ネギまのラテン語?

ラテン語のお勉強中です。
語彙を増やす足しに、ちとね。

ネギまのラテン語?第141時間目(1/2)

2006-07-10 04:22:43 | ネギま
今回は影使いおねーさまの舎弟二人が同時に詠唱してるとこから.
ちとね,いいかんじ.アニメなんかにしたら映えるとこだね.

先ずは,みつあみおさげ眼鏡.

Ex limnō(somnō?) existat エクス・リムノー(ソムノー?)・エクシスタト
exundāns undīna エクスンダーンス・ウンディーナ
Inimīcum immergat in alveum イニミークム・インメルガト・イン・アルウェウム
VĪNCTUS AQUĀRIUS ウィーンクトゥス・アクアーリウス


ex 前置詞「~(奪格)から」.

limnō 女性名詞 limnē「湖・沼等の継続して水のあるところ」の単数奪格?
もしそうなら,limnē,limne,limnā のどれかでないと.
ん~,リチウム・マンガン酸化物(LiMnO)?
あと,女神ディアナの別名で Limnatis とかあったけど.

ところで「日本語」を見ると「眠り」に関係する言葉だと推測できる.
多分,原稿では「ソムノー」somnō だったと.
それで,文字を拾う時に「ソ→リ」と誤り「リムノー」に.

somnō 男性名詞 somnus「眠り,夜,死」の単数奪格.

existat 動詞 existō(=exsistō)「出て来る,浮き上がる,現れる,出撃する」の接続法現在単数三人称.
羅和辞典,Lewis&short 共に 「=exsistō」と.
ネギま世界のラテン語では接続法現在三人称が「話者の呼格への直接命令」を示すらしい.

従って,ここ迄の逐語訳は,
  「湖から出でよ」多分×
または,
  「眠りから出でよ」多分○



exundāns 動詞 exundō「あふれる,氾濫する,流れ出る」の現在分詞,単数主/呼格.
接頭辞 ex- を取った undō が「波立つ,(波が)泡立つ」の意.
たいして意味の違いは無いような有るような.

undīna ? もともとラテン語の unda「波」から獨逸語の undine「水の妖精」に,という話.
辞書には nympha「若い女,水の精」しか載ってないし.
undine をラテン語化したものなのかな.
ならば,女性名詞「水の妖精」単数主/呼格とみなせるのか.

直前の現在分詞と格数一致で素直に
  「あふれ出る水の精ウンディーナよ」



ここにピリオドかカンマがあると仮定.



inimīcum 男性名詞 inimīcus「敵」の単数対格.
または,形容詞 inimīcus「敵対の,不利な,嫌悪すべき」の単数男性対格か単数中性主/対格.
ここは inimīcum の女性形 inimīca の複数対格 inimīcās とかのほうが,よさげ.
または形容詞の名詞転用で具体的なものを示さずに inimīcōs「敵対するモノたちを」とか.
続く動詞が単数なので,複数にしとくと,「目的語である」と,はっきりするんだけど.
その動詞が対格の目的語を要求するので,単数対格でもいいかな.

immergat 動詞 immergō「浸す,漬ける,沈める」の接続法現在単数三人称.
「A(対格) + in B(対格)」で,「AをBの中へ」.

in 前置詞「~(対格)のほうへ,中へ」,「~(奪格)のところで,中で」.
alveum 男性名詞 alveus「空洞・腹腔・槽・舟・河床,窪んだものの底部・深部」の単数対格.

従って
  「敵を底へ沈めよ」



vīnctus 動詞 vincio「縛る,結ぶ,保護する,拘束する」の完了分詞,男性単数主格.
または,男性名詞「関係,拘束」の単数主/呼格.
動詞 vincio は対格の目的語を要求するので,その完了分詞は受動の意味が強い.
つまり,完了分詞に取ると「縛られた/縛られた者」.

aquārius 形容詞「水の」の男性単数主格.
または,男性名詞「水道課長/水道監督官,(星座の)宝瓶宮/水瓶座」

従って以下のどちらか(キターーー「どっちが実詞問題」).
  係る完了分詞 → 係られる名詞
  名詞転用の完了分詞 ← 係る形容詞
つまり,
  「縛られた水道監督官/水瓶座」
  「水の関係/拘束」

「日本語」を見ると後者の意味っぽいけど,「水の縛り手」なら
vinctor aquārius とかのほうが妥当でないかな.
undīna を受けて女性形 vinctrix aquāria(ウィンクトリクス・アクアーリア)なのか.




