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ノーカントリー

話題作。
オスカーにてオスカーにて4部門受賞。
嫌でも注目してしまいますが、その出来栄えは?

サスペンスですがかなりアクションもあって、地味ながらも印象に強く残る作品でした。
狂気と恐ろしさの中にユーモアがあり、このピンと張り詰めた空気に体が強張りました。
全体に漂う緊張感は何とも恐ろしく、それぞれが自分自身になぜか自信を持っていて、人生において突然起こったことが思ってもみなかった方向に。
ず〜っと緊張感が張り詰めているのですが、それを保っている存在といっていいのが殺し屋シガー。
あの殺し屋は完全に儲け役だとは思うけど、恐ろしすぎます。
追われている、ここに来る、そう感じる瞬間に時間が長く感じてしまいました。
受信機の音がぴこぴこ鳴る。ガスの元栓を緩める。
そんな音がここまで恐ろしく聞こえたことはなかったでしょう。
ストーリーも淡々としてじっくり見せる割には、肝心なところを見せてくれなかったりする。
何かがあったのだろうと思うのだがシガーのことだ。容易に想像できてしまう。
上も下もなく、とにかく自身のルールと目的のために人を殺し続ける彼なのだから。
それだけ彼のキャラクターは際立っていました。
音楽がまったくない状況でも、その恐怖感を煽ってくれました。
でもそこに唯一この事件に首をつっこんでいるようで、だけど傍観的に見ている保安官のおじちゃん。
口を開けば時代のことを語るのですが、彼の存在がどうしても引っかかってしまいました。
80代が舞台ということなので、それを象徴している役柄なのだろうけどなんだかよく分からない。
過去を慕う口ぶりから、変わり行く時代の中で置いてけぼりをくらったの人なのだろうか。
だから保安官を辞めて、時代から手を引いてしまったのかな?
でも彼は必要だった?
それを読み取れなかったからか、結局は観終わってから何か大きなものを見逃してしまったような気がしてしまった。
だからかサスペンスとしてよくできているのだが、それ以上になんだろうわかりづらさを感じました。
オスカー候補になった作品では飛行機で「フィクサー」を観たのですが、そっちの方が断然好みでした。

シガー役のハビエル・バルデム。「海を飛ぶ夢」で主演をしていたのですが、彼とは思えない豹変ぶり。
この役は多分誰がやってもある程度の狂気は出たでしょうが、彼の場合はそれをもう一つ上のランクに持っていってくれました。
下手したら笑いになってしまう役柄だけど、ハビさんがやったら怖すぎ。
一度だけ笑った序盤の方の笑顔が、張り付いたお面のようで印象的でした。
トミー・リー・ジョーンズは・・・映画の前にボスのCMを流すのは止めてほしかったな。
もう萌おじさんなんだもん。
コーエン兄弟の作品は「ファーゴ」と近年の軽めの作品しか観たことがありません。
もう少し観たほうがいいかな。
コメント ( 14 ) | Trackback ( 30 )
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コメント
 
 
 
こんばんは (ノラネコ)
2008-03-19 23:20:09
超一級サスペンスですが、その奥底に更に深いテーマがが隠されている作品だったと思います。
ただ、その部分はある程度この時代背景などの知識が無いとなかなか伝わってこないで、もやもやした印象になってしまうかもしれませんね。
まあそういう反応も含めて、意図された物だという気がします。
オスカーは、10年前ならこの作品ではなく正統派のハリウッド映画である「フィクサー」がとったと思います。
この作品がある意味で保守本流であるオスカーですら受賞してしまう、そんなあたりからも時代の要求した作品だったのかもしれませんね。
 
 
 
Unknown (あざみん)
2008-03-20 10:11:38
なななさん、こんにちは♪
シガーの存在が圧倒的ですごく怖かったですよね〜。
彼が持っている武器もちょっと普通じゃなくて
不気味でしたし。
地味なのにとても印象に残る作品でした。
 
 
 
