<クラシック音楽LPレコードファン倶楽部(LPC)> ・・・・・・・・・・・・・・・・クラシック音楽研究者 蔵 志津久

嘗てのクラシック音楽の名演奏家達の貴重な演奏がぎっしりと収録されたLPレコードから私の愛聴盤を紹介します。

◇クラシック音楽LP◇ハリーナ・チェルニー=ステファンスカのショパン名曲集

2017-04-24 10:22:45 | 器楽曲(ピアノ)

ショパン:ポロネーズ第3番「軍隊」
      夜想曲第2番/第5番
      ワルツ第1番「華麗なる大円舞曲」/第3番「華麗なる円舞曲」/第6番「子犬のワルツ」
      マズルカ第5番/第17番
      即興曲第4番「幻想即興曲」
      プレリュード第15番「雨だれ」
      練習曲第3番「別れの曲」/第12番「革命」

ピアノ:ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ

録音:1963年5月30日、東京・日本グラモフォン青山スタジオ

LP:ポリドール(ドイツグラモフォン) MGW 5268

 20世紀を代表する女流ピアニストのハリーナ・チェルニー=ステファンスカ(1922年―2001年)は、ポーランドのクラクフ出身。ベートーヴェンの弟子で教則本でも有名なチェルニーの血を引いているという。ポーランドの文化使節として日本にも何度も訪れ、コンサートだけでなく、マスタークラスや教育活動に熱心に取り組んだ。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカは、クラクフ音楽院の教授でもあったピアニストの父スタニスラフに学んだ後、パリのエコール・ノルマルでコルトーに師事する。1949年の第4回「ショパン国際ピアノコンクール」で第1位および最優秀マズルカ演奏賞を受賞したのを機に世界でショパンを中心とした演奏会活動を活発に展開し、当時、ショパン弾きの第一人者としての名声を得た。このLPレコードは、日本での演奏会活動の折、録音したもの。ハリーナ・チェルニー=ステファンスカのピアノ演奏は、一音一音のピアノタッチに曖昧さは全くなく、宝石を鍵盤の上で撒き散らしたような、繊細で透明感のある、それはもう本当に光り輝く宝石を間近で眺めているかのような錯覚に陥るほどの演奏内容なのである。いつも決して則を越えず、かといって少しも萎縮することなく、伸び伸びと、きりりと引き締まった弾きこなしは、ピアニストの鏡といっても過言でないような完成度の高い演奏をいつも聴かせてくれていたのである。このLPレコードでステファンスカは、十八番のショパンを、いつもの透明感のある、しかも情に溺れず、リズム感のいいピアノ演奏を存分にリスナー味あわせてくれる。優美さと同時に完成度の高い演奏を聴かせてくれるステファンスカのようなピアニストに、今後出会うことは果たしてあるのだろうかとさえ考えてしまうほど類稀な、良き時代の名ピアニストであった。レパートリーはロマン派のショパンを中心とし、バッハから現代曲までと幅広かった。ヨーロッパ各地、アメリカ、カナダ、日本など世界各国で演奏会を開催し、高い評価を得た。ニューヨークの国連、カーネギーホールなどでも演奏を行い、室内楽奏者としても知られ、ポーランド文化功労賞や多数の勲章を受賞した。また、ルービンシュタイン国際コンクールなどのコンクールの審査員も数多く務めた。録音は、ドイツグラモフォン、テレフンケンデッカ、HMV、RCAなどに多数残したが、全集としては、ショパンのマズルカ全集、ノクターン全集の録音なども完成させている。(LPC)  

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