次は,あらもーど.
顔のアップになるとヒロイン(?)と区別できない私がいる.

Ex limnō(somnō?) existat エクス・リムノー(ソムノー?)・エクシスタト
exūrēns saramandra エクスーレーンス・サラマンドラ
Inimīcum involvat īgne(?) イニミークム・インウォルウァト・イーグネ(?)
CAPTUS FLAMMEUS カプトゥス・フランメウス

一行目はみつあみと同じ.

exūrēns 動詞 exūrō「燃え立たす,焼き尽くす,焼き払う,焦がす」の現在分詞,単数主格.
saramandra 女性名詞「サラマンダー,火蜥蜴(トカゲ)」の単数主/呼格.
で,
  「焼き払うサラマンダーよ」

inimīcum 略
involvat 動詞 involvō「中へ転がす,包む」の接続法現在単数三人称.
これも対格の目的語を要求する.
īgne 男性名詞 īgnis「火」の単数奪格.「手段の奪格」でいいのかな.
従って,
  「火で敵を包め」

みつあみのより短くてね,さみしい様な,物足りないような.
sē ipsō īgne「自身の火で」とかね,なんか修飾するものをね,欲しいとこ.



captus 動詞 capiō「捕らえる,摑む」の完了分詞,男性単数主格.
または,男性名詞「把握,捕捉,理解力」の単数主格.
flammeus 形容詞「炎の」の男性単数主格.

従って,
  「炎の捕捉」
これも,captrix flammea(カプトリクス・フランメア)とかのほうが,いぐね?



あと幾つか短いものがあるけど,続きは近日中に.
イタリアなんかが優勝しても,うれしくもなんともないんだからっっっ.

----同日5:45追記開始--------------------
イタリア優勝しちゃった.
全然うれしくもなんとも…….
うわーーーん.


「イタリアは決してフランスに勝てない」とか
「イタリアはPKになると勝てない」とか,
そんなこの世の理を打ち破った.
----追記終了----------------------------

ネギまのラテン語?第140時間目

2006-07-01 06:10:49 | ネギま
今回は魔法先生(unknown)の一人から.

Vertātur tempestās aestīva ウェルタートゥル・テンペスタース・アェスティーウァ
illīs(?) carcarem circumvertentem イルリース(?)・カルカレム・キルクムウェルテンテム

FLĀNS CARCAR VENTĪ VERTENTIS フラーンス・カルカル・ウェンティー・ウェルテンティス



頭から順に逐語訳.
vertātur 動詞 vertō「回す,向きを変えさせる」の受動態接続法現在三人称単数形.
受動形に「自動詞」の意味も有ることが羅和辞典に.
デポネント(形式受動)動詞に近いモンなのかな.
ネギま世界のラテン語では,接続法現在三人称は「話者の呼格への直接命令」を意味するらしいので,
ここの訳は「回れ/向きを変えれ」.

tempestās 女性名詞「天気,嵐,時刻,時間」の単数主/呼格.
aestīva 形容詞 aestīvus「夏の」の単数女性主/呼格.
それで,ここまでの訳は「回れ,夏の嵐よ」.

いきなり呼格から始めるという破格用法を多用してきたのに,今回は止めたのか.
で,ここにピリオドがあると仮定する.しないと,ちと,解釋が困難なことに.



illīs 指示代名/形容詞 ille「その,その人,かの,彼の人」の複数{男/女/中}性{与/奪}格.
ネギま世界のラテン語では重子音を英語の様に発音しているので,「イリース」を illīs と推定.
前文の名詞 tempestās が単数,それを受けれない.
続く名詞が対格,それに係れない.
したがって,
    「その/彼の人々に/へ」(人与格)
    「その/彼の人々で/から」(人奪格)
のどちらか.
前置詞の無い「人奪格」をあまり見ないので,「与格」確定なのかな.

carcarem 男性名詞 carcar(=carcer)「囲い,牢獄,競走場の出発点」の単数対格.
羅和辞典に「=carcer」と載ってたけど Lewis&Short には載ってない.
circumvertentem 動詞 circumvertō「回す,(あるものの)周囲を回る」の現在分詞,単数対格.
動詞 circumvertō は他動詞で対格を取る.
すると,「牢獄の周囲を回っている」と取れそう.
現在分詞は形容詞のようなモノ.
当然,名詞化が可能であり,係る名詞は必須ではない.

