____のんびり____

ゆっくりとマイペースに更新していきます。ときどき写真載せたり、絵を書いてみたりいろんな人と交流したいなと思っています。

私は誰なの?[5]

2009-09-16 16:46:08 | ____おはなし__
あれから、それはもうたくさんの話を私はしたわ。
あの子にはなんでも話せたの。
悩んでる事もなんでもね。
どんどん仲良くなっていって。
私たちは、10年の付き合いになったわ。
私はもう40代ね。
でも彼女はまだ20代。
うらやましいわ。
でもよかったの。
仲良くしてくれるから。
いつもの時間に今か今かと彼女を待っていたわ。
でも、その時間になってもこなかったのよ。
1時間ぐらいたったわ。
そしたらね、誰かが来る音がしたのよ。
そっちを見ると20代の女性がこっちにやってくるの。
やっと来たのね、きっと忙しかったんだわ、と思ってその人がこっちに来るのを待ったわ。
でもあの子じゃなかった。
別の女の人だったの。
肩を落とすと同時にその女の人が私に話しかけてきたのよ。

「あの、島山さんから頼まれたのだけど、この手紙。」

そういうと手に持っていた手紙を私に差し出してきたの。
確かに彼女の苗字は島山だわ。
手紙を見ると彼女の名前と私の名前が入っていたわ。
私たちはたくさんのお話を10年以上話しこんでいたけれど彼女の文字を見るのはその日が初めてだった気がした。
手紙の封を開けると

「では、これで。」

といってそそくさと彼女は去っていったわ。
きっと何か用事があるに違いない。
あんなに急いでいたから。
逃げるように立ち去る彼女を見向きもしないで私は手紙を読んだの。


今日は来れなくてごめんね。
きっと十数年の間で来ないのは始めてね。
でもね、大発見をしたわ。
私ね、あっちの世界への扉を開けるの。
これできっと帰れない子達を帰す事ができるわ。
それとね、お願いがあるのよ。
今日の夜9:00に柴崎町のこの前話していた廃ビルに来て欲しいの。
そのときにお願いの内容を話すわ。
廃ビルの入り口で待っています。


たしかにそう書かれていたわ。
そのときはすでに8:00でね。
急いで部屋に戻って着替えたのを覚えているわ。
もうワクワクで心臓がうるさかったの。
きっとあの子が話してくれていたあの世界の住民にあえるんじゃないかって。
その事ばかりを考えていたわ。
そのためだったら別にどんなお願いも聞けるって。
40代のおばちゃんが何考えてるんだろうね。
急いで時折走って廃ビルに着いたわ。
暗くて入り口を探すのに大変だったけれどあの子がいたから20分で入り口の場所が分かったの。

「よかった。暗いから入り口分かりにくかったよね。」

少し首を傾げて困ったような表情でそう言うあの子にうん、と肯定をできるはずがなくて。

「そんな事ないわよ。」

と、返したの。
ニっと笑いながら。

「それじゃあ、行こうか。」

そう言い私に手を差し出してきた彼女。
それはもう、夢への階段を一歩進むようで、喜んで私も手を重ねた。
だけれどそれは。




悲劇への第一歩。

私は誰なの?[4]

2009-09-13 16:18:33 | ____おはなし__
秋羅を見送り私たちはダイニングへ歩いていく。
この家は外見が和風なのにもかかわらず中はすこぶる洋風だ。
おまけに広い。
ダイニングまでにも結構距離があるのだ。
そんな中祖母は私に見向きもしないでこう言った。

