月のmailbox

詩或いは雑記等/小林貞秋発信。

詩-Space  内に外に「場」無し

2011-02-05 06:21:35 | 文学
 

以前は、もっと別のことを口にしていた。それが今は、「場」について言っているという訳だ。それにともなう諸現象。
 グサリとひと突き、それで奴はおしまいなのさ。その「場」をとりあげる奴。相当に狂っていることが多いが、原因もおちおち見つけられないなんて、つまり狂わされているのさ。
 そこで、彼はこのように言い出すのである。

「肝腎なところには少しも近づこうとしない。アンタら、おれたちに妙なクスリを飲ませやがったね。我々の首が45度以上は回らないように。この眼を見てみな。どうにかなっちまいそうだぜ」

                                                  1983年作





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詩-Space  許可願い

2011-01-26 22:05:04 | 文学



             精一杯愛に拘るなら
             あのひとと月に出かけてみたい
             空飛ぶスキーに乗って

             でも地球を回ってる月
             ではなくて
             太平洋に浮かぶE島の
             「月」ホテルにだ

                  *


             「許可願い」

                                     1985年作


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詩-Space  フラグメント

2011-01-11 00:13:45 | 
            かれらはレンズです
            眼がそこを通り抜ける
            馴れたもの

                 *

            止せというから止した
            使い古したので止した
            胸がきつくなったので止した
            それでなにも見当たらない
            なにも入りこんでこない
            それならなにも出ないと言いだす
            だからなんなのだ
            だからだからだから
            どこにも見えないようである

                 *

            狭苦しいぷろむなあど
            案内板は皮に生え立つ
            髪の先あたり
            秘密にしておいた
            あそこのスイッチの故障か
            バレてしまうからである
            いやだいやだと言う
            別の方をむくのは
            手に負えない間に終着地
            先なんかまるで見えない
            先なんか知ったことではない
            窓から地平線が見える
            夢のぷろむなあどのそば
            永遠の眼に映る青のかあてん
            あとになると正体が分かるね

                  *

            夜明けに裸足でガソリンスタンドの前を通る
            近づくパトロールカーの警官は丸裸
            遠くの信号は黄金色
            どこのだれが怪しいというのだろう
            思い出の立体フォートグラフ
            端は崖っぷち

                  *

            だれにも語らずに
            なにもかも内に沈めて流れる
            そんなひとのそばで夢ばかりみて
            語り方を知らずに流れる
            約束事みたいに直流する
            その様を忘れていない

                  *

            Y町に向かって左にDホテルのある通り。色
            盲の射撃手が立っていて、ぬかりなく辺り
            に視線を巡らせている。銃口を向ける方向
            を見定めるようにして。哀れにも失禁。その
            ままーー彫像に成り変わる。その様、しかと
            拝見。

                  *

            わたしはなにもしなかった
            なにも言った覚えがない
            声の届かない所にいた
            足がないので近づけない
            わたしにはなにもできなかった
            丸をひとつ描くことさえも
            愛することもできなかった
            顔を見たこともない
            だから
            おまえは謎のままだ
            こちらにやってくるまでは


                                  1990年作  


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詩-Space  他の誰でもない

2010-12-14 23:46:52 | 


         浮いて
         走っているのは
         他の誰でもないのである
         浮くので
         突き抜けも鋭い
         ということに
         説明は
         詩のするところではない
         ので
         他の誰でもないそのひとが          
         yesと言えば
         M・Fもひれ伏すという
         軒先に垂れ下がる
         事実
         見える今朝の向きは
         なんと
         まあ


                            13 December 2010
 
         