ところで,vertō と同様に受動形 circumvertor に自動詞の意味があるらしい.
ググル先生に circumvertor を聞いたら「ちびっとあるよん」と.
例によって先生は真偽については何も言わない.

ラテン語には受動形の現在分詞が無く,代わりに完了分詞を使う.
で,デポネント(形式受動)動詞の場合,まるで能動形があるかのように現在分詞化する.
その類推で,自動詞の現在分詞化なのか.
それだと,単数対格の名詞に単数対格の現在分詞が係るカタチで,「回る牢獄を」と取れる.
(ん~,完了分詞でいいんでないかな,かな)

したがって,
    現在分詞の目的語の名詞(分詞が要求する対格)+名詞化した現在分詞(単数対格)

    係られる名詞(単数対格)+係る現在分詞(係る名詞に従って単数対格)
つまり,
    「その/彼の人々に,牢獄の周囲を回る彼/彼女を」
    「その/彼の人々に,回る牢獄を」
のどちらか.
日本語を見ると後者の意味なのだが,
定動詞がなんだか明示されていないので,意味の確定は不可能なのかな.
faciō とかで,「誰々に(人与格)何々を(物対格)つくる」なのか,多分.



FLĀNS 動詞 flō「吹く,鳴り響く,吹かれて鳴る,吹いて来る,鋳溶かす,鋳造する」の現在分詞,単数主/呼格.
Lewis&Short に bloom の意味もあり,で,これを「風花」とするのは,ちといいかも.

CARCAR 単数主/呼格.略
格数性一致で,素直に「係る現在分詞+係られる名詞」.

VENTĪ 男性名詞 ventus「風」の単数属格,複数主格.
または動詞 veniō「来る」の完了分詞,単数男/中性属格,複数男性主格.
VERTENTIS 動詞 vertō「回す,向きを変えさせる」の現在分詞,単数属格.
前段の自動詞の話と同じなら,ここも素直に
    「係られる名詞(単数属格)+係る現在分詞(係る名詞に揃えて単数属格)」
で,動作の主体としての属格(意味上の主語)かな.

したがって,
「回る風の吹かれ鳴り響く牢獄」
ぐらいで.



イタリア-ウクライナを観ながら,だらだらとね.
で,catēnātiō カテーナーティオー 女性名詞「締め具,繋留」とか
辞書で思わず確かめたりしたり.
イタリアの守備,すごすぎだわ.

雑記 3月8日

2006-03-08 00:55:50 | 雑記
「ナルニア」のことをずーっと Nullnia とかと思ってたのね,「どこにも無い国」だし.
そしたら Narnia.

  narrate(英語動詞)「話す,物語る」
  narrative(英語形容詞)「お話の」
  nārrō(ラテン語動詞)「話す,物語る」

で,「お話の国」だったと.



WOWOWの新作アニメ Ergo Proxy 見たですよ.
冒頭にいきなり黒地に白で横文字ですよ.
なんだかラテン語に似た何かですよ.
でも明らかに違う何かですよ.
ぼーっとしてる間に何の説明もなく本編ですよ.
見終わってああ今回も無料枠の作品の方がいいかもしんないと思いながらぐぐったですよ.
("Ergo Proxy" Caro me)
すると何かあやしげなブログサイト見つけたですよ.
そこでどこぞの国の人々が Michelangelo とかおまいの訳はおかしいとか言ってるですよ.
また書き込みの日付がなんか早いですよ.
もう半月以上前ですよ.
おかしいですよ,カテ(以下略

つまりは中世イタリア語だったのね.
全文拾ったから,イタ語知ってる暇な人に.