「麻奈。気をつけなよ。あんたのそれは私のそれとは180度違うからね。」

その言葉で私はすべてを理解してしまった。
でも心のどこかで否定する自分もいる。
考えすぎて言葉がつっかえる。

「そ、 そ」

祖母はやっとこっちに向き直り立ち止まった。
彼女はちょっとやそっとじゃ人と目を合わせないのにこのときだけは私に目を合わせてきて、祖母を見た瞬間驚いた。


    涙だった。


私に一回も見せた事のない涙であった。
何かをめいいっぱい悔いているその表情に私は圧倒されるばかり。

「あ、あんな事になるなんて。知らなかったんだ。ごめんねぇ。麻奈に怖い思いばかりさせてごめんねぇ。まだ、まだ、忘れられてなかったなんて。私のせいだよ。」

そういい、祖母は頬にまで伝っている涙を拭い去る。
私はもうなんの事なのか分からなかった。
一体何があったのだろうか。
私にはまだ知らない私がいるのだ。
そう思えば思うほどになおさら知りたくなってしまう。

「ねぇ!?ばぁちゃん、教えてよ。何があったの?これからどんな事が私に起こってしまうの?何で私は怖い思いをするの?何でばぁちゃんが悪いの?なんで泣くの!?」

一度に全部を聞いてしまいたい。
もう、私に一体何が起きているのか知りたいよ。
どうしてなの。
祖母は私に肩を置いて悔やみしれない顔を私に見せる。
震わせながら、ただ淡々と悠々に一言放つのであった。

「ごはん、食べながら話そうか。」

その後部屋に行きご飯をよそい食べ始めるまで何も話さなかった。
気まずい雰囲気を静かにかもし出しいていたのだ。
沈黙を破るかのように祖母はそっとしかもはっきりと私に話てくれたのであった。




それはね、私の親友の話だったんだよ。

祖母にはたった一人の親友がいたのだ。
元々祖母は霊感が幼い時から優れていたためいろんな霊と会話をしていた。
そんなわけか誰も近づこうなどとは思わなかった。
だれも霊なんかと一緒になんかいたくない。
そんなわけでいつも一人ぼっちだった祖母の子供時代。
大人になってもそれは変らずあったのだが、30代になり親友とであった。
それはまだまだ小さな小学低学年の女の子。
彼女もまた人には見えない何かを見る事ができていた。
その女の子が言うにはこの世界にはある亀裂が入るときもう一つの世界の入り口が開かれるらしい。
それはめったにないことらしいのだが、来てしまったが最後元の世界に戻るのは困難を極めるらしくそこままこの世界で余生を過ごす奴らが多いらしい。
そんな奴らと彼女はいつも楽しく遊んでいるのだとか。
そして奴らと遊んだ話を毎日祖母の寺に通い詰め祖母に話していたらしい。
その変らないいつもの日課の時に祖母はある話をしたんだとか。

「私ね、もうこんなおばちゃんだけどお友達は霊しかいないんだ。だからね、あなたがここに毎日来てくれるのがとってもうれしいの。いつかあなたともお友達になれるかしら。」

祖母の言葉に女の子は笑い出して

「もうお友達でしょ!それにこんなになんでも話せるの巫女さんだけだもん。もう私たち親友だよね?」

祖母はその言葉にとても感激したらしくそしてある疑問もあり、こう答えたのだとか。

「いいの?私もう36歳なのよ。こんな歳はなれてるのに親友にさせてもらえるの?」

女の子はね、思いっきり、うん!って首を縦に振ったんだとか。
それが、親友の始まり。




でもこれがあの子に近づいてしまった悪夢の始まりでもあったのよ。

私は誰なの?[3]

2009-09-04 18:24:31 | ____おはなし__
私たちは、青森についた。
久々の空気で清々しい。
バスで祖母の自宅まで行く予定だ。
それにしても空気がきれいだな。
ふと、そんなささいな事を思う。

「着いたねぇ。さ、秋羅行こうか!!」

にぃ、といたずらっぽく笑ったかと思うと秋羅はうん、と了解した。
バス停で待つ事20分。
バスは来た。
バスは思ったより混んでいた。
私たちの荷物は泊まり用に大きな物ばかりなので、邪魔だった。
なんとか中にはいり吊り革に手をやる。
随分と窮屈だ。

ゆらゆら揺れる、バスの中。
山をカーブしながら降りてゆく。
ほとんどの人達は同行者と小声で話している。
まぁ、このバスは結構遠いところまで行くのだから、あんまり乗り降りが少ない。

そんなこんなで祖母の田舎町にまで着いた。
ガラガラと旅行用かばんを引きずり家まで着いたのだった。

「ただいまー!!ばぁちゃんいる?」

私は威勢良く家中に響き渡るくらいの声を出した。
すると、台所にいたのか、脇から祖母があるいてきた。

「はいはい。お帰りなさい、二人とも。」

笑顔の祖母は昔ながらのエプロンをして、こちらにやってきた。
そして、私、秋羅の順で抱き寄せる。
パンパンと背中を叩くのが祖母の癖だ。

「麻奈のおばあちゃん、お世話になります。」

秋羅が言うと阿吽の呼吸のようにお決まりの文句を発する祖母。

「いいのよぉ。遊びに来てくれるのは秋羅ちゃんだけなんだから!これからも麻奈と仲良くしてやってねぇ」

「いつだって、秋羅は私と一緒にいてくれるんだよ!裏切らないよ!」

いつものご挨拶のようになっているこのやり取りをおえると祖母は

「じゃ、お昼食べるかい?今、ちょうどお魚が焼けてきたんだよ。」

食べ物だとわたしは目がない。
即答して、うん!と元気よく放つ私とは別に秋羅はあんまり浮かないようだった。
食べたくないのだろうか。

「あ、私はまだおなか空いてないんです。すいません。荷物おいてちょっと庭を探索してもいいでしょうか?」

本当におなかが空いてないと見える秋羅。
どうしたのだろうか。
いつもはよく食べるのに。
それに、私と別行動なんていつもの秋羅じゃないみたいだ。
でも祖母は

「そうだねぇ。じゃ、麻奈だけ食べといで。あ、秋羅ちゃん、あんまり深い所までいくと迷子になるからねぇ。行っちゃダメだよ?」

「わかってますよ。」

秋羅に笑顔がもどる。
私は秋羅が本当は庭を一人で歩き回りたいんだなっと感じて。

「荷物私が全部上に上げとくから行ってきな。」

と、言い秋羅の分も持ち2階へあがった。
秋羅は心底うれしそうに

「麻奈ありがとう!」

と、叫ぶと外へと駆け出して行った。
相当遊びに行きたかったんだな、と感心しながら、2階へ行き、私は秋羅用の客用寝室に秋羅の荷物を、自分が嘗て使っていた部屋に自分の荷物を置くと祖母が待っているダイニングへと急いだ。


まぁ、テスト嫌いですから。

2009-09-01 16:49:50 | __おえかき_


過去の絵です。
これも前のブログから引っ張ってきました。

あ、前のブログは未だに健在していますよ。
えっと、クルルでやってました。
名前は、あんまり変ってないな。

また、引っ越そうかと思っています、ブログ。

どこか書きやすいブログサイトはないんだろうか。

結構過去に書いた詩、前のブログに未だに乗ってるやつ

2009-09-01 16:37:10 | ____こころ_
忘れ物をした

大切な忘れ物をした

とても大事なのに忘れがちなそれを人々は忘れ物にする

すぐに忘れて心の奥底にしまって取りにも行かない



どうしてだろう

どうしてかしら



気づいたときにはもう必要としてなくて

そしてみな口々にいうのだ



ああ、あの時にやっていればよかった



まさに知らなかったかのように

忘れているだけなのに

思い出していないだけなのに

初めて知ったように



みないうのだ

ここにあるのに



生まれた時に神様が教えてくれる゛忘れ物゛

それはいつのまにか心の奥底にしまわれる

しまって、しまって、必要な時は゛忘れ物゛



それはいつも心に



それは人に忘れられ



それは神様に大事にされ



それは軽くあしらわれる







皆は気づいているのだろうか

ちゃんと使っているのだろうか



神様に最初に教えてもらえるソレを