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ある日の森の話。その6

2016-10-11 | 番外編




ケーキ屋さんで、ケーキを選ぶのは凄く時間が掛かった。だから、早く帰らないといけないって分かっている。

大事なケーキの箱を抱え、慎重に歩く。…でも、チャンミンの手を繋げないから。

…ボクは我慢が出来なくなったんだ。



先におばあさんのケーキを届けようって、言ったチャンミンはボクが笑顔で誘い続けたら、仕方ないって顔をして、頷いてくれた。


ボクはチャンミンと一緒に、大きな木の元へ駆けていく。


ボクとチャンミンの秘密の場所まで辿り着き、枯れ葉がクッションになっている空洞へ飛び込む。



「あっ!ユノ!ケーキが崩れちゃうよ!」
「あ、そうだった!」


ボクはケーキより、チャンミンを味見したくて堪らない。ケーキの心配をするチャンミンに早速のキスをする。
さっきはしなかったから、唇に。それから可愛い舌をペロリと舐める。


「あ…」
「ボクはやっぱり、チャンミンが一番美味しいと思う」
「ユ、ユノ…」
「どのケーキより、チャンミンが一番美味しそう!!」
「…あっ」


ボクがキスをする度、チャンミンの耳は可愛く跳ねる。それから、尻尾は左右にふりふりする。


「クリームより、チャンミンが良い!」
「…っあ」

「チャンミンはボクとケーキのどっちが良い?」
「そ、それは…」



チャンミンは真剣に考えるから、直ぐに答えをくれない。困った顔をして、ボクとケーキの箱を見比べる。



「ねえ、チャンミン」


「…僕も…ユノが…良い」



何度もキスをして、やっとくれた答えに嬉しくなる。



「チャンミンは本当に美味しい!」
「あっっ… ユノ、そこはダメっ!」
「どうして?チャンミン、喜んでるよ?」
「そこは…気持ち良いから…ダメなの!」
「気持ち良いなら、もっとペロペロする!」
「ああん」



ケーキの味見もすっかり忘れてる。ボクはお使いの事もすかっり忘れ、チャンミンと仲良くするのに夢中だった。












「遅くなって、ごめんなさい!!」
「ボクが悪いんだ!ごめん!おばあさん!!」



帰った時、辺りは暗くなってしまっていた。おばあさんに謝ると、大丈夫よって笑ってくれる。


偶然にも、そのお友達がこれからここへ来ると教えて貰い、ケーキが渡せるって、チャンミンと喜んだ。




でも…ボクもチャンミンも…仲良く為るのを頑張ったから、いつも間にはベッドで寝ていたみたい。

チャンミンより先に目を覚ましたボクは、そのお友達に会えなかった事にがっかりした。

ボクもがっかりだけど…チャンミンもがっかりする。そう思うと、大きな溜息がでた。



「でも、ユノもチャンミンも…ちゃんと、おめでとうって言ったのよ?」
「え?」

「可愛い寝顔を見て、お友達がお礼を言った時に。お誕生日、おめでとうってね、二人とも笑ったんだから」

「…そっか」



お友達はケーキを喜んでくれたって、おばあさんはとっても嬉しそう。ボクはちょっと安心して、またチャンミンの隣に寄り添う。





「…お誕生日…おめでとう…」


聞こえてきたチャンミンの可愛い寝言に、ボクも同じように呟いてみる。


「お誕生日…おめでとう…って、今度は直接、言いに行こうね…」

「……」

「特別なケーキも待ってるから、起きてから、がっかりしないでね?

でも大丈夫だよね。ボクはいつだって、チャンミンが笑えるように頑張るからね…」




何となく、言いたくなった事。
目を閉じたままでもチャンミンが頷いた気がした。


ボクはチャンミンを抱き締めながら、気持ちの良い温もりに浸されて、幸せな気分を楽しんでいた。










**おしまい**
ジャンル:
小説
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