新・からっぽ禅蔵

上座部仏教僧としてタイで修行の後、日本の禅僧となった、水辺を愛するサーファー僧侶のブログ。

17歳の少女の煌めく命

2018-01-13 18:16:27 | 日記
我が国には、自殺者が多い。

外国の場合、15歳~39歳の死因のトップは事故死だが、我が国 日本の15歳~39歳の死因のトップは、自殺だそうだ。

そして、男女比で言うと、女性よりも、圧倒的に男性の自殺者が多い。

僧侶である僕自身が、これまでご供養させて頂いた方々の中で、若くして亡くなった男性のほとんどが自殺である。
一方、若くして亡くなった女性のほうは、乳ガンなどの女性特有のガンで亡くなった人が驚くほど多い。

とにかく、女性の自殺者は男性ほど多くはない。
それは、男性よりも女性のほうが精神的に強いからだろうと思う。

ところが、ここ最近、10代~30代の若い女性の自殺者のご供養が続いている。
女性も精神的に弱くなってきているのだろうか?

特に、先日は、僅か17歳で自殺した少女のご供養をさせて頂いた。

彼女の外見を見る限り、とても可愛い今時の女子高生であった。
しかも、明るくて活発そうな印象の少女だ。
とても自殺などするような子には見えなかった。

彼女に何があったのか、詳しい動機までは僕は知らない。
いや、知ったとしても、それをブログごときに書くような事は僕はしない。

ただ、彼女は、自らを殺した。

自殺を「自死」と言う人が時々いるが、それは日本語として正しくないと僕は思う。人間は自らの意思で生まれて来たり死んだりする事などは出来ない。自殺は、あくまでも自らを殺す一種の殺人だ。

それはともかく、自殺したその彼女の、17年間の、生き生きと美しく煌めくその命の灯火は消えた。

さて、彼女のご供養から数日後、僕は、僧侶の衣からウェットスーツに着替え、いつものように海に出て波乗り(サーフィン)をした。

海上で次の波を待つ間に、ふと思った。

「彼女がもし、こうして自然と触れ合う喜びを知っていたとしたら、それでも彼女は死を選んだだろうか……?」と。

いや、タラレバの話しをしても仕方がない。

改めて、彼女のご冥福を祈る。
合掌

そして僕は、また次の波に乗る。




◆新・からっぽ禅蔵◆

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。