ノベラーエクスプレス関東

 自作の小説がメインのブログです。
 主にSF、ファンタジー、ミステリーの脳内妄想を文章化したものです。

“大魔道師の弟子” 「一夜明けて……」

2017-07-11 14:32:36 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[7月3日08:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 稲生家]

 稲生:「おはよう……」

 稲生は眠い目を擦りながら降りて来た。

 佳子:「おはよう。朝ご飯できてるわよ」
 稲生:「うん……」
 宗一郎:「眠いか、勇太?」
 稲生:「あんまりよく眠れなかった……」
 佳子:「無理も無いわ。昨夜は大騒ぎだったもの」
 宗一郎:「そうだな。会社に行く前に、ちょっと家の周りを見て来る。お前達も家の中に異変が無いかどうか確認しておいてくれ」
 佳子:「分かったわ。ねぇ、覚えてる?まだ威吹君がいた頃、外の騒ぎが収まっても、まだ家の中にオバケが潜んでたんだから」
 宗一郎:「そうだな。幸い今は、世界的に高名な占い師の先生が泊まっておられる。昨晩の妖怪騒ぎも、先生が魔法を駆使して対処して下さったわけだ。やっぱりこういうのは、すぐに対応できるものでないとな」
 佳子:「そうね」
 稲生:「…………」

 暗に宗一郎は、日蓮仏法のダメさ加減を指摘した。
 すぐに功徳の現証が現れるものでないものこそ偽仏法であると。
 地道にコツコツが全否定されたバブル崩壊を経験しているだけに、功徳のコツコツ積み重ねを一切信用していなかったのである。
 あと、稲生の顕正会活動の方法のマズさもあった。
 街頭折伏と称し、妖術が得意な威吹を使って通行人を騙し、会館に連れて来て入信勤行させたくらいである。
 さすがの威吹もマズいと思ったのか、それを稲生に指摘したが、悩乱中の稲生には逆ギレするしか無かった。
 ついにはその後受誡することになる正証寺の法華講員を、それと知らずに催眠術を掛けさせて騙し、顕正会に強制入信させた(ブログ内では班長の藤谷のみが抗議に訪れた描写になっているが、ネタ帳には正証寺青年部員156名が大挙して顕正会本部を訪れたことになっている。もちろんそこで何が起きたかは【お察しください】)。

 稲生:「妖術って怖いから……」
 宗一郎:「ん?」

 誓願を達成または大きく突破する為に、妖狐の妖術を悪用させるという発想をした稲生の方が怖い。

[同日09:00.天候:晴 稲生家]

 それから1時間ほどしてマリアか起きて来た。

 マリア:「オハヨウ……デス」
 佳子:「おはよう」
 マリア:「ゴメンナサイ。寝坊シマシタ」
 佳子:「いいのよ。昨夜は大変だったもの……」
 稲生:「イリーナ先生は?」
 マリア:「師匠は『あと5分』を1時間以上繰り返していたので、放っておいた」
 稲生:「先生が1番大変でしたからね」

 マリアがダイニングテーブルの椅子に座る。
 白いブラウスの長袖を捲って、そこから白い腕が伸びている。
 首に緩く巻いているリボンが緑色だった。
 ダンテ一門では、契約悪魔のイメージカラーを服のどこかで使用するのが慣習的になっている。
 昔は色合いにも拘らなくてはならなかったようだが、今は緑だったらそれっぽい色でも良いことになっている(この場合、モス・グリーンでもダーク・グリーンでもOKということ)。
 契約悪魔が自発的に動いたからMPはサービスされるということはなく、しっかり後で請求してくるのが悪魔というものだ。
 マリアもベルフェゴールが怠惰の悪魔の割に、それなりの働きをしたということで、しっかりMPが吸い取られてしまった。
 ただの人間に無いのがこのMP(マジック・ポイントまたはマジック・パワー。つまり、数値化された魔力のこと)というもので、悪魔がそれが無い人間と契約するととんでもないものを請求してくることが多々あるが、魔道師の場合はこのMPで良い。
 因みにまだ稲生と正式な契約をしていないアスモデウスも戦ったわけだが、彼女はどうやって請求するのか?
 何気に、イリーナとマリアに上乗せして請求している。
 上級悪魔ほど契約をきっちり遂行するが、請求もきっちり行うのである。

