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樺太犬:犬種について−2

2011-12-01 17:41:36 | Weblog
犬種について−1 の続き。
以下「」内、高橋多蔵氏「樺太犬について−」(昭和15年)より。

「樺太に渡来した北方家犬の犬種中、最も多数移植されたものは、東シベリア地方のライカ犬(Laika Hund)で、
この犬種は現在においても多来加(タライカ)地方にてその特徴を備えたものが見られる。
その他、サモエド犬、エスキモー犬等の犬種も移入されている。
普通一般に長毛種と呼ばれているのは、サモエド犬の影響を多く受けているもので、
中毛の大型で四肢が比較的短く胴の長い犬種はエスキモー犬の影響を受けているものである。」
(注:多来加=タライカ。タライカ湾は現在のテルぺニア湾)

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上記、高橋氏の見解に対して、竹内恭氏は「樺太犬」(昭和20年調査論文)の中で以下「」の内容を述べている。
「サモエド犬が樺太犬に及ぼした影響はライカ犬、エスキモー犬に比べて極少ないものと思う。
樺太犬の体型にもいくつかの型が見られ、一見してどの系統を引いているか鑑別できるのであるが、
ライカ犬、エスキモー犬の型のものに比しサモエド犬の型はほとんど認められない。
いずれにせよ樺太犬は主として古代のCanis Familiaris Inostranzewi の系統を引くもので、
純然たる北方起源の寒地生活に適した諸形質を持つものであることを
高橋多蔵氏が(昭和15年)樺太の石器時代の遺跡より発掘された古代犬の頭骨と
現在の樺太犬の頭骨とを測定、比較して証拠立てている。」

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樺太犬を型作った犬種がシベリア大陸から渡来されたことについては、遺伝学の面からも研究されている。
1992年に北サハリン在来犬(いわゆる樺太犬)を遺伝学的に調査した田名部雄一氏の著書「畜産の研究」(1993年)にその結果が載っている。
田名部氏は、当時まだ犬を用いた狩猟生活をしていた北サハリンの原住民が所有する在来犬の調査をした。
以下「」内、要約・抜粋。

「調査地は北サハリンに点在するいくつかのニブフ族の居住地である。
各調査地の在来犬の血液を採取した結果、血液蛋白質の多型を支配する遺伝子構成では、
ヘモグロビンA遺伝子の頻度が0.75と極めて高い特徴が見られた。
この遺伝子は北海道犬(アイヌ犬)や琉球犬など古い型の日本犬はほとんど持っておらず、
その他の遺伝子構成からみても、ニブフ族の持つ北サハリン在来犬は、
グリーンランド産のエスキモー犬や韓国の珍島犬や済州島犬に似ており、北海道犬とは全く異なっていた。
このことから、北サハリン在来犬はシベリアから入ったものであり、北海道からもたらされたものではないと思われた。
また、日本の古い型の犬の渡来のシベリアルートがアムール河流域からサハリンを経て北海道への南下である可能性は低いと考えられた。」

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注)ニブフの表記について―
色々な書物で民族名の表記がニブフとニブヒに分かれるため調べたところ
ニブヒはロシア語表現で複数、ニブフは同単数を表し、民族を表す場合はニブフとなることがわかりました。
今までの記事でもニブヒと記載した箇所をニブフに訂正します。12月21日追記


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アムール河 グリーンランド シベリア大陸
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