読書日記と読書ノート 第三部(2013年6月~2015年6月) 吉野三郎

退職してから読書中心の生活をしています。読んだ本の感想を日記に記し、要点をノートに書いています。その紹介です。

176、木畑洋一「20世紀の歴史」(岩波新書)

2017-06-15 06:45:06 | 読書日記

日記から

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「20世紀の歴史」を140頁まで読んだ。20世紀を、帝国支配体制の形成・確立からその解体の過程として描く。日本の満州事変は帝国解体=民族運動ぼっこうに逆行する帝国拡大の動きだった。英・仏は同じ帝国主義国家の利害からこの動きを容認した。日本帝国の支配下に置かれた琉球人が、自分たちがアイヌ人と同じ扱いを受けるのは屈辱だと声高に叫ぶ。差別を受ける側が同じ被差別者を差別視する。結局そういうことだと思う。差別社会というのは差別構造が全社会を規定するのだ。世界恐慌が一次産品貿易に特化した植民地国を痛撃したという事実を初めて知った。斬新な視点から書かれた20世紀史だ。

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「20世紀の歴史」を読み終わった。第二次大戦が植民地支配を覆す決定打だった。戦後も、英・仏など宗主国支配層の意識は旧来のままだったが、植民地にされた側はそうではなかった。戦中に植民地から本国に兵士として、労働者として動員され、総力戦体制を支えたことが意識変革を引き起こしたのだろう。日本はマレー半島やインドネシア・ベトナムに軍事侵攻した際、ヨロッバからアジアを解放するという美辞を掲げたが、それはまったく戦略目的にすぎず、目的は英・仏・オランダに代わって日本がこれらの国を従属化におくためだった。その何よりの証拠は中国人のナショナリズムの徹底した弾圧だった。帝国世界の解体の後の21世紀はどんな世界になるのだろうか。著者は国民国家の確立を前提としたグローバル化だという。グローバリゼーションによって国民国家が消滅するのではなく、あくまで主権国家を前提としてグローバル化が進む。地域統合と国連の行方は?経済のグローバル化は国際政治の将来像をどう描くか。政治もグローバル化するのか、つまり国際機関・地域統合機関に主権の一部を譲与する方向に。EUのように。たぶんそうなるだろう。

 

(了)

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