  
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詩-Space  唄

2010-11-02 22:50:13 | 


        定まりのないこと
        たえずその伸びる処変える
        気流に似て
        その浮く影泳ぐ影
        淡くも見えて
        あたしかなしいのおおおお
        歌うのである
        暦をめくり
        ぽおおおおんと
        カラカラに渇く日の只中
        浮き出して
        あたしかなしいのおおおお
        それに始まり
        それに終わる
        単調で
        メロディアスな一行
        なぞるだけではない
        思いこめて新たに
        何故に飛び出してしまうのか
        十八番
        飛ばしてしまうのか
        遠回しの愛こめて
        あたしうれしいのおおおお
        取り替えても
        変わらない
        あのバス停のそば
        あのドラッグストア前である
        あの底なしの海の上
        あのせり上がる高峰の頂で
        あの尾をひく哀愁
        帯びる波
        震わせるのである
        その至近の
        喉

                       from Six Poems No.11 2006         
 

        
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詩-Space  宝

2010-10-03 22:16:07 | 


         あちらには
         どのような景色が
           あたりにあるのか
         なにをなにを
         頭のへりに置いているのか
         そんなところにゃ
         なんにも置いてない
         そうであろうとなかろうと
         そちらを向いているので
         景色の中で
         なにを見ているのか
         一足す一の数みたいに
           分かるところもあると
         言わせてもらいたい
         それはむにゃむにゃの中
         むにゃむにゃの中
         言葉ではきこえない
         霞のなか
         ではありながら
         紛れもなく
         あのかたちそのものと
           見える見える
         あたりのことなんだが
         はこばれている
         その意味あり霞に
         はこばれている日々の
         空気の変化に
         気づかぬわけはない
         日が過ぎ日が過ぎながら
         どこかで弾けては割れ
           弾けては割れながら
         生みだされてひろがる
         もののようである
         誰かがいろを塗る
         それに震える声を合わせる
         秘密の宝をかかえる
         空に達する
           空間のような宝

                      from Six Poems No.1 2000
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詩-Space  追われない

2010-09-08 23:11:11 | 


         貯蔵場に
         無いものなのに光る玉
         かつて
         持ち込んだから
         消えずにあるものと思いこむ
         願いびと

         玉の輝き
         消し去りたいもの
         覆い尽くして無きものにする
         力秘めていると
         見る心

               *

         過去には
         追われない


                   5 September 2010    
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詩Space  九月

2010-09-05 21:49:55 | 


         虹が見える
         とか見えないという予報と
         外出が重なる
         九月
         この年
         という印つきの九月である
         と思う時には
         再び
         この年がやってくること
         どれほどに年をくりかえそうと
         再びは無い
         もう無い
         根拠は不明のような
         縁に浮かぶ謎
         動き出して見上げている
         というワタシなる
         誰かは
         いつの世にいたひとであるのか
         遠く読んでいる
         なにも見せない神はじつに
         ずるい
         と持ち出しはするが
         ここは神などいない場所で
         時のながれ
         途絶えないものか
         それ
         先にしか進まないものか
         消防署前
         赤の並列

                          from Six Poems No.12 2007 

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詩-Space  風船

2010-09-01 19:41:27 | 文学


        壁にかけられた紅の帯
        よじれている
        ジャングルの枝にかかった
        枯れた蔓
        電線に垂れた凧の糸
        天井から吊り下げられた艶めかしい
        オブジェ
        見えることもあるだろうね
        壁の向こうに遠くの窓のあかりが
        見えるみたいに

        それから
        床の上に置かれた
        赤らみを帯びた肉のかたまりなど
        彫刻の首みたいに
        ある方向を向いた不動の首がある
        全体に金属のようなつやを帯びている
        月の光が屋根を抜けてふりかかる
        思い出の中にひっそりとどまる

        隠しものは転がった風船の中
        近づけると恐れて逃げる生きものがいて
        キッキとあたりに声を放つのである
        愛人なのでございます
        正体をつかまえることはできないので
        至るところに眼を光らせる
        泳いだ距離が問題なのではありません
        やわらかな莟をこじあけている

        閉じられている部屋
        鍵が故障しているので電話をして下さい
        もう三十年になります
        人膚のにおいが壁にしみついて
        跡形もなく消すことなど許さない
        今日のおでかけ
        手品のように姿を晦ます
        どこかしらで激しい雨に打たれている


                 東京出版刊 「現代詩華集'91」 1991 
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詩-Space  現われ消えの

