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一応、秘密の…ホミンのお話置き場です。

ホミンだけ。ホミンの幸せが最上の幸せです。

White

2016-12-07 | White
    






「本当に良いの?」
「うん。本当に大丈夫だから、気にしないで」

何度も同じ台詞を繰り返しても、変わらない不安を浮かべる友達に、笑顔を返す。

作り笑いや苦笑いじゃなくて…出来るだけ、いつも通りの笑顔を。





「君は本当に好きな相手と、幸せになって」
「でも…」
「僕は大丈夫。まだ恋をしたこともないし、心配する相手もいないから」
「……」
「それはよく分かってるよね?」
「……」
「君の幸せは僕の幸せ。それも良く、分かってるよね?」
「……」
「本当に…何も気にしないで良いからね」




涙ぐむ彼女の背中を押し、僕だけ…前へ歩を進めた。




 




辺りには、しんしんと降り続く雪が積もり…世界は白く染まっている。

僕にも…役に立つ事があって良かった。心の底から思いながら…ひらひら舞い降りる雪の欠片を見上げてみる。



僕の大事な幼馴染みの彼女には…ずっと前から思い合う相手がいる。惹かれ合う同士が結ばれるのは、喜ばしい事。

僕は近くで2人を見てきたから、そうなるべきだと思っていた。


けれど…不運にも…彼女は選ばれてしまった。あの時、誰の胸にも広がった悲しみを僕が打ち壊せて、良かった。本当にそう思う。


彼女が受け入れる筈だった天啓は、僕が引き受ける。


それが許されるかどうかは、まだ分からないけど…僕は諦める訳にいかない。強く決意を固め…踏み出してはいるけど…全く、不安がない訳じゃない。

 
もし…許されなければ…僕は命を奪われてしまうだろうか。

それは構わないけど、彼女に影響を与えるのは、全力で阻止したい。


身寄りのない僕を引き取り、愛情を注ぎ育ててくれた彼女の両親の為に。いつも傍で笑ってくれた彼女の為に。それから、誰よりも彼女を愛する実直な相手の為に。

僕は前に進むしかないんだ。

優しさに溢れた場所を去るのは寂しかったけど…十分に恩は与えて貰えた。


一度だけ振り返り、ありがとうと呟いて…僕はまた、雪を踏み締め…前へと進んでいた。














約束の場所までやってきた時。

夜空には月が浮かんでいた。綺麗な光を放つ月…。雪も止んでいる。冷たい風も止んでいる。

しんと静まり返る世界に、僕は佇む。


この先に待つのは…どんな世界だろう…。
余り、苦しくない世界だと良いな…。

込み上がる気弱さを抑え込み、滲む涙も我慢していた時。


とても…暖かな風が頬を掠めた。


まだ冬なのに…春を感じるような…柔らかい風。不思議な暖かさに包まれる感覚は、気のせいじゃない?

辺りに視線を向けた瞬間。  

僕の目の前に、初めて見る人間が立っていた。















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ジャンル:
小説
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