  Italian(sonnet by Michelangelo)
  Caro m' è 'l sonno, e più l'esser di sasso
  Mentre che'l danno e la vergogna dura:
  Non veder, non sentir, m'è gran ventura;
  Però non mi destar, deh, Parla basso.

しかし分からんタイトルだな,Ergo Proxy.
和訳すると「それ故に串」?

  ergo(エルゴ)副詞「それ故に」/前置詞「~の為に」,英語でも接続詞として借用してる.
  proxy 英語「代理人,代理の」
    プロクシ(串)=プロクシサーバー(proxy server)

それに,なんか cogito とか正体不明のウイルスの名前で名詞扱いで意味わかんないし.

  cōgitō(コーギトー)動詞「考える,思う」直説法現在単数一人称

まさか,
  cogito (ウイルシ テラヤバス)
  → ergo (なんかエルゴ串暗躍する)
  → sum. (俺って在るわけだ,ここに. エクサカンドウス)
まんまな,とミスリード仕掛けて実は,と期待だけしてみるですよ.



最近ね,ちょぼちょぼと,古典ギリシャ語とアラビア語をね,まだ「文字と発音」とかなんだけど.
ネタに出来るのはまだまだ先の話だわな.
へちょくて,すまん.

ラテン語の文章に,時々,ギリシャ語の単語っぽいの出てくるのよ.
しかも,ギリシャ語単語の語幹+ラテン語の活用語尾とかで.
まー,日本語で漢字に送りがな付けてる様な.
で,別に古典支那語(漢籍)知らんでも日本語の読み書き一応出来るわけよ.
だから,ギリシャ語知らんでもね.
しかし,よく隅々まで識ってれば(通暁なれば)識ってるなりに,いろいろと良さげと.

    DĒ VENTĪS にある一節, Auster ab auriendo aquas vocatus, なんとかして下さい.
    auriendo = ギリシャ語 aurion「明日」+ラテン語動名詞奪格形語尾 -endo「~することで」
    なのでしょうか.
    なにかギリシャ語の仕掛で「明日」に関連した動詞を派生させ(根拠無き妄想),
    それをラテン語化したものなのでしょうか.
    やはりギリシャ語も知らないとだめなのでしょうか.

ネギま世界が羅典希臘梵語だから,ここ見てる人の興味は他にギリシャ語とサンスクリットなんだろうけど,なんでアラビア語かは,言葉にならない内なる衝動が,とか言っても何だから,簡潔且つ論理的で明晰な説明を試みてみよう.
とりあえず,今お勉強ちうの三つを並べてみる.

  「ラテン語」
  「ギリシャ語」
  「アラビア語」



明らかに「アルタソ…ハァハァ」である.
Q.E.D.(Quod Erat Demonstrandum)

アルタソ→ http://www.google.com/search?hl=ja&q=%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%83%95

アルタソの中身(一部のみ).
大変危険ですので声に出してお読みにならないで下さい.
また,ご覧になられただけでも精神汚染の虞(おそれ)があります.
健康上及びその他ご心配のある方はご覧にならないで下さい.
http://www.amazon.com/gp/reader/1587150433/ref=sib_dp_pt/104-1447297-7107156#reader-page


p.s ハイパーボレア語ノ教科書ハケーン.エセルタソ…エセルタソ……

ネギまのラテン語?第126時間目

2006-03-06 00:47:16 | ネギま
いやー,アニメ版OP「オリジナル笑顔」,おりぢなるえがお.
内容や出来の評判については,あちこちで書かれてる多数派意見に同意したく黒歴史.
で,呪文の棒読みも,ねー,なんとかならんかったかな.
音節の長短によるリズムとアクセントの高低が絡み合うのを再現して欲しかったような.

一応,ラテン語の発音(再構成古典式発音)を知るのに一番手軽なのは,白水社の「CDエクスプレス・ラテン語」.

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4560006474/qid%3D1141156548/250-2363791-8834615

「一応」とは.
ラテン語は,英語やドイツ語に比べて,母音かなり多めで,摩擦音少なめ.
また,アクセントは強弱でなくて高低(異論あるけど).
アクセントの規則によって,「低高低」や「低低高低」となる単語も多い.
しかもこのCD,初心者向けに,なんとも,ゆくーり,またーり,のたーり.
結果,「どこぞのエセ京都人がカタカナ外国語を無理して喋ってる」としか.
中の人は獨逸人らしいんだけどね.
詳細は忘れたけど,「翻訳サービス」のある会社.
サイトの案内で「全てネイティヴによる翻訳」と.
扱う言語のリストに何気なく「ラテン語」も.
その「ラテン語ネィテイヴ」の人にやって欲しかったな~,このCDの吹き込み.