2010-08-19 21:54:04 | Weblog
    頼みもせんのに遠吠噴出攻め趣味なんだと奴
       ワタシ肉剥ぎ好き骨見好き格好つけんな悪徒
    このみなんだがゲテモノの君股に二重丸つけ
       あんたとおあそび雲掴み他国の事知らんもの
    隣り合わせでもさ空気吸い同志でも見所違い
       コッケイ欲深コケコケ無恥巡り愛らし首回し
    奪い取り屋なんだ取られるお前阿呆とその眼
       八角形で魅惑的なの妄想酔いの哀れ筋金入り
    台上二本足立ち権威丸出し丸裸見え切り百度
       アワアワ溜息ウナッテ反吐吐き慎んでお届け
    花びらつけて天空経由お日さまワラットルね
       前後不覚の束の間流れ旅此の地ワタシ恐くて
    怪奇シーンの連続なんだものな倒錯世界めき
       あんな登場者故郷土星にはいねえココ妖怪境
    のめって百掻きうなってこきおろし捻り曲げ
       愛の蹴り上げクセになってホイ模様替え忘れ
    憎めねえのその生態焦りの変幻出ドコロ錯誤
       言わせておくなよ泡吹け法螺吹け通りゃんせ
    現われ消えのオ最後マボロシ神様罠掛けポン
       理想をきいてくんな願ったのにさ耳なし無情
    で這いずり損の気づかれ儲け弱るぜキホーテ
       なんての突き抜けアッケンカランのブギウギ
    ガマの艶出し体液流し狂い回りの敵さん眺め
       美女化け蝮変わり極道転化地の上広しと滑走
    見たっけ遠い日懐かし対決奇編のまねき出し
       あの吸血鬼ひとの心の泥沼棲まい今何処巡る
    なんぞと流し目こっち向いたら闇かぶせ決め
       もう及びでないの悪の短命花に及ばず鐘の音
    かなた戦いで物悲し熱の消え跡難被り時使ひ


                     月刊近文4月号 1987   
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詩-Space  顔

2010-08-18 17:41:30 | Weblog
        どの曲がり角 
        あるいは平原で見たのか
        探り出そうとする
        顔
        そこを外すわけにはいかない
        手を淵に向けて差し込もうとする
        どこを開いても場面を超えて
        影に段差はない
        奥へと沈んでいこうとする
        平面なので
        動きはとれないのである
        時間はどちらに向けても滑る
        顔も音立てずに滑る
        空は見ていながら知らぬ顔をする
        訳はなかなか見えてこない
        それゆえ一個の重石を選ぶ
        忽ちにして底が抜けて道が見えなくなる
        僅かな手がかりもおそらくはない
        とうに消失していて
        微笑ませるのは苦しい
        顔
        食い下がることを選ぶ
        攪乱された言葉並べる
        伝えたいことおそらくは山ほど
        だがてっぺんだから見えるわけではない
        辺りを長々と辿る
        シンプルな一言など下る
        白と黒の真ん中に
        延々と浮かぶ
        顔


                        from Six Poems No.12 2007   
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旅人は戻らない

2010-07-20 05:31:13 | Weblog
No Traveller Returns
「旅人かえらず」
という西脇順三郎の詩集あり。
タイトルから、普通に連想されそうなあるイメージ。
その長篇詩の最後の二行。


      幻影の人は去る
      永劫の旅人は帰らず



地上、というわれわれが訪れる唯一の場所。
無二。
ここでの体験の語り方。
そのようなことに思いを馳せて、No Traveller Returnsの詩の言葉なども、思う。
彼に与えられたような優れた能力が、可能にしてくれること。
更に更に別の、別の人々の、別方向、別領域の言葉のことなどを、思う。
すべてここでの体験の中に含むものとして。
発したそのひとびと、当人にとってのね。


それらに触れて、自身が最も好ましいと感じるのは、どのあたりの言葉か。
そのようなことを、考えたりなどする。
共感覚える言葉ある辺り。
彼の豊かさもね。

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ある人物のここのところの印象

2010-07-14 23:17:26 | 日記・雑感
昔親しかったある人の顔に、良く似ていると思うことが、これまで幾度となく。
同系、ということなんでしょう。たまたまながらか、出身県も同じ。
親しかったというその人は、医学部の教授。
だから、同じに理系ということになる。
ということでもあって、何というのかな。ともかく、彼を見ると昔、知ったその人の顔とダブる。ただ、性格的には、違うようでありますがね。私の知った人は、気が短いというようなこともなく、常に冷静、温厚な人でありましたから。

