読書日記と読書ノート 第三部(2013年6月~2015年6月) 吉野三郎

退職してから読書中心の生活をしています。読んだ本の感想を日記に記し、要点をノートに書いています。その紹介です。

75、「丸山眞男講義録 第七冊 (1967)」 (東大出版会)-その5-(5/5)

2016-11-26 06:39:20 | 読書記録
(2)ノートから-つづき-
第三章
①国学が儒仏を批判した論理は、文学芸術を基盤とし美的価値に依拠するいわば非政治的なナショナリズムであり、…政治運動にうち内在する普遍主義の外来性と概念性を排激するもっとも強力な論理だった。
②学問芸術の自律的創造性への道を切り開いた。
③大和心とは。
…人間の情感の自然な動きをナイーブに肯定する。
④国学運動は、日本固有の道の自覚という流れと、歌学に象徴される芸術的創造と享受の思想的自覚という二つの流れの合流したところに生まれた。
⑤日本固有の道=古道というイデオロギーは、日本の国家神話および古代の天皇統治を理想化してそれを聖人の道=儒教に対比させる。
④徳治主義批判…権力の野心を持ったものが権力のさん奪を合理化するイデオロギーに堕す。
⑤本居宣長の政治観。
…政治の唯一の行動様式は、自然の感情の発露から発した上なる権威への敬虔と『奉仕』であった。上なる権威への奉仕は、服従者の行動である。つまり、政治的なものを服従者の立場と倫理にすべて還元するのが宣長の基本的な政治的思考態度である。政治は奉り事となる。治者の統治も天皇への奉仕として、服従である。

美主義
①美的価値による世界の包摂。美的価値の絶対化。
②政治的象徴は選択の対象ではなく、自己との全面的合一化すべきなにものかであるから、自由とか人権とか法と言った、手続き問題を含むイデ-にはなじまぬ。「血と土」「祖国」というような非合理的象徴が汎美主義に適する。
③また、政治的人格、または政治的伝統を美的象徴にまで抽象化し、それと自己を神秘的に合一化するところから、汎美主義は激情的なファナティシズムとして現われる。それはしばしばラディカルな政治的行動として爆発するが、それが政治過程における行動であるという自己意識が欠除している。

(了)
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