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マクドナルドとオリンピック
オリンピックが近くなると、メディアがしだいに一色に染まっていきます。代表選考における有名選手の顛末を報じるニュースはもちろん、野球代表チーム監督の星野仙一の負傷でさえも、大ニュースになってしまうのです。まあ、彼は、自身の言動も最大限に有効に働いて、オリンピック・ナショナリズムの象徴に仕立てられているのですから。
こんなオリンピックが、商業主義に侵されていることもよく知られています。最近の競泳用水着にまつわる一連の出来事は、端的にそれを表しています。企業との契約と、一方で記録を追い続けるというスポーツの宿命の関係性がそこに存在しています。
競技に必要なこうしたユニフォームだけでなく、器械、設備などすべての面でどの企業がオリンピックの公式企業になるのかの争奪戦がくりひろげられているといってよいほどでしょう。
その一面を昨日のあるテレビ番組が伝えていました。
マクドナルドが実施する、オリンピックでの店舗クルーを選ぶ競技の模様です。選ばれるのは8名だとか。番組は予選を勝ち抜いて、決勝に臨む一人の若者を追っていました。大学生の彼は、もちろんアルバイトで、時給1100円といいます。
ちなみに日本マクドナルドは、実に96%が非正規社員だそうです。
マクドナルドの仕事は、仕事の内容によって担当係が明確に分けられていて、彼は、ハンバーガーの肉を焼く係でした。この係をグリルとよぶそうです。このように横文字ですべてを決着させようとするところに、私は胡散臭さを感じてしまうわけですが。
先の競技はこの部門ごと、つまり係ごとの仕事のできばえを競うものでした。映像から流れるものは、彼の、そして対戦相手の、マニュアルと寸分もちがわないものをめざそうとする、つまり仕事の美しさを追い求める姿と、すべてを機械化しようとする意思がもとより企業に働くのでしょうが、その機械化しえない部分に組み込まれたある種の機械にも思えるような、人間の域を超えた、換言すれば非人間的スピードを競う人間の姿、この2つでした。焼き上げた肉を重ねる際の美しさ、いいかえれば、肉を円にたとえると、重ねた4枚の肉、つまり円の中心がずれていないのがよしとされるのです。この精密さがなぜ求められるのか、私には少しも分かりません。あわせて、マクドナルドでは8枚の肉を同時に焼くようになっているようで、焼き上げたその8枚を、いかに早く4枚ずつを重ねて、二つの山をつくるのかを争わせるものでした。異様なほどの品質管理とでもいうものでしょうか。
これを技能とよぶとすれば、彼/彼女たちの技能は相当高いのでしょうが、では彼らのその技能はいかにして保持されていくのか。企業にとっては、それは企業の維持・発展にとって欠くことのできない部分でしょう。つまり、企業は機械化されたとはいえ、そこで働かせる労働者なしには維持できないわけです。
残業代不払いで訴訟を起こされるような、あるいは賞味期限切れ商品の販売で指弾されるマクドナルドは、従業員にはマニュアルにもとづく徹底した労務管理を押し付ける一方で、それでは企業として「正当に」働く者を扱っているのでしょうか。そうとはいえないのは自明のことでしょう。その労働者を規格化された労務管理と競争原理をもちこみ、つなぎ止める、あるいは使い捨てる。
こうしてマクドナルドが、最低基準たる労基法というルールを守らず、食品の品質管理にあってはならない期限切れの商品を売るのですから、いってることとすることがまるで違うのです。
社長の原田泳幸は、クルー、ようするに従業員が命みたいなことをインタビューで語っていて失笑しましたが、そんな表向きの美しい言葉の裏には、労働者に異常な働き方を迫る一方で極端な労務管理も辞さない企業の実態があるということも、報道が伝える一面から容易に推測できるものでした。
オリンピックの光と同居する影がある。
極論すれば、オリンピックは、マグドナルドのような、労働者の犠牲の上に最大限の利潤を追求しようとする企業が群がる大きな市場であるということもまた事実でしょう。もっとも、その最大のものが放映権であることは論をまたないでしょうが。
(「世相を拾う}08127)
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