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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

White 16

2017-01-04 | White




【では、手始めに…橇を自分達で見つけてこい】



部屋に戻り、扉を開けた途端。今までとは違う声が聞こえた。
  
俺は見慣れない物体の事より、咄嗟に背中へ張り付くチャンミンに気を取られる。



「チャンミンは怖がりなんだな」
「…だって」
「大丈夫。俺が守るから安心して」
「…ユノ」


振り向き、微笑めば、チャンミンは強張る表情を和らげてくれる。声を洩らしながら笑い合っていると、部屋の中から盛大な溜息が聞こえた。





【お前らは本当に呑気だな…】


「ああ、すまない」
「…すみません」

 

ふわふわと言うより、かっちりと同じ位置に浮かび続ける不思議な物体は、素直に謝る俺達を見て、苦笑いをした気がした。




 
取り敢えず、中に入れと促され、従ってから部屋の扉を閉める。


これからの任務についてや、段取りについてを質問しようとした。けれど、不思議な物体は順序良く、説明を始める。




【トナカイは自力で人形になれたのだろう?なら、空は簡単に飛べるだろうな。今から、橇のある場所のヒントを与える。お前らの力のみで探し出し、それを手懐けてから…】


「あ、あの!ちょっと待って下さい…」


【どうした、トナカイ】



いきなり放たれる言葉に面食らうのは、俺だけじゃなかったらしい。まだ背中に張り付くチャンミンがどんどん先に進む話を止める。




「あの…僕は人形になれるとは知らなかったし、どうやったのかも、よく分からないんですけど…」


【…何だと?】


「いきなり、ここへ連れて来られて…気付いたら、人形になってました。でも…戻り方も分からないですし…空を飛ぶなんて…」



【…お前ら、弟から説明を受けていないのか?】


「…説明って、何の説明ですか?」



チャンミンの言葉に、かっちりとした雰囲気を持つ不思議な物体はまた大きな溜息をつく。




「弟って…ふわふわの事か?あんたら、兄弟なのか!?」



そこに声を張り上げる俺を見て、そいつは呆れた溜息をついていた。


















ジャンル:
小説
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