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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

七夕 11

2017-07-11 | 七夕
 

 

 

 

畏れを抱きながら正式な挨拶に向かうと、大歓迎を受けた。

これ程の幸せを素直に受け止めても良いのだろうか。一抹の不安を抱えたまま、道案内をされ、チャンミンの元へ向かう。

 

離れていたのは、ほんの少しの間。

それでも、心に空いた空白はかなりの物だった。隙間を早く埋めたいと、無意識にも早足になる。

途中、婚儀の衣装の好みについてや、今後の事や。姉様達に口々に問い掛けられても、返す余裕がない。視線を泳がせる俺の不躾さも、仕方ないと笑って、寛大な姉様達は許してくれた。

 

静けさが漂う宮中の奥。御簾の向こう側にチャンミンがいる。そう言って、侍女はそこから立ち去る。


俺の到着を心待ちにしていると聞き、チャンミンは笑顔で出迎えてくれると思った。けれど、奥にいたチャンミンは涙を浮かべ、悲壮な顔をしていた。

 

 

「ユノっ!!」

「どうされました?」


目に見える異変に驚きながらも、強く引き寄せ、抱き留める。触れてみて、よく分かる。チャンミンの身体は小刻みに震えていた。

これから執り行われる儀式について、不安に思っているんだと、姉様達から少しばかり聞いていた。けれど…これ程とは…。

自身の中の不安が大きくなる前にと。背中をさすり、問い掛けてみた。

 

 





 

「…そんな夢を?」

「どうしましょう!ユノ!僕はユノと離れ離れになりたくはありません!」

チャンミンは昨夜見た夢の内容を教えてくれた。俺達を待つ、未来の出来事…。恐ろしい事実を知らされ、動揺する。

 

「けれど、それはただの夢でしょう?」

「そう思いたいのは僕も同じです!でも…未来からの使者は知っていました」

「何を?」

「僕の本心を…」

「本心?」

「今まで、僕にとって一番大事だったものが変わってしまった。仕事より、ユノを選びたいと思ってしまった事を…。ただの夢と言い切る自信が…僕にはありません…」

「……」

 

チャンミンの大きな瞳からは…涙の粒が溢れていく。急いで拭おうとしてみても、間に合ずに落ちてしまう。


「僕はユノと離れ離れになるなんて…耐えられない」

 

滲み広がる涙の後は…幾つも散らばり、胸中にある不安を助長していた。




 

ジャンル:
小説
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