なななちゃん☆ (mig)
2008-03-20 11:07:55
こんにちは〜お久しぶり

コーエン兄弟作品って、好みに分かれるのが多いなって思う。
今回はわたしはけっこうハマってしまったけど。
あの妙なキノコカットの頭が余計に怖さを生んでたよね〜
おっしゃる通り、ハビエルがこの映画を更に上のランクにしてたと思う。
フィクサー観たのね!
興味あるなぁ来月公開☆
 
 
 
なななちゃん☆ (きらら)
2008-03-20 11:35:24
こんにちはー♪
ハビエルさん、ほーんと恐ろしかったよね。
あのピコピコの受信機の音すら恐怖だった。。。
私は満足できたんだけど、
できたらもう一度観てみたいなー。と、思っています。

フィクサー、評判もよいみたいで、私も楽しみです!
 
 
 
こんにちは! (由香)
2008-03-20 18:24:01
おお〜『フィクサー』を観賞されたんですね〜
面白かったようなので楽しみです♪

で・・・本作ですが、私も多分この作品の良さというか意味がよく分かりませんでした。
ただただバルデム演じるシガーの恐ろしさにブルブルしながらサスペンスを観ていた気でいたのに・・・途中から何か他の意味もありそうな気になってくる。
でも、それが何なのか分からないから結局肩透かしを食らった気になっちゃって・・・
色々な方の意見を参考にして、DVDでもう一度観てみたいです!
 
 
 
こんにちわ (睦月)
2008-03-21 16:35:01
なななちゃん、もう『フィクサー』を観たのね。
いいなー。私もすごく楽しみにしている作品なの。

この映画って、観る人によって、観た回数によって、
観たときの状況や心境によって、そのたびに見解や
受け捉え方が変わってくる映画という気がしました。

たしかにシガーってすごく恐ろしい存在なんだけれど
思えば、今の世の中、彼みたいな理不尽な狂人って
我々のすぐそばに潜んでいると思うのね。
十数年前に人食いレクター博士を観たときは、
彼の存在をホントにホントに恐ろしく、非現実的に
しか捉えられなかったけれど・・・今となっては
シガーという怪物をものすごくリアルに捉えることが
出来てしまう。

それほどに、世の中は不条理なものへと変わって
しまったのだなあとつくづく思います。
 
 
 
受信機 (クラム)
2008-03-22 01:12:10
あの受信機って、なんかとてもアナログ感があったけど、
あれであそこまで恐怖を感じるとは思いませんでした。

良くも悪くも殺し屋シガーの存在が大きかったですね。

コーエン作品、ぼくもたぶん「ファーゴ」くらいしか見てません。
しかもほとんど憶えてません。
まあ、そんなもんです。
 
 
 
コメントありがとうございました (コブタです)
2008-03-23 11:37:39
ハビエル・バルデムさん、本当にカメレオン俳優ですよね!
映画の度に違う味を出してきますよね!

でもその怪演ぶりが凄すぎて、テーマが見え辛くなってしまった方も多いようですよね〜。

でも実は私たちに近い保安官の視線ことにテーマが隠されていたように私は感じました。
とはいえ、私も他のブロガーさんと違う解釈していますし(’’色々考えさせられる作品でしたよね〜
 
 
 
コメントありがとうございます (ななな)
2008-03-23 22:07:28
ノラネコさん
もやもやでした。
何か奥底にはあるんだろうなと思いながらも、それが汲み取れないのでどうしても「サスペンス」以上のものとしては捉えられませんでした。
でも意図してやったのであれば、悔しいので理解してやりたいものです(笑
保安官には色々な解釈があるみたいですが、今ならそれを踏まえて観るとかなり角度が変わってきそうな気がします。
「フィクサー」は真っ向からわかりやすい題材で切り取ってくれたので、そういう意味でも好きな映画でした。
オスカーもここ数年は変わってきているご様子で。
これからもどうなっていくのか気になるところです。


あざみんさん
ねー、あの武器変でしたよね!!
何あの銃の先についてるやつ?みたいに思うし、なんかすごい破壊力だし!
あれと空気方とシガーの雰囲気だけで、ドキドキしっぱなしでした。
 
 
 
