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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

七夕 21

2017-07-16 | 七夕





「ああ、チャンミン、ジッとしていて!」
「ここは隠して…ここは出しちゃう?」
「駄目よ!そんな分かり易い場所は。皆から見える部分は隠して、新郎にしか見えない場所を出しましょう」
「なら、ここ?」
「ああ、そうね。ここからなら、手が入るわ」

「……」


僕は姉様達に遊ばれている。いや、これは真剣な婚礼の準備なのか。



「それにしても、貴方達にそんな未来が待ち受けているなんてね」
「貴方はともかく、ユノさんは真面目でしょうに」
「何言ってるの?真面目だから、猪突猛進で止まらないのでしょ?」
「未来って、分からないものなのね!」


カササギは僕達だけでなく、姉様達の夢の中にも現れて、詳しい情報を提供したらしい。出来るだけ、協力者が居た方が良いと言われても…僕は恥ずかしくて堪らない。


婚儀が終わる前に結ばれる事は、既定路線。婚礼衣装は姉様達の努力により、脱がせやすく、丈夫な構造になっている。

しかも、ユノや僕の為だとか言って、あちこちに秘密が散りばめられている。


皆に肌を見せたくないけど…ユノになら。姉様達の提案には反対出来ず、大人しくされるがままじっとしている。


もう直ぐ訪れる…その時を想像して、頬を赤らめる。


黙っていても、勝手に弛む表情を指摘され、妄想に集中出来ない。少しは静かにして欲しい。抗議しようと、息を吸い込んだ時。


柔からな風が吹き込み…大好きな声が聞こえる。





「こちらにいらっしゃるとお聞きしましたが…」



侍女に案内され、笑顔で現れたユノは、僕に目を向けた途端。言葉を詰まらせ、固まる。





「まあ、お顔が真っ赤よ?」
「二人とも、本当に可愛らしいのにね」
「カササギさんのお話、まだ信じられないわ…」



固まるユノに、僕は突き進む。


まだ仮縫い段階だから、動くなと言われたのに。言う事を聞かない僕は…勢い良く動き、ユノに辿り着く前に衣装を肩から落とし、肌を晒してしまった。


…恥ずかしく思いながらも、ユノになら…平気だと呟いて。姉様達の存在も忘れ、喜びながら抱き着いた。





「ユノ!」
「…チャンミン、肌が…」

「大丈夫だから、早く抱き締めて下さい…」

「…これより強くても良いのですか?」

「もっとしっかり抱き締めて…」



回された腕の強さを感じ、弛む顔をユノに押し付ける。



「…チャンミンは本当に、美しい…」
「え?」
「先程の婚礼衣装は…よく似合っていました」



頬を赤らめ、さっきは見とれて動けなかったと、ユノが言う。恥ずかしくて、嬉しくて。喜びを示したくて、声を上げる。



「ユノ。今、衣装か脱げたなら…未来は既に変わっていますよね?」

「え?」

「今から結ばれるのは…許されない行為でしょうか…」

「…チャンミン」



本能的な勝手な言い分をユノは苦笑いして聞いている。未来が変わるのは、悪い事ではない。もしかしたら、7日間すら、離れなくて良いかも知れない。


ユノと触れ合ってしまえば、思考回路も変化してしまう。


ユノの手のひらを握り締め、大胆にも開けた胸元へと運んだ瞬間。

けたたましい声が響き渡る。




『あっ!やっぱり、油断も隙も無い!』


夢の中ではなく、目の前にカササギが現れた。すかさず、指示を飛ばし、姉様達を急かす。

僕の様子を見て、大きな溜息をつく姉様達に引き剥がされ、婚礼衣装を仕上げるまでは接触禁止だと言われた。


…僕は拗ねるし、ユノは頭を下げ謝罪をする。


その後すぐに父上がやって来て…皆は焦っていたけど、僕だけは…むくれ顔を直せずにいた。



















ジャンル:
小説
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