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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

夏の特別編 11

2017-08-05 | 夏のケーキ屋さん






「チャンミン、無理はするなよ?」
「ユノ様!」
「どうした?何かあったのか?」
「このプリン…美味しそうですね」
「なら、チャンミン。そのプリンを食べるか?」
「え!?良いんですか?」
「ああ」

「ちょっと、旦那!それは売り物だろ!」

「あっ!そうですよね、ごめんなさい、ユノ様。僕…」
「いや、チャンミンは謝らなくて良い。鳥の言う事は聞かなくて良いからな」

「旦那!甘やかせすぎ!!」



チャンミンだけには甘い鳥から言われるなら、俺は確かに甘やかせ過ぎなのだろう。

けれど、それは本望だ。身重の妻を大事にして、何が悪い。全く聞く耳を持たない俺は、商品のプリンをチャンミンに差し出し、追加のプリン作りを開始する。





「…ユノ様」


卵を割り、砂糖を加えた所で可愛い声が聞こえたから。手を止め、チャンミンの傍まで急ぐ。



「ごめんなさい、ユノ様。忙しいのに」
「いや、大丈夫だ。ほら、チャンミン。口を開けろ」
「あーん」
「どうだ?旨いか?」
「……ん」
「ああ、そうか。先ずは俺が…」
「…っん!」


口に含んだプリンを分け与えると、チャンミンは肩を震わせて、歓喜の声を響かせる。


「ユノ様っ!ユノ様のプリン!美味しいですっ!」
「そうか。良かったな」
「でも、ユノ様の唇が一番美味しいです!」
「そ、そうか…」



妊娠が分かってから激しさを増していたチャンミンの欲求度は、ここのところ落ち着きを見せている。けれど、口で運ぶ行為は相変わらずに求めてくる。俺は嬉しく思いながら、チャンミンの為にと、同じ事を繰り返す。

そのせいか、店のショーケースには商品が不足しがち。それでも理解のある客達に恵まれて、何とか平穏に毎日を過ごせていた。





「旦那のためじゃない!チャンミンのためだからね!」


捨て台詞を吐き、呆れながらも心配性の鳥が足りない材料の手配に飛び立った後。



いつもなら、静かな時間帯に、来客がある。



「こんにちは!」
「こんにちは!」






「ユノ様!お客さんです!!」


元気よく響いた声に、チャンミンは俺から離れないまま、敏感な反応示していた。
















ジャンル:
小説
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