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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

七夕 18

2017-07-14 | 七夕




『あ~!ちょっと!慰めろって言ったけど、絡めとは言ってない!』



「…でも…だって…」
「こうしないと、チャンミンが泣き止まない」


『……はあ』



離れない俺達の言い訳を聞いた鳥は、大きな溜息を吐いた。それから、思い切り天を仰ぎ…とても真剣な顔をした。






『もう!こうなったら、最終手段だ!…最初から分かっていたけどね。結局、これしか方法がないって』


「それはどのような方法ですか!?」
「チャンミンと離れずに済むなら、どんな努力はする!ああ、出来る我慢と出来ない我慢があるとは思うが…」



『もう、そのまま好きなようにすれば良いよ。したいだけ、して。離れ離れにされちゃえば良い』



「…え」

「…そんな…」



遂に見放されてしまった。悲しい未来が確定したような気がして。また涙が溢れてくる。



『ああ、もう!泣かないでよ!!』


「だって…」

「…チャンミン」


『良い?本当なら、自分達の仕事をきちんと熟して、夢中になり過ぎずにいれば、幸せな結婚生活が送れるんだよ?でも、未来の話を聞いても、君達は止まらない自信があるんでしょ?』


「…ごめんなさい」
「…すまない」


『誰にも止められないなら、仕方ないんだよ。だから、一旦、引き裂れて!』


「……」
「……」


ポロポロと涙を落とす僕をユノが強く引き寄せてくれる。この温もりから離れたくない!強く泣き叫ぼうとしたけど、カササギはまだ話は終わっていないと声を荒げた。





『正確に言えば、離れ離れになるのは7日7日に至る前の、1週間だけだね。本当なら、一年に一度しか会えないけどさ。それだとチャンミンが可哀想だから。会えない期間を1週間に縮めてあげる』


「……」
「……」


『たった1週間でも、きっと君達は…この世の終わりって程、大袈裟に哀しんで、1週間後の再会を泣いて喜ぶんでしょ?』


「……」
「……」


『世界中の人達が七夕を意識するのは、その時期だけだからね。夜空に輝く星に思いを馳せ、悲哀を重ねるのもその頃だけ。次の日から、織姫と牽牛がずっと一緒に居ようが居まいが、誰も気にしないんだよ。きっと』


「……」
「……」


『でも、七夕の行事には、切ない物語が必要だからね。1週間だけ。自業自得で可哀想な夫婦を演じて。あ、演じなくても、君達はそのままで大丈夫だから。でもさ、地上から見えない位置に橋を架けてあげるけど、少しは自重してよ?未来の話を聞いたんだから、せめて回数を減らすとか』


「……」
「……」


『これはみんなには内緒だからね!実は離れ離れになっていなくて、隔てる大きな河を行き来して、幸せな結婚生活を送る織姫と牽牛夫婦は、ここだけの話だからね!


過去に行ってもやっぱり無駄でしたって、みんなに報告するから!


橋を架けるのに…仲間を集めなくちゃ。

ああ、マジで大変だよね~』



カササギの一方的な話を聞いても、僕達は未来が変わる実感はなくて。瞬きをして、固まるしかなかった。








ジャンル:
小説
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