CDエクスプレスのシリーズは図書館によくあるので,聞いてわろおてやぁ.(キタコレ エセ京都弁)
ちと早口だけど,Nuntii Latini「ラテン語ニュース」というネットラジオもある.



今回は,図書館探検部でハブられ唯一魔法を知らなかった角メガネ同人女に,とうとう,魔法ばれ.
魔法の実演を強要される京都弁(ネコミミモード?),前髪うざい(能登かわ以下略),でこ(略)の三人.

  Ārdēscat アールデスカット
  Adeat アデアット

特に文という程でもなく,辞書引いて終わりみたいな.

ārdēscat 自動詞 ārdēscō「燃える,火が着く,発火する,光る,熱くなる」の接続法現在単数三人称.
adeat 自動詞 adeō「来る,近づく」の接続法現在単数三人称.

独立文の接続法現在は「話者の願望,意思,想像」を表す.
以上.

だとつまらんので,以下だらだらと.



ārdeō 自動詞「燃える,輝く,燃え立っている,熱愛する」という単語がある.
この動詞の現在語幹 ārdē に -scō を繋げると ārdēscō.
なんか動詞の語幹に -scō を繋げると,

  amō「愛する」 amāscō「愛し始める」
  aceō「酸っぱい」 acēscō「酸っぱくなる」
  albeō「白い」 albēscō「白くなる,明るくなる」
  āreō「乾いている」 ārēscō「乾く」
  sciō「知っている」 scīscō「知ろうとする」

「状態の自動詞」→「その状態になる自動詞」で,ここまではいい感じ,

  augeō「成長させる」 augēscō「成長する」
  creō「創造する,生む」 crēscō「成長する,発生する」

「他動詞」→「自動詞」でもあるのか?

  abhorreō 自動詞「たじろぐ,立ち尽くす,憎む」 abhorrēscō 他動詞「恐れる」

もうだめぽ,なんかよぐわがんね.



ところで,従属文,特に間接話法中の接続法は「従属文中の命令」を示す.
おーっ,なんかネギまの呪文文法の核心か?
とも思ったけど,単行本13巻の追加で仮説は崩れる.
imperō「命令する,支配する」の接続法現在単数一人称 imperem は,この仮説だと,ちとねー.
仮説「呪文本体は始動キーを主文とする間接話法の従属文である」は当分の間凍結処分.
もう少しサンプルが必要かな.
もしかすると,13巻追加呪文は他と別の理由で接続法現在なのかもしれんし.
または,単なる手違い,手抜きかもしれんし.

間接話法ではない「主文+ ut +接続法(従属文)」というのもある.
ut 以下が主文の目的などとなる.
うまい具合に「接続法現在一人称(主文)+ ut +接続法現在(従属文)」の短い例文があったりする.

  Efficiam ut intellegātis.
    efficiam: efficiō「させる」の接続法現在一人称単数
    intellegātis: intellegō「わかる」の接続法現在二人称複数
  →「私がお前たちにわからせてやろう」

で,imperem って,そんなに命令したいんかと.

ネギまのラテン語?第125時間目

2006-03-03 00:51:16 | ネギま
第125時間目.
綴りも載っていて,楽チン.

Austrōafricus Aeternālis アゥストローアフリクス・アェテルナーリス

ネギまのカタカナ表記は半分英語風なので,単行本で「オーストロアフリクス・エーテルナリス」とかになるのかな.

Austrōafricus 男性名詞単数主格「南西風」.
aeternālis 形容詞男・女性単数主格形「永久の」.