 稲生:「後で先生に御飯持って行ってあげないと……」
 マリア:「いや、朝食は抜きでいいだろ」
 佳子:「はい、マリアさん。トースト」
 マリア:「アリガトウゴザイマス」
 稲生:「マリアさん、別に『自動通訳魔法』そのまま使用で良いのでは?」
 マリア:「私の魔法だと、何か失礼な言い回しになるんだろう?」
 稲生:「いや、そういうわけじゃないと思いますけど……」
 佳子:「イタダキマス」
 稲生:(ま、いいか……)

 因みにエレーナは稲生達に対し、『自動通訳魔法』は使用していない。
 本当に素で日本語や英語、ロシア語を喋っているのである。
 ポーリンに拾ってもらうまでストリートチルドレンだったという過去の割には、物凄いバイリンガルである為、エレーナの過去については疑問視する者が出始めている。

 マリア:「今日はどうする?」
 稲生:「マリアさんは何か予定あるんですか?」
 マリア:「いや、無い。私も師匠にくっついて来ただけだ」
 稲生:「まさか、昨夜の事を見越して来たんですかね?」
 マリア:「恐らくは……。ああ、分かった」
 稲生:「何です?」
 マリア:「昨夜のことを見越して来たというのは事実だろう。そして、どうしてそうなったかの調査を行うと思う」
 稲生:「あ、なるほど。……あ、じゃあ僕、オフ会に出てる場合じゃなかったですかね?」
 マリア:「それはいいんじゃないか。ユウタだって、たまたま今回帰らないと参加できないパーティーなんだろう?」
 稲生:「ええ、まあ……」

 ドタキャンならぬ、ドタ参加の希望だったが、今朝また友人のFacebookを見たら、稲生の参加を大歓迎する書き込みがされていた。

 マリア:「それならいいと思う。調査と言ったって、結局師匠1人でやっちゃうような内容だろうし」
 稲生:「そうですか。でも結局、オフ会は夜に行いますから、まだだいぶ時間はあるんですよ。今日は平日だから、みんな仕事帰りとかでないと参加できないんですよ」
 マリア:「それまでに師匠が起きて来るかどうかってところだな」
 稲生:「マリアさんが代わりに調査するとか?」
 マリア:「してもいいけど、恐らく今、核心に近い所にいるのは師匠の方だぞ?私は勝手に動き回らない方がいい」
 稲生:「そういうものですか」
 マリア:「“魔の者”が関わっているとなれば尚更さ。私や勇太が狙われる恐れが大だから、尚更ね」
 稲生:「じゃ、今日は1日、家に引きこもりですね」
 マリア:「師匠が起きてくれれば、指示を仰げるんだけどね」
 稲生:「マリアさんと歩きたかったなぁ……」
 マリア:「……まあ、しょうがない。師匠が何日間この町に滞在するつもりか知らないけど、今日や明日急に帰るということは無いだろう」
 稲生:「そうなんですか?」
 マリア:「だったらとっくに起きてくるさ」
 稲生:「あ、なるほど」

 稲生はポンと手を叩いた。
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Unknown (ポテンヒット)
2017-07-11 19:46:54
甲子園の予選が始まり清宮をはじめ様々な話題で盛り上がっているが、気になった事がある。結論から言えば、高野連は老害w

例えば、流血しながらも200球投げたとか、人数合わせの美術部員が喘息発作を起こしながらも最後まで出場したとか、昭和ジジイが好きそうないわゆる根性ドラマが美化されているが、俺は思う。それって過労死電通とか顕正とかと一緒じゃねw

誰が責任を取るんだろう?活動会員の人生についてメタボが責任を取らないように、怪我や病気の球児に後遺症が出ても高野連はど~せスルーに決まってる。それか特攻兵のように名誉を与えるかw

地味なユニフォームといい教育的な選手宣誓といい高野連は時代遅れだが、少なくともボクシングのようなドクターストップ制の導入は要求するw
ポテンヒットさんへ (雲羽百三)
2017-07-11 20:25:52
 こんばんは。

 そういえば、もう高校野球の季節ですねぇ。
 アメリカの大リーガーから見れば、厚切りジェイソンのようなツッコミをしたくなるほどでしょう。
 何せ向こうでは興行としてのベースボールが、日本では教育の一環なんですからね。
 日本のプロ野球にもそのDNAが刷り込まれているが為に、今でも日本とアメリカでは野球文化に大差があるのですね。
 思い込んだら試練の道を時速320キロで突き進むことが美しい日本をどうにかしないとって感じですね。

 きっとナベツネみたいな人達が沢山いるんでしょう。

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