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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

White 11

2016-12-20 | White





部屋を出た瞬間から、戸惑いの連続。

見たことのない物ばかりが溢れている。キラキラ光る石が散りばめられた支柱や窓枠。
敷き詰めてある絨毯は毛足が長く…とても柔らか。
きょろきょろと視線を彷徨わせ、あちこちを眺めながら…豪華絢爛さに圧倒するばかり。




案内役のフワフワ舞う生き物は、落ち着かない僕を見て、気構える必要ないと笑う。


でも…僕は不安だ。多分、ユノだって同じ。
この先に待つのは…どんな試練なのだろうかと、指先から震える気がする。



だけど、ユノが強く握り締めてくれるから…僕は歩みを止めずにいられた。








ゴオウゥゥ…




少しずつ近付き、大きな扉の前に辿り着く。
誰も触れていないのに…立派な扉が音を立て、開いていく。



変わり行く未来を直視するのが…怖い。少しずつ現れる隙間から漏れる光が眩しくて…僕は目蓋を閉じて、ユノの背中に張り付いた。





  




【…お前達が…新たな使者か…】




僕には動いた感覚はなかった。

だけど、周りに漂う空気の流れが変わっている。今更、足掻いても無駄なのか…と、弱々しく思った時…辺りに響く声がした。


厳かな雰囲気を纏う声。言い知れぬ不安に負け、身動ぎ出来ない僕の代わりにユノの声を上げる。






「俺達は何をすれば良いのでしょうか!」


【……】




ユノの返事の後に、一瞬の間がある。張り詰めた空気の冷たさを感じ…更に増える不安が恐ろしく…ユノの衣を強く握り締めていると、空気を一変させる笑い声が聞こえた。






【…久々に見る…純白のトナカイは…臆病なのか。…まあ、そんなに怯える必要はない…】




僕に向けられる言葉だと分かっても、咄嗟の反応なんて出来ない。小刻みに震える僕の身体をユノが抱き寄せてくれてから。大丈夫だと繰り返してくれてから…やっと、固く閉じた目蓋を開けられた。





 







ジャンル:
小説
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