単語の配置も「名詞+形容詞」という一般的なもので問題なし.
従って「永久の南西風」.

ventus 男性名詞「風」ではなくて,Austrōafricus を使ったのは語呂あわせの関係?
例によって,Austrōafricus は「古典ラテン語辞典」に無く,「羅和辞典」に「南西風」と簡潔な記述のみ.
グーグル先生に聞くと,言及しているものは,スペイン・セビリアの聖イシドルスが
    Sanctus Isidorus Hispalensis(サンクトゥス・イシドルス・ヒスパレンシース)
7世紀に記した「語原の書20巻」の
    Etymologiārum librī XX(エティモロギアールム・リブリー・ウィーギンティー)
第13巻「世界と部分について」の
    Dē mundō et partibus(デー・ムンドー・エト・パルティブス)
第11章「風について」ぐらいなんだな.
    DĒ VENTĪS(デー・ウェンティース)

で,Austrōafricus が出てくるのは二箇所.
一箇所は十二方位の風の名を列挙してるとこ.

  和訳も英訳も見当たらないので,該当部分のてきとーな訳とフリガナを.
  以下,DĒ VENTĪS の途中から.

    Subsolanus a latere dextro Vulturnum habet, a laevo Eurum:
    スブソーラーヌス・アー・ラテレ・デクストロー・ウルトゥルヌム・ハベト・アー・ラェウォー・エゥルム
    スブソーラーヌスは右脇でウルトゥル山の風を抱え,左でエゥルスを,

    Auster a dextris Euroaustrum, a sinistris Austroafricum:
    アゥステル・アー・デクストリース・エゥロアゥストルム・アー・シニストリース・アゥストローアフリクム
    アゥステルは右にエゥロアゥステルを,左にアゥストローアフリクムを,

    Favonius a parte dextra Africum, a laeva Corum:
    ファウォーニウス・アー・パルテー・デクストラー・アフリクム・アー・ラェウァー・コールム
    ファウォーニウスは右手でアフリクスを,左手でコールスを,

    porro Septentrio a dextris Circium, a sinistris Aquilonem.
    ポルロー・セプテントリオー・アー・デクストリース・キルキウム・アー・シニストリース・アクイロネム
    さらにセプテントリオーは右にキルキウスを,左にアクイローを.

    Hi duodecim venti mundi globum flatibus circumagunt.
    ヒー・ドゥオデキム・ウェンティー・ムンディー・グロブム・フラーティブス・キルクマグント
    これら12の秩序正しき風が世界を息吹で廻らせる.

  最後の行の globus,いい訳がちと浮かばない.
  Lewis&Short online に globe「地球」とあるが,七世紀南欧で「地球」はないよなー.

まとめると,十二方位が等分されていると仮定して,それら風の名は東から時計回りに
(括弧内は羅和辞典より)

  東   Subsōlānus スブソーラーヌス(男性名詞・東)
  東南東 Eurus エゥルス(男性名詞・南東)
  南南東 Euroauster エゥロアゥステル(男性名詞・東南)
  南   Auster アゥステル(男性名詞・南)
  南南西 Austrōafricus アゥストローアフリクス(男性名詞・南西)
  西南西 Africus アフリクス(男性名詞・西南)
  西   Favōnius ファウォーニウス(男性名詞・西)
  西北西 Cōrus コールス(男性名詞・北西)
  北北西 Circius キルキウス(男性名詞・西北)
  北   Septentriō セプテントリオー(男性名詞・北)
  北北東 Aquilō アクイロー(男性名詞・北)
  東北東 Vulturnus ウルトゥルヌス(男性名詞・?)

辞書と微妙にずれてるのは,辞書が八方位で説明しているからなのかな~.
(あ~♪,「語彙を増す足しに」という本題に沿ってる,今回.)

もう一箇所はこの引用箇所に続く名前の由来について.
読み進んでいくと,つまりは,Auster と Africus との間なので Austrōafricus という名前なのね.
(ところどころ訳しきれないから,訳文載せるの逃げてるな.オィ!)
で,「Auster は大気を汚しそして疫病を産むがごとし」とかあるし.
Africus は宿敵カルタゴを滅ぼした跡に付けた名が元々だし.
なんかあんまし良い感じの名前ではないような,Austroafricus なわけよ.
もしかして,そーゆー含みの命名かい?



ところで,グーグル先生に「聖イシドルス」と聞くとね,

http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E8%81%96%E3%82%A4%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%AB%E3%82%B9

いい感じだわ.