コメントありがとうございます (ななな)
2008-03-23 22:11:54
migさん
コーエン兄弟の作品って私はあんまし好きくないかも・・・。ってそんなに観たことあるわけじゃないけど、今回も含めてうーんってなっちゃいます。

キノコカット!似合ってないのに馴染んでいましたよね(笑
でもフツーじゃないから、それも更に怖さ倍増!
シガーはホントに怖かったです。


きららさん
ハビさん普段は濃いけどいい人そうなのに、キノコカットにしただけであんなに怖くなるなんて!
ピコピコの音がドアの前を通り過ぎるあの瞬間、音が早くなって遅くなって音を切って・・・。
あれがホントに怖かったです!
私も、もう一度観たいなーっと思っています。
ってかなんだか観なきゃいけない気がします!
 
 
 
コメントありがとうございます (ななな)
2008-03-23 22:19:19
由香さん
サスペンスとしては楽しめるんですよね。
そうなんですよね!
そこだけじゃなくって何かあることはわかっているのにそれが何か・・・。
わからないから全体がもやもや〜っとしてしまったのだと思います。
でも皆さん色んな解釈をしていて面白いです。
それを踏まえたうえでまた観てみたら、印象変わるでしょうね!
それを狙っていたのであれば、まんまと罠にはまっています。


睦月さん
みなさんの色んな解釈を読むのが楽しいですよ♪
そして私も次観たら確実に感想が変わる気がします。

実は・・・私はまだなんとなくシガーという人物がリアルに考えられないんですよね。
レクター博士もなんだけど、どうにも彼らは「住む世界が違う」と考えてしまいます。
でもホントは同じ所にいて、いつこの目の前に出てくるかわからない!って存在なんですよね。
リアルに感じられなくてもどこかでそれをわかっているだろうから、彼の存在はドキドキしてしまいました。
不条理な世の中って感じなくても、私たちはもうすでにその中にいるんですよね。
 
 
 
コメントありがとうございます (ななな)
2008-03-23 22:23:13
クラムさん
ピコピコ・・・いってるだけなのにあの速さが変わったりとか、受信機があるから絶対来るよーって思うときとか、もう心臓がバクバクでした。
シガーの存在はホントこの映画を支配していたと思います。

そして私も「ファーゴ」覚えていません。
そんなもんですよね。・・・って思いつつもう一度観てみようかなーって。


コブタさん
シガーに焦点とスポットライトが当たっていたので、彼を中心に観てしまいました。
だからこそ、多分保安官のあの傍観的な見方に???ってなってしまったのかと。
でも彼の目線が一番私たちに近い形なんですよね!
コブタさんの解釈もなるほどーっと思いましたが、ホント皆さん色んな解釈をしていて、とても楽しいです。
 
 
 
はじめての・・・ (swallow tail)
2008-03-24 12:04:41
なななちゃん、こんにちは。
春休みももう終わっちゃうねー。

実はスワロもコーエン兄弟の作品は初めて。
『ファーゴ』はあちこちでも引っ張りだこで
相当評判が高いからチェックしないと、と思い始めてます。

この作品の持つ雰囲気はとっても独特で、
シガーが放つ恐怖は凄まじかったね。
手に汗握るとはまさにこのことか!って実感しちゃった。
ああやって曖昧な部分を作るのがコーエン流らしいのだけれども、
保安官のベルについてはちょっと足りなかったような気がする。
曖昧なのではなくて、よくわからない・・・
時代背景を知っているアメリカ人ではそう感じないのかもしれないけれども。
 
 
 
コメントありがとうございます (ななな)
2008-03-27 19:58:03
swallow tailさん
お返事遅くなってすみません。

ねー・・・。
明日は久々に学校ですよ。
診断してくるのですよー!!身長縮んでいませんように☆

この映画観ている間に、顔が強張っていましたよ。
もう何回もうわーくるくるってず〜っと思っちゃって。シガーは興味深いけど、やっぱり怖さのほうが先立ちます。
保安官はホント私の中でも物足りなさがあり。
それをどう消化すればいいのかよく分からずに色んな人の意見を見ていたら、いろんなことが固まってきて。
今だったらきっと全然違う見方ができるような気がします。
コーエン兄弟、すげっ!!
 
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