ルイ・ロットの館

ルイ・ロットにハマった笛吹きのブログ。

フィリップ・ゴーベールのルイ・ロット

2011-02-19 15:18:00 | 日記
タファネル&ゴーベールと言えば例の日課大練習が有名であり

フレンチ・スクールの祖と言っても過言ではないフルーティストですが・・・・


ポール・タファネル

ドリュースのG#のルイ・ロット、#2104でしょうか?

フィリップ・ゴーベール



そのフィリップ・ゴーベール Philippe Gaubert が使っていたフルート、
もちろんルイ・ロットですが、
それを修復したという記事を見つけましたのでここに御紹介したいと思います。


初代ルイ・エスプリ・ロットによって1874年の最後に製作された#1986、
銀製、C足、C-Hトリル・レバーのフルートだそうです。



おそらくゴーベールの「魂」が感じられる楽器なのでしょうね。
一度でいいから吹いてみたいものです。


Tula Giannini の " Great Flute Makers of France" にも
「ロット・ジャーナル」からのこの#1986の修理の記録が載っています。


下から2段目のところ。(日本語版では220ページです。)


修復を任されたのはフィリップ・ローランというパリのフルート専門店です。

これがその記事。
http://www.ariamusique.fr/Articles/Philippe-Gaubert-Louis-Lot/JP.html


どうせならこの楽器の細部まで画像を載せていただきたかったものですが
実に興味深い記事ではあります。

トーンホールはほぼ付け直しのようですが、
それだけ全体に熱を掛けると響きはどの程度変化するものなのでしょうか?
大変気になる点です。

熱を掛けるということがあっても、トーンホールのハンダの劣化による空気漏れを塞げるのならば
「健康な状態」にはなったのでしょう。

ああ、ますます吹いてみたい!



それからパッドの固定と調整はワッシャーのみに頼らず
ロットの時代のままに「白いワックス」によって行われたようですが、
これ、私も何度かこのワックスによって固定された当時の楽器を見ているのです。


それらはもちろんもう既にパッド自体がダメでしたので
交換して現代の習い通りにパッドをセラックやワックスなどで固定することはなかったのですが
一度だけロットの木管をヤマダ・ピッコロさんでセラックによる調整をしていただいたことがあるのです。


これが実に良かった!


なによりも一度バッチリ合わせてしまうとかなりの長い間、狂いが生じなかったのです。
これには驚きでした。
響き自体も管体の良さが十二分に引き出されるものでした。


できることなら今使っている銀のロットもセラック、ワックスによる調整で吹いてみたいものです。
絶対により良い響きになることでしょう。



このゴーベールは少ないながらも若干録音が残っています。


演奏スタイルの好みは置いといて・・・

やはりいい音色だと思います。
密度の濃い、充実した響き。
虚ろさは微塵も感じられません。

いい時代だったのですね。



CDが数枚あるのですが、何人ものフルーティストを集めたCDが多いので
いつか演奏家別にまとめてみようと思います。




                    久々のルイ・ロット・ネタでございました(苦笑)

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5 コメント

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Unknown (tetsu)
2011-02-19 19:42:23
P.Gaubert(1879-1941)のCDは指揮も含めて実家にあるはずです。

P.Taffanel(1844-1908)の音は今のところ残っていない、ようです。かなり前から、ない、といろいろなところできいて、いまだにみつかりません。
ヴァイオリンではL.Auer(1845-1930)は同世代で、音質はよくないですが、録音は残っています。なぜフルートが残っていないのか、残念です。

P.Gaubertの同世代だと、J.Thibaud(1880-1953),A.Cortot(1877-1962),P.Casals(1876-1962)は日本語版でもふつうに流通してますね。

悔しいですが、手書きのフランス語は、たいしたこと書いてないと思っても、ぜんぜん読めません。
RE:Unknown (louislot1800)
2011-02-20 12:22:41
tetsuさん

ゴーベールはダフニスを指揮したのとかありますよね。
ネリー・メルバと共演したものなんかもとてもいいです。

タファネルは残念ながらないようですね。
あまりそっちに興味がない人だったのでしょうか?




手書きのフランス語・・・・

手強いです(涙)


初代のころは字がもっとキレイなので読みやすいんですが
シャンビーユの時代のこの字はなかなか難しいですね。
どうにも1段目最後の単語が判りません。
初代の文字からなんとか探し出そうとしてみましたが見つかりません。

でもどうもフランスの記事の中に
【1927年、ゴーベールは、リッププレートとライザーを他のモデルへと交換し、】
とありますが、そのことを書いているように思われます。
頭部管とか口とか調整、作る、といった単語が並んでいるようです。


この「ロット・ジャーナル」を解読できたら面白いんですけどね。
ところどころ紛失だったか盗難でなくなっているのは残念ですけど。
RE:Unknown (louislot1800)
2011-02-20 12:31:42
最後の単語、コンセルヴァトワールかもしれません。

音楽院教授のフィリップ・ゴーベール、と書いてあるのでしょう。
ゴベールルイロットの演奏会 (Mi)
2012-03-20 23:07:51
ゴベールのことについて書かれている記事をサイト上でいろいろ探して読んでいてここへ立ち寄らさせて頂いています。2012年4月1日15時~東京新宿のムラマツホールにてゴベールの作品を中心にした演奏会が行われます。フランス人フルート奏者ニコラ・デュシャンがゴベールが愛用していたルイロットで演奏するそうです。
RE:ゴベールルイロットの演奏会 (louislot1800)
2012-03-23 14:33:33
Miさん

はじめまして。
お立ち寄りありがとうございます。

興味深い演奏会ですね。
1874年製の楽器ということですからおそらくはこのローランさんによってオーバーホール、修復された楽器なのでしょうね。
聴きに行けないのが残念です。

貴重な情報をありがとうございました。

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