ノベラーエクスプレス関東

 自作の小説がメインのブログです。
 主にSF、ファンタジー、ミステリーの脳内妄想を文章化したものです。

“Gynoid Multitype Cindy” 「敷島家のクリスマス」

2016-12-27 14:52:04 | アンドロイドマスターシリーズ
[12月24日13:00.天候:晴 東京都中央区 JR有楽町駅前]

 結月ゆかり:「みなさーん、こんにちはー!MEGAbyteでーす!」

 有楽町駅前広場の特設ステージにて、ミニライブを行うMEGAbyte。
 ここには総合プロデューサー兼MEGAbyteマネージャーの井辺が来ている。
 MEGAbyteもだいぶ名前と顔が知られて来た感があった。

 井辺:「すいません、もう少し照明の方を下手の方にズラして頂けますか?……はい」

 井辺もMEGAbyteの売り込みに余念が無い。

 Lily:「それでは聴いてください。MEGAbyteのクリスマスソングで……」

[同日14:00.天候:晴 東京都中央区内]

 ライブが終わって車で移動するMEGAbyte。

 井辺:「お疲れさまでした。いいステージだったと思います」
 ゆかり:「ありがとうございます!」
 未夢:「お役に立てて何よりですぅ〜」
 Lily:「お安い御用です」

 褒められた時の反応に性格が出るボーカロイド達。

 井辺:「この後は一旦事務所に戻りまして小休止の後、特別なイベントに出て頂きます」
 ゆかり:「特別なイベント?」
 Lily:「枕営業は用途外ですよ、プロデューサー?」
 未夢:「あらあら……」
 井辺:「違います。18時より、都内のホテルでパーティが行われます。それにコンパニオン兼余興として歌のミニステージがありますので、それに出て頂きます」
 Lily:「プロデューサー、それって……?」
 井辺:「はい。『敷島家のクリスマスパーティ』です」
 Lily:「やっぱり……」
 井辺:「敷島家と言っても、実際はそれにプラス招待された外部の方も来られるとのことです。ですので、実質的なVIP対応になります」
 ゆかり:「上手くできるかな……」
 井辺:「科学館の時のイベントを思い出して頂ければ、上手く行くと思います」
 未夢:「ありましたねぇ、そんなこと……」

[同日15:00.天候:曇 東京都江東区豊洲 豊洲アルカディアビル18F 敷島エージェンシー]

 敷島:「はー……」
 井辺:「社長、只今戻り……あれ?どうしました、社長?」
 シンディ:「今日のクリスマスパーティをどうやってバックレるか思案中なんですって」
 井辺:「は?ですが、『敷島家のクリスマスパーティ』は毎年恒例行事のもので、敷島家の血脈者は全員参加が義務付けられているとのことですが……」
 敷島:「井辺君、今すぐ敷島家に養子縁組して、俺の代わりに行ってきてくれないか?」
 井辺:「業務命令ではないので拒否します。もうボーナスは頂きましたし……
 敷島:「くそ……」
 井辺:「そんなにクリスマスパーティが嫌なのですか?」
 敷島:「そうだ。今から日蓮正宗に入信して、『宗教上の理由なのでお断わりします』にするか!」
 井辺:「勘当されるのがオチだと思います」
 敷島:「くそ……」
 井辺:「何がそんなに懸案なのですか?」
 敷島:「ジジィ達にペコペコするのがいい加減嫌になってきた」
 井辺:「社長、それなら先日、東西新聞社の大原社主と会食されたではありませんか」
 敷島:「仕事でお世話になる方はいいの!仕事だと思って割り切れるから。単なる親戚付き合いなのに、腹の探り合いだぜ?勘弁してくれよ」
 井辺:「これもまた同族企業の宿命ですよ、社長」
 シンディ:「そうよ。だったら、これも仕事だと思って割り切ればいいじゃないの」
 敷島:「井辺君も来てくれよ」
 井辺:「当たり前です。お忘れですか?今回のパーティにはMEGAbyteも招待されているんです。プロデューサーの私も同行しませんと」
 敷島:「そうだったな。MEGAbyteに任せて、俺は帰るか!……はぐわっ!?」

 直後、シンディから高圧電流食らう敷島だった。

 シンディ:「いい加減にしろ、このバカ社長」
 井辺:「ははは……」(乾笑)

[同日18:00.天候:晴 東京都文京区後楽 東京ドームホテル]
(敷島家が勢ぞろいしているので、この場でのみ、敷島家の者は名前表記とす)

 孝之亟:「それで例の件はどうなのかね?進んでいるのかね?ワシはねぇ、あれだけが今時分の楽しみでねぇ……」
 孝夫:「…………」
 峰雄:「孝夫、黙ってないで答えなさい!」
 孝夫:「あ、はい。まあ、一応……」
 孝之亟:「ワシ好みのデザインに仕立て上げてくれる約束じゃ」

 孝之亟はシンディを見た。

 孝之亟:「特に、お前の秘書に似た娘のデザインじゃぞ?」
 孝