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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

「うみべのハリー」

2008-07-12 20:32:36 | ひらきよみ(読み聞かせ)

7月4日‥先週の金曜日‥は、1学期最後の当番で、3年生のクラスでした。

なんとなく、「しっかりしたおはなし」が読みたい気分だったので、
いろいろ図書館で探しましたが、結局家にあった『うみべのハリー』を
読みました。

   うみべのハリー (世界傑作絵本シリーズ―アメリカの絵本)

         『うみべのハリー』
     ジーン・ジオン 文 わたなべしげお 訳


このハリーの出だしも、ハリーは、くろいぶちのある しろいいぬです  です。

ハリーにとって、体の色と模様は、自分の特徴を示すとても大事なもの
であると同時に、ハリーの物語にとっても、重要なポイントになっています。
そして同じく、この「うみべのハリー」では、ハリーの「ハリー」という名前が
おはなしの核となっていますよね。

おうちの人とはぐれてしまったしまったハリーは、かぶってしまった海藻の
おかげで涼しくはあったけれど、犬みたいでなくって、バケモノだと
思われてしまいます。
耳の中に、水も入ってしまったけれど、遠くで、自分を呼ぶ声がしたような
気がしました。

  ハリー  ハリー  ハリー

誰かが、自分を呼んでいます。

原書では、おそらくお店屋さんのおじさんが、ハリーアップ ハリーアップ と
呼び込みをしているのでしょう。(日本語では、いらはい、いらはいと、
かなり苦心されたのだろうなあと想像しますが‥)



  ‥‥      ‥‥       ‥‥      ‥‥




「うみべのハリー」とはまったく関係ないのですが、名前=名づけるで、
こんなふうに書かれていたことを思い出しました。
すべてきみに宛てた手紙』の中にです。


 ことばのすることというのは、結局のところ、名づけるということです。
 ことばをことばたらしめてきたものは、名づけることであり、また名のる
ことでした。
みずからことばのなかにすすみでる、ということです。
 生まれた子どもがこの世で最初にもらうのは名。つまるところ、
この世と人を、またこの世で人と人をむすぶものは、ことばです。
 そして人がめいめい違った名をもつように、ことばというのは、
多様なものをたがいに認めあう方法です。ことばがあなどられるところに、
人の、人としてのゆたかさはない。わたしはそう思っています。



ハリーも(私も)、その名をもらったことで、この世との結びつきが
できたということです。
名前をもらってはじめて、この世の中に、認められたということでしょう。




  ‥‥      ‥‥       ‥‥      ‥‥



今日、Arne の24号が届きました。 
突然に年間契約することにしたのです。

エッセイのコーナーで、大橋さんが、「いい名前をつけるのはむつかしい」と
いう題で、書いていらっしゃいました。犬につける名前のこと、ご自分の会社に
付けた名前のこと、ご本名とペンネームのこと。

大橋歩 はペンネームなのだと、初めて知りました!

BOOKのコーナーでは、松浦弥太郎さんが、「ヒルサイドライブラリー」で
まっ白な机に向かっうのが好き、と書いていました。
この、ヒルサイドテラス内にある、図書館は、様々な百人の方に、
「自分の10冊」をお薦めいただき、並べてあるそうです。
(末盛千枝子さんの10冊や、松浦さんの10冊もあるそうです)


次々に、ちょこっと知っている事柄が繋がってきて、
それだけで楽しい気持ちになってゆきます‥









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4 コメント

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Arne  (こもも)
2008-07-15 10:39:09
大橋さんといえば、村上春樹ですね!(ホント?)
かなり前、Arneに、村上春樹の家を訪ねるという特集があって、
わざわざ、取り扱い店を探して、買ってきたのを覚えています。
そのときは、村上さんのことだけで頭が熱くなってしまって、
他の記事など読んでもいなかったのですが(笑)
リンク先をみたら、とても素敵な雑誌なんですねー。
また、手にしてみようと思いました。
なまえ (jasumin)
2008-07-15 13:10:50
「なまえ」「なづける」ことのお話、面白いですね。

以前にも思ったのですよ。
映画「千と千尋の神隠し」で、千尋が名前を取られてしまう“大事”を。
そのことと、なんだかつながりました。
こももさんへ (ruca)
2008-07-16 16:01:38
よかった!そのアルネ、こももさんちにも
あるのね~笑。

私が唯一持っていたアルネもその号だったのです。
(もしも、こももさんが未読だったら今回お教えしようと
思っていたのです)

その号のBOOKのコーナーで、松浦弥太郎さんが、
栃折久美子さんのことと著作を紹介してるでしょ?
それで、私はルリユールという職業を知ったのでした。
そこで紹介されている2冊の本も、とてもおもしろかったです。
jasuminさんへ (ruca)
2008-07-16 16:07:11
こんにちはー。

今日もかなり暑くなってきましたね。

なまえについては、いろいろ考えこと多いです。
「生まれた子どもがこの世で最初にもらうのは名。つまるところ、
この世と人を、またこの世で人と人をむすぶものは、ことばです。」

っていうところが、なるほどなあ、でした。

この世で生きてる間だけですものね、基本的に
この名前を使うの。

いとうひろしさんの「ねこのなまえ」も、いい本でしたよねー。

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