」というのは結構重要なポイントで、
あっさりとした立ち絵やバストアップ絵、細かいパーツが上手くて
何となくイラストチックに上手に絵をまとめられる人より、
動きのある絵や色んな絵を描こうとしてる人の方が
ずっと内定の確率が上がると思います。
もちろんより上手く描けるに越した事はありませんが(^_^;)
③レイアウトは提出しなくて良いのか
相手が要求してない限り、私は必要ないと思っています。
ハッキリ言って、どんなに上手い学生でも、
業界のレイアウトに見慣れた審査官
(おそらくプロデューサーとか監督・演出・キャラデ・作監クラスの人)
を満足させられるようなレイアウトは現時点では描けません。
ぶっちゃけ今の君たちにはどんなに時間をかけても描けないと思います。
私も無理でしたw
なので、ここに時間を使う事はあまり好ましいとは言えません。
無理して描いても、かえって描けない事を露呈してしまうので、
その分動きのある絵を描く事に時間を使いましょう。
ただ、簡単な背景(例えばキャラが接地してる地面のディテールとか
遠くの山並み町並み、水平線、近くの電柱や壁など)
は、イメージできるならオカズ程度に描いてもいいと思います。
レイアウトフレームの枠にとらわれないので、その分描きやすいでしょうし
背景付きの絵も作品の中にいくつかあった方がやはり効果的かも知れません。
採用する側は、相手に伝えたい絵をより具体的に
絵描き本人がイメージできてるかを知りたいのです。
④レイアウトが提出必須の場合は?
たまにあるので困った物です。
たいがいの学生は、ちゃんと消失点やアイレベルを考えてますよ!
という事をアピールしようとして自滅します。
消失点やアイレベルの考え方は、
レイアウトをイメージ通り描くための物差し程度の物だと私は考えます。
要はちゃんと描きたいレイアウトが頭の中にイメージできてるかが重要なのですが
訓練が足りない学生はそのイメージさえ浮かばないでしょう。
オススメは実写映画です。(日常的な設定の邦画などは結構良い)
実写映画はある程度計算されてカメラと人物が置かれていて
なおかつ実写だけにそれほどウソが存在しないので、
下手なアニメのレイアウトを参考にするよりずっといいと思います(苦笑)
実写映画を見ていて良い構図だなぁと思ったら、それをレイアウト用紙に
好きなキャラクターに置き換えて引き写してみましょう。(トレスはダメよ)
どの構図をチョイスするかは本人のセンスにかかっているので、
ズルだとは思いません(^_^;)
⑤実地試験では?
書類審査が通ったら、実地試験を行う会社も結構あると思います。
よく聞く話では、原トレ、振り向きの中割り、歩き走りの中割り
などが多く出題されるようです。
あとは「アニメーションの本」に載っている
跳び箱や飛び込み台の原画の課題、またはそれに近い課題もよく聞きます。
重い木槌を持ち上げて杭を打つ原画の課題もよく話に聞きます。
どれが出されても大丈夫なように、
一度「アニメーションの本」や授業でやった課題を復習しておいて下さい。
上手くできる事も大事ですが、時間内にどこまでできるかも試されます。
少しでも準備しておけば迷う時間を省けるので、それだけ有利ですね。
⑥レベルの高い会社に入るだけが良いわけではない
名のある会社、好きな作品を手がけてる会社に入りたいのは
すべての学生たちの願望だと思います。
確かに、元請けの大きな会社は
新人育成のシステムや給料の最低保障もしっかりしている確率が高いです。
ですが、上手なアニメーターも上手い原画も勉強になる仕事も、実はどこにでもあって
大手の会社ではなくても十分経験を積む事は可能です。
アニメの仕事は、業界に入る事より続けていく事の方が数十倍大変です。
自分の実力に見合わない場所、競争の激しい場所に入るぐらいなら
小さい会社でもしっかり経験が積める所に行く事が賢明です。
大手に就職しようが、どちらにしても数年はろくにお金は稼げません。
趣味の物を買う程度の稼ぎを得て人間らしい生活をしたいのなら
今すぐ他の仕事を選びましょう。
本当に一人前のアニメーターになりたいと思っているなら、
とにかくどこでも良いのでスタジオに入ってひたすら経験を積む事です。
希望の会社に入れるまで浪人するとかはナンセンス。
経験さえ積めば、そしてちゃんと実力が付いたなら会社間の移動などたやすいです。
会社選びに関してはそのぐらいの物だと思って下さい。
⑦まとめ
すでに内定が決まった人、とにかく続けられるように頑張って下さい。
これからチャレンジの人、とにかくたくさん受けてみて下さい。
複数会社を受けたいという事情を話して相談すれば、
提出作品はコピーでもいいですよ、とか
内定の返答期限を延ばしますよ、と言ってくれる会社もあります。
(その代わりちゃんと自分から礼節をもって相談しないとダメだよ)
会社は実力だけでなく、その人の「人となり」をよく見ています。
アニメーションは人と人のリレーよってできる総合芸術作品なので、
集団の輪を乱すような人はどんなに絵が上手くても好まれません。
(自分の意見をしっかり主張できる人は必要。バランスは難しいですが…
新人の内は空気を読んで大人しくしてるが吉(^_^;) ←自分の経験よりw)
本当に大変な道のりだと思いますが、
いつか一緒に作品づくりができる日を心待ちにしております!
とにかく体が資本なので、健康にだけは気を付けつつ頑張って下さい☆(`・ω・´)ゞ
るなむー先生より