Reverse

一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

ケーキ屋さんのハロウィン編 14

2016-10-31 | ケーキ屋さんのハロウィン編



いつまでもこのままでは、埒が明かない。折角、皆が集まったのだから、何かしらの成果も必要だと思ったのは、俺だけではないみたいだ。

名残惜しげに母鹿チャンミンから離れ、届いた箱に思い当たる事があると言った旦那が荷を運び入れ、開ける。




「うわあ!」
「すごい!!」


感嘆の声を上げる母鹿と俺のチャンミンの様子に、オオカミチャンミンとお坊ちゃんチャンミンも駆け寄る。



「ユノ様!これ、どうしたんですか?」
「商人がどうしても協賛したいとしつこくてな。仕方なく、注文をつけてみたんだ。こんなに早く届くとは、思わなかったけどな…」


箱の中から出てくるのは、仮装に使えそうな飾りや衣装。



「ユノ様!この赤いドレス!!綺麗です!」
「この耳は、ウサギさんの耳ですか?」
「ねえ、ユノ。見て!このエプロン!ふりふりで可愛い!」
「…うわあ…この衣…肌触りが気持ち良い…」


それぞれに手にした物に感動し、それぞれのチャンミンが早速、身に付けようとする。





「ちょっと、待て!」
「何ですか?ユノ様…」


着ていた衣を脱ごうとする母鹿を旦那が慌てて止める。

「今日はまだハロウィンじゃないだろう?」
「でも、ユノ様」
「こんな人目がある場所で、着替えは駄目だ」
「そうですか?」
「それに、可愛いチャンミンは…先ず、俺だけが楽しみたい」
「…ユノ様…」

旦那の漏らした本心に頬を赤らめ、母鹿チャンミンは嬉しげに飛び付く。







「ねえ、チャンミン」
「なあに?ユノ」
「そのふりふりエプロン、その上から着るの?」
「え?」
「ボク、そのエプロンだけで良いと思おうんだ」
「…え?このエプロンだけ?」
「うん!」
「でも、それだと裸に…って事?」
「うん!!だって、チャンミンの可愛い尻尾が良く見えて可愛いと思う!」
「そ、そう?」


確かに可愛いと想像がつく。けれど、そんな格好を外でさせる気か?

赤頭巾ユノの提案に忠告をしようと思った時、そこに考えが至ったような赤頭巾は自分の前だけで良いと発言を訂正していた。







「…ねえ、ユノお兄さん」
「どうした?チャンミン」
「…この衣装…僕が身に纏っても良い?」
「それが気に入ったのか?」
「…うん」
「チャンミンが気に入ったのなら…俺は反対しない」
「…そう」
「でも、チャンミン」
「何?」
「仮装なんてしても…しなくても構わない。どんな奴が相手でも、チャンミンは俺が守るからな…」
「…ユノお兄さん…」


虎ユノはそれまでに見せなかった優しい笑みと甘い囁きをお坊ちゃんチャンミンだけに向けている。





俺のチャンミンが手にしている物を抱え、傍まで駆け寄ってくるのを待っていた時、


「…んぷう!」
「…んぱう!」


俺が抱いている双子は、何か不満げな声を上げた。




「チャンミン!大事な双子ちゃんの衣装は!!」


それに気付いた鳥の叫びに、ハッとした母鹿チャンミンと俺のチャンミンが手にしていた自分用の物を置き、また別の何かを手にして駆け寄ってくる。




「これ、チャンミンちゃんと一緒に作ったから、怒らないで?」
「双子ちゃん!どっちが良い?」


ここに来て作れたのは、双子の衣装だけ。そう言いながら、母鹿が双子に何かを着せていく。




「んぱあ!!」
「んまあ!!」


頭に飾りも付けられて、南瓜の衣装とミツバチの衣装にご満悦の双子。

その笑顔に皆も笑顔になって、賑やかな集まりはそれからも騒がしかった。

















ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
« ケーキ屋さんのハロウィン編... | トップ | ケーキ屋さんのハロウィン編... »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む