そうしたことはともかく、これまで私は、現在この国のトップになっているそのK氏に対して、印象として良いものを持ち続けてきたと思いますね。一貫して、変えられることのないある印象の悪くないイメージ。
ところが、何故であるのか。トップになってから、これまでついぞ見たことのないようなものを、その表情に感じるようになりました。時に作る過剰とも感じさせる、笑顔。それが、非常に気になるもの。本来の彼の内にあるものに、反している何かしらを感じさせる。
以前の彼の、良い部分を崩している。そうした変化。と言っても良いか。
そうした変化によって、彼が放棄しているように思える、その人本来のの持つ、魅力。存在感。

自然体を失っているという憾。その作り過ぎている笑顔に、如実に私には、感じられてしまう。と同時に、それはそもそもがその器を持たないからではないのか、という印象にも繋がる。別の人を演じようとしている人。そして、それには不向き、というような弱さを感じさせる。国のトップ、というような役どころには向かないのではないか。別の位置では、以前私が感じていたような印象を、持てたに違いないように思えてしまうのですねえ。
勝手な印象、感想ながら、それが目下のところの、率直な眺め。
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「荒城」/夜の光る眼

2010-07-09 22:42:03 | 日記・雑感
運動公園。
夜の8時。
坂のコースを上がりながら、口笛を吹く。
二音。
ヒ―、ホー。
上がりながら、ちょっと間をおいて繰り返す。
この頃は、懐中電灯を持つことにしている。
照明灯の立っているところは、辺りが見えるけれども、通っている辺りは先まで行かないと薄暗いまま。
口笛を吹くのは、野良猫のジュニアを呼ぶため。
坂脇下の広場にいれば、こちらに上がってくる。
待っていたように坂下にいることもある。その場合には、そのまま後をついてくる。
行く先は、坂コースの中途、左に入って階段を上がった先。石垣のそば。
そこを、私は「荒城」と名づけている。
「荒城の月」からのものですよ。夜のその石垣のある辺りの感じに、なんということなくそのイメージ抱かせるもの、感じたことがあって。
私は、ウォーキングのためにやってきているのだが、先ずはジュニアに会ってからというところで、その坂のコースを最初に通る。
時にジュニアの現われないこともある。例えば、その前日。現われなければ、そのままに先に進んでいくだけのことなのだが、気にはなる。
「荒城」の下辺りまで行ったところで、振り向いて見る。薄暗い。ジュニアはトラ毛だから、そうでなくても暗がりの中では見にくい。いるとすれば、その中で動く気配でそれとなく分かるというところ。だが、その感はない。前日に続いて、現われないようだな? 思いつつ、口笛。懐中電灯を坂の下方に向けてみる。姿はない。
ところが、もう一度照らしてみると、50メートル位下方、坂の下辺り道の左サイドに小さく光るものがある。何だろう、と思わせる光。二つ並ぶ。
ジュニア。と思う。でも、薄暗く遠すぎて確認ができる感じではない。
また、口笛を、吹く。
反射で、その二つの光るものが、少しずつこちらに向かう。その移動で、ジュニアと確認して良さそうに思えた。
他に、そんな動きを見せる者は、辺りにいない。
懐中電灯の光を反射したジュニアの眼。
良い発見だった。
待っているこちらの、そばにやってきたジュニア。道から石垣に飛び上がり、その上を伝って、階段上方側へと行く。いつもの、パターン。上の石垣の同じ位置に、私はキャットフードを置く。
ジュニアは、食べ始める。
私は階段を下りて、「荒城」を後にコースに戻り、ウォーキングをつづける。
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詩-Space  infinity/夢幻/昼

2010-06-01 22:52:55 | Weblog




        閉じた眼をこの宇宙世界に向け
        ゆっくりと開いて
        緩やかに
        また
        閉じる
        その間に
        流れ過ぎる一億の年

        何者の眼
        である筈のものか
        追っている
        昼
       
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