Reverse

一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

七夕 10

2017-07-11 | 七夕
 

 

その夜…。僕は夢を見た。

…それは夢だと思ったけど、現実だったのだろうか。

 





ユノとの触れ合いを思い返していると、興奮してしまい、中々、寝付けないでいた。

それでも夜が更けた頃…漸く、眠りに落ちたと…ホッとしたのは覚えている。けれど、直ぐに呼び起こされ…目蓋を開けたような気がした。


部屋の中とは違う暗い場所で僕を呼ぶのは…見た事のない…綺麗な鳥。

黒と白の配色が綺麗な鳥。意味を考えず、ボンヤリと眺めて居ると、その鳥が人の言葉を発した。

 




『今から、ボクが言う事を信じてくれない?』

 

いきなりの言葉に唖然とする。カササギだと名乗ったその鳥は、この先の未来を知っていると言う。

 

「え?僕とユノは離れ離れになるって?」

『そう!お互いに夢中になりすぎて、仕事を疎かにしちゃってさ。天帝の怒りを買う事になる。で、その結果、大きな河に隔てられ、年に一度しか会えなくなるんだよね!』

「……」

 

何を言っているのかと、笑い飛ばせれば良いのに。帰ってから、仕事に対してやる気を失っていた僕には…カササギが言った事を否定出来る自信が無くて、目を見開いて固まってしまう。

 

皆から祝福を受け、無事に結婚しても、ユノと幸せに暮らせずに…年に一度しか、会えなくなる?

それが僕達の未来?

今すぐ会いたいのに。1年も待つ日々を送る?

咄嗟にしてみた想像だけで、身体中に焦りが駆け巡る。そんな事は受け入れたくないと、泣き叫ぼうとした。

 

 

『でもさ!それだと、ボクが忙しくなっちゃうからね。何とかして欲しいんだよ』

「…え?」

『年に一度の逢瀬の日が雨ならさ。ボクが架け橋となって、頑張らないといけなくてさ。年に一度とは言え、指定日に拘束されるのって、大変なんだよ?ボクにも色々、したい事もあるしさ。だから、過去に戻って、そうならないように忠告をしに来たの』


「どうにか、その未来を回避する方法があるのですか?」

 

手のひらを握り締め、聞き返す僕を見るカササギの視線は…妙に穏やかだ。

 


『まあ、一番、手っ取り早いのは、結婚自体をなしにするって事だよね』

「そ、それは出来ません!」

 

必死に即答すれば、ケラケラと笑われる。

 

『結婚しても、仕事は疎かにしない。交わりにばかりかまけて居ないで、それぞれの仕事をしっかりと頑張る。それを約束出来る?』

「…それは…」

 

勝手かも知れないけど、言い切る事は出来ない。返事を躊躇う僕に、カササギは苦笑いをして、予想通りだと言い放った。

 

 

 

 

 

ジャンル:
小説
コメント   この記事についてブログを書く
« 七夕 9 | トップ | 七夕 11 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

七夕」カテゴリの最新記事