あれから、それはもうたくさんの話を私はしたわ。
あの子にはなんでも話せたの。
悩んでる事もなんでもね。
どんどん仲良くなっていって。
私たちは、10年の付き合いになったわ。
私はもう40代ね。
でも彼女はまだ20代。
うらやましいわ。
でもよかったの。
仲良くしてくれるから。
いつもの時間に今か今かと彼女を待っていたわ。
でも、その時間になってもこなかったのよ。
1時間ぐらいたったわ。
そしたらね、誰かが来る音がしたのよ。
そっちを見ると20代の女性がこっちにやってくるの。
やっと来たのね、きっと忙しかったんだわ、と思ってその人がこっちに来るのを待ったわ。
でもあの子じゃなかった。
別の女の人だったの。
肩を落とすと同時にその女の人が私に話しかけてきたのよ。
「あの、島山さんから頼まれたのだけど、この手紙。」
そういうと手に持っていた手紙を私に差し出してきたの。
確かに彼女の苗字は島山だわ。
手紙を見ると彼女の名前と私の名前が入っていたわ。
私たちはたくさんのお話を10年以上話しこんでいたけれど彼女の文字を見るのはその日が初めてだった気がした。
手紙の封を開けると
「では、これで。」
といってそそくさと彼女は去っていったわ。
きっと何か用事があるに違いない。
あんなに急いでいたから。
逃げるように立ち去る彼女を見向きもしないで私は手紙を読んだの。
今日は来れなくてごめんね。
きっと十数年の間で来ないのは始めてね。
でもね、大発見をしたわ。
私ね、あっちの世界への扉を開けるの。
これできっと帰れない子達を帰す事ができるわ。
それとね、お願いがあるのよ。
今日の夜9:00に柴崎町のこの前話していた廃ビルに来て欲しいの。
そのときにお願いの内容を話すわ。
廃ビルの入り口で待っています。
たしかにそう書かれていたわ。
そのときはすでに8:00でね。
急いで部屋に戻って着替えたのを覚えているわ。
もうワクワクで心臓がうるさかったの。
きっとあの子が話してくれていたあの世界の住民にあえるんじゃないかって。
その事ばかりを考えていたわ。
そのためだったら別にどんなお願いも聞けるって。
40代のおばちゃんが何考えてるんだろうね。
急いで時折走って廃ビルに着いたわ。
暗くて入り口を探すのに大変だったけれどあの子がいたから20分で入り口の場所が分かったの。
「よかった。暗いから入り口分かりにくかったよね。」
少し首を傾げて困ったような表情でそう言うあの子にうん、と肯定をできるはずがなくて。
「そんな事ないわよ。」
と、返したの。
ニっと笑いながら。
「それじゃあ、行こうか。」
そう言い私に手を差し出してきた彼女。
それはもう、夢への階段を一歩進むようで、喜んで私も手を重ねた。
だけれどそれは。
悲劇への第一歩。
あの子にはなんでも話せたの。
悩んでる事もなんでもね。
どんどん仲良くなっていって。
私たちは、10年の付き合いになったわ。
私はもう40代ね。
でも彼女はまだ20代。
うらやましいわ。
でもよかったの。
仲良くしてくれるから。
いつもの時間に今か今かと彼女を待っていたわ。
でも、その時間になってもこなかったのよ。
1時間ぐらいたったわ。
そしたらね、誰かが来る音がしたのよ。
そっちを見ると20代の女性がこっちにやってくるの。
やっと来たのね、きっと忙しかったんだわ、と思ってその人がこっちに来るのを待ったわ。
でもあの子じゃなかった。
別の女の人だったの。
肩を落とすと同時にその女の人が私に話しかけてきたのよ。
「あの、島山さんから頼まれたのだけど、この手紙。」
そういうと手に持っていた手紙を私に差し出してきたの。
確かに彼女の苗字は島山だわ。
手紙を見ると彼女の名前と私の名前が入っていたわ。
私たちはたくさんのお話を10年以上話しこんでいたけれど彼女の文字を見るのはその日が初めてだった気がした。
手紙の封を開けると
「では、これで。」
といってそそくさと彼女は去っていったわ。
きっと何か用事があるに違いない。
あんなに急いでいたから。
逃げるように立ち去る彼女を見向きもしないで私は手紙を読んだの。
今日は来れなくてごめんね。
きっと十数年の間で来ないのは始めてね。
でもね、大発見をしたわ。
私ね、あっちの世界への扉を開けるの。
これできっと帰れない子達を帰す事ができるわ。
それとね、お願いがあるのよ。
今日の夜9:00に柴崎町のこの前話していた廃ビルに来て欲しいの。
そのときにお願いの内容を話すわ。
廃ビルの入り口で待っています。
たしかにそう書かれていたわ。
そのときはすでに8:00でね。
急いで部屋に戻って着替えたのを覚えているわ。
もうワクワクで心臓がうるさかったの。
きっとあの子が話してくれていたあの世界の住民にあえるんじゃないかって。
その事ばかりを考えていたわ。
そのためだったら別にどんなお願いも聞けるって。
40代のおばちゃんが何考えてるんだろうね。
急いで時折走って廃ビルに着いたわ。
暗くて入り口を探すのに大変だったけれどあの子がいたから20分で入り口の場所が分かったの。
「よかった。暗いから入り口分かりにくかったよね。」
少し首を傾げて困ったような表情でそう言うあの子にうん、と肯定をできるはずがなくて。
「そんな事ないわよ。」
と、返したの。
ニっと笑いながら。
「それじゃあ、行こうか。」
そう言い私に手を差し出してきた彼女。
それはもう、夢への階段を一歩進むようで、喜んで私も手を重ねた。
だけれどそれは。
悲劇への第一歩。