森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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たばこ税は誰が負担する。
たばこの値段を1000円に引き上げると、税収が4兆円増収になるということを、日本学術会議が明らかにしました(参照)。
しかし、懸念するのは、この報道のように数字が一人歩きし、その結果、消費税でないなら、このたばこ増税で可という世論がつくられてしまうことです。
たばこの害が語られ、何らかの喫煙規制を求める声が高まるなかで、いっそうこの傾向が強まるだろうというわけです。「たばこと健康を考える議員連盟」のねらいは、いうまでもなく学問的権威を動員することで、みずからの主張の「正当性」をいっそう印象づけようとするところにあるのでしょうが。
日本学術会議の試算は、つぎのようなもの。
現在のたばこ関連税は、1箱(20本入り、平均300円強)当たり約175円。
| 現在300円 | 600円 | 1000円 | |
|---|---|---|---|
| 喫煙人口 | 3600万人 | 3300万人 | 3100万人 |
| 消費量 | 2700億本 | 1850億本 | 1440億本 |
| 税収 | 2兆2000億円 | 4兆3400億円 | 6兆2600億円 |
けれど、問題は、だれが負担するのかということ。
以上の試算と、厚労省「平成18年 国民生活基礎調査」の所得分布を重ね合わせてみます。つまり、喫煙者の所得分布もこの「国民生活基礎調査」と同じだと仮定します(*1)。
そうすると、価格を1000円に引き上げた場合、所得200万円未満が全体の18.9%を占めていますので、生活保護水準以下のこの階層の喫煙者は、実に1兆1800億円負担することになるのです。
また、同調査によると、所得金額が世帯全体の平均額(563万8千円)より低い世帯の割合は60.7%となっています。ですから、平均以下の喫煙者が負担する額は、3兆8000億円にのぼります。「国民生活基礎調査」によって試算すると、先にのべた結果で明らかなように、生活保護レベル以下の人たちが全体の2割近くを、平均以下の人たちが6割以上を負担するわけですから。
当ブログが繰り返したいのは、消費税増税にかわるものとして提起されているたばこ増税ですが、消費税もたばこ税も同じく、国民に負担を求めるものだというです。しかも、新聞メディアは増税支援を決めた? でふれたように、逆進性という点では、このたばこ税も消費税と何らかわりありません。
税はだれが負担するのか。今の時期だからこそ、大企業・財界がその一番手だということをあらためて主張したい。それを実現する「税制改革」がまさに求められているのではないでしょうか。
(「世相を拾う」08112)
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*1;このエントリーの試算は、喫煙者の所得分布が国民生活基礎調査における所得分布と同一のものと仮定しています。また、喫煙量は、所得に対応して増減するとは考えられないため、喫煙量も所得分布に比例するとみなしています。
ちなみに、「国民生活調査」によれば、平均所得の2倍を超える1300万以上の所得分布は全体の5.9%にすぎません。これらの人が負担するのは、3700万円なのです。
もちろん、たばこ1個1000円の所得に占める割合は低所得者ほど高いわけですから、負担感も強くなるでしょう。
【関連エントリー】
消費税増税の大合唱で何をうたう…
「たばこ」で煙にまくつもりか。 消費税論議。
【関連記事】
たばこ増税を批判=1箱千円「やめる人増える」−与謝野氏(2008/06/20-20:34)
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