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映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

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愛を読むひと

2009-07-01 | 洋画(あ行)
★★★★ 2008年/アメリカ 監督/スティーブン・ダルドリー
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>
「味わい尽くせぬジレンマ」


1958年のドイツ。15歳のマイケルは21歳年上のハンナと知り合い、肉体関係に陥る。以来、彼女の体にのめりこみ毎日のように部屋に通うマイケル。やがてハンナは情事の前に「朗読」を行うことをマイケルに約束させる。しかし、ある日突然ハンナは姿を消し、1966年ふたりは意外な場所で再会するのだ…。


年の離れた男女の禁断のラブストーリーかと思いきや、後半一転して戦争責任、罪と罰、人間の尊厳という深いテーマに突入していきます。見終わった後もあれこれ考えてしまう大変余韻の残る骨太な作品。秀作だと思います。とにかくハンナの演じるケイト・ウィンスレットの演技が素晴らしい。中年女の疲れた感じや何か過去を持つ後ろ暗さを見事に表現しています。マイケルに対してハンナは突き放したような素振りを時折見せるのですが、それが嫌味に見えず、むしろその裏に隠された謎を予感させるのです。

本作は敢えて多くを語らず、行間を読む作品。私的には好きなタイプなんですが、実は後半のマイケルの心情にはあまり寄り添えませんでした。ちょっとね、わからないことが多くて。

マイケルがハンナのために刑務所にせっせと朗読テープを送り、そのことによってハンナが新しい世界を切り開き、生きる希望を得るというシークエンスは本当に感動的。だからこそ、マイケルのハンナへの思いは何だったのか、もう少しきっちりと掴みたいのよねえ。

面会室の直前になって引き返してしまうこと。やっと文字が書けるようになったハンナの手紙に対して返事を書かなかったこと。その理由を推測することはできるのだけど、あくまでも推測でしかないのでマイケルのキャラクターにきっちりとした輪郭が与えられないのです。この辺がちょっと見ていて歯がゆい。

マイケルの朗読テープ。あれは無償の愛だったのでしょう?だったら、なぜ返事を書かないのかしら。運命の女を最後まで包み込むことができなかったマイケルという男の弱さが最終的には前に出てきている印象。でも、本来は本作は先にも述べたように戦争責任や罪と罰など様々なテーマを内包している。このふたりの愛の在り方のあやふやさが結局あれこれ考え直してみたい作業を邪魔してしまっているんですよねえ。とってもいい作品だとは思うのですけど、なぜか煮え切らないのでした。
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2 コメント

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こんにちは♪ (ミチ)
2009-07-02 18:46:20
マイケルの心情は特に描かれなさ過ぎでしたよね。
憶測するしかないところがちょっと歯がゆい。
けれど、時代背景といい役者さんといいとても好みの作品でした。


ところで、マイケルの急死には驚きましたね~。
久しぶりにCDやビデオを出してきました。
ビデオって巻戻し作業が面倒くさいって今更ながら気が付いたわ。
これを機会にDVDも買っておこうかと思います。
どのPVも素晴らしいですよね。
「BAD」がスコセッシとは知りませんでした。
やっぱり力の入れ方が違うわね。

「レスラー」ですけど、こちらでは夏~秋に公開予定だそうです(泣)
ミチさん五つ星でしたっけ? (ガラリーナ)
2009-07-03 15:36:34
期待し過ぎだったんです。もっとフラットに行けば良かった。
すごく深いテーマなんですけどね。
でも、今になってあれこれ考えています。

「BAD」がスコセッシって、マイケルもやりますよね。私もPVのDVD買おうかな~ってamazon覗いたら、売り切れで今月の半ばにしか入荷しないみたいでした。やっぱみんな買ってるんですね。

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