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世界に新自由主義批判、貧困ノーの声広がる −米中間選挙
アメリカ中間選挙は大方の予想のとおり民主党の前進が結果に現れているようだ。ロイター通信によると、ブッシュ大統領は下院の敗北を選挙参謀のカール・ローブ次席大統領補佐官から伝えられ、「失望していた」という。そしてスノー大統領報道官は「我々が望んでいた結果とは異なる」と語ったという。そのもようを朝日新聞はつぎのように伝えている。
| 7日投票された米国の上下両院議員、州知事などを選ぶ中間選挙は、同日夜(日本時間8日午前)から各地で開票が始まった。イラクをめぐるブッシュ政権の政策の是非のほか、共和党の下院議員の汚職疑惑やスキャンダルも影響。民主党が追い風を受け、米主要メディアは下院で民主党が過半数を奪還すると報じた。上院も過半数に迫り、接戦となっている。共和党が上下院で多数派となった94年以来、12年ぶりに議会の共和党優位が崩れる見通しとなった。 |
朝日は、議員のスキャンダルや汚職疑惑、イラク戦争への対応などで批判が強まり、現職の多い共和党に逆風の展開となったとしているが、要因はどうやらそれだけではないようである。
すでに推測されていたように民主党はとくに低所得者の間で支持をひろげたという。朝日新聞によれば、景気の分け前に十分あずかっていないという低所得者層を中心とした不満も追い風になったようだ。共和党は一連の減税などによる景気拡大の実績を強調したが、頼みの景気は減速中というタイミングの悪さも重なった。 こう報じている。
| 経済は選挙中の争点としてイラク問題の陰に隠れていたが、ブッシュ政権の経済運営への批判も土台で民主党を支えた。「裕福ではない民主党支持層には『景気がよくない』との認識が目立ち、投票は格好の意思表示になった」と、ギャラップ世論調査のフランク・ニューポート編集長は分析する。出口調査では、投票で経済問題を重視するとの回答率は39%の高水準にのぼった。 民主党候補者への投票を検討すると世論調査に答えた人の割合をみると、前回の中間選挙と比べて最も増えた所得層は2万ドル(約240万円)台で、1割余り多い約6割にのぼった。 (朝日新聞) |
このアメリカの中間選挙結果は少しも特異なものではない。「『地球の裏側』を経由して教育基本法改悪、格差社会」というエントリーで、ブラジル大統領選挙についてふれた。そこで私はつぎのように書いた。
| 日本からみれば地球の裏側で、ブラジル大統領選挙がおこなわれた。社会民主党の候補を相手に、労働党の現職・ルラ大統領が決戦投票で大勝したことが報じられた。アメリカ支配からの自立と社会福祉政策・貧困対策の継続とその徹底を訴えた現職大統領の大差での勝利だ。 ルラ氏は、「賢明な国民みんなの勝利だ。みんな、生活がよくなっていることを実感していると思う。2期目は、もっとよい国にする」と述べ、引き続き貧困対策などに努力することを誓ったという(朝日新聞)。新しい大統領にはすでにかなりの難題が待っているともいわれているが、しかし、なんとも感動的でうちふるえるような勝利ではないか。南米の変革はまた一歩、前に進んだ。 |
このブラジルの状況を今回のアメリカ中間選挙結果に重ね合わせてみると、どちらも新自由主義経済の深まりのもとで苦しむ国民の窮余の選択がここに示されている、ということが明らかになる。要するに格差拡大の方向にノーをつきつけた審判だといえる。
中南米では更なる前進が続いている。
中米ニカラグアの大統領選挙では左派のサンディニスタ民族解放戦線(FSLN)党のダニエル・オルテガ元大統領がリードし16年ぶりに政権復帰する可能性が高まった(日本時間6日夜現在)。
オルテガ氏は選挙期間中、「右派戦時の16年間で国民の貧苦は解決されなかった」と訴え、新自由主義批判を強めていた。中南米の国ぐにでは新自由主義からの転換がどうやら共通の路線となって定着している感さえある。
かたや日本はどうか。格差社会が単に論壇だけではなく、どこでも論じられる事態に日本はいまある。そのもとで貧困がひろまり、ワーキングプアの言葉に端的に示されているように働いても貧困から脱することのできない水準層の存在が普遍化しているということである。
ここは我われの想像力をとぎすまさなければならない。その意味で踏ん張りどきである。新自由主義とは差別と分断の「世界」でもある。他山の石では少しも事態はかわらない。繰り返すが、明日はわが身、その立場に一度たって考えるみることがつきつけられているような気がしてならない。
ブラジル大統領選につづく、アメリカ中間選挙結果をきいて強く思ったことは、日本でも同じ結果を出す必要があるということだ。
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