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小学校時代

2016-01-06 15:11:53 | 日記
結婚式の打ち合わせといっても、もちろん自分のではない。
 小学校時代からの友人が結婚するというので、発起人を任されていたのだ。新郎・新婦どちらとも自分の友人だ。ふたりとも本当に、仲のよい友人。
 いまの電話の相手も発起人のひとりだ。

 小学校のクラスメイトといっても、最近までは全く連絡を取らない間柄。会社の社長の紹介でむりやり見合いをすすめられ、その相手というのが彼女だった。
 小笠原陽子。
 見合い前、名前を聞かされた時点で、小学校時代の彼女の姿がすぐ浮かんだ。とどめで彼女の紹介写真を見せられた時には、本当に参った。
 だけど写真の中の彼女は、素直にきれいだと思った。艶やかな赤い振袖を着ていた彼女は。

 それにしてもまさか、小学校のクラスメイトと見合いすることになるとは。
 面倒だった。見合いなんて冗談じゃないと思った。しかしどこかで、小学校のクラスメイトと会ってみたいという気持ちがあったのかも知れない。
 社長の言いつけに逆らえず、早々と、実にあっけなくとり行われた見合い。そこに現れた彼女は、やっぱりきれいだった。

 きちんと整えられた髪。上手にほどこされた化粧。淡いピンク色のスーツ。ぴかぴかに磨かれた高そうな靴。それらを上品に身に付けて、洗練された女となって現れた彼女は、とにかくきれいだった。
 緊張していたらしい。見合いで顔を合わせたばかりの詩琳彼女は、こちらに対してぎこちない笑顔を向けるだけだった。
 小学校時代の小笠原陽子と言えば、まぁ優等生タイプだ。それもちょっとやな感じの。こちらが悪さをしたら、すぐ教師に告げ口するタイプの優等生。すぐにチビだのサルだの文句をつけてくる女だったから、いけすかない印象を持っている分、十年以上会わずとも忘れていなかった。

 そんな小笠原陽子の大人しさに笑いをこらえつつ、見合いの席で好青年を演じ続けたのは人目があったからだ。会社の社長夫人と、彼女の母親。二人は自分と陽子がクラスメイトだったことを全く知らなかったらしい。
 小笠原陽子がずっとよそよそしかったのも、そうであるというのだ。目の前の相手が実は知り合いであるということに、気づいてなかったと。
 結局のところ、小笠原陽子との見合い話はパァになった。それでお終いになったことで、彼女とはもう交わることはないと思っていた。

 それなのにだ。
 コンビニで再会したり、一緒にドライブに行ったり。なぜだか彼女とは接触する機会が多くなった。そしていまでは互いに連絡を取り合うまでになっている。
 小笠原陽子は誰かの母親にそっくりだ。口うるさい。なにかとからんではお節介をやいてくる。
 しかしなんとなく。こちらとしてもちょっかいをかけたくなる女だったりする。
 なんとなく「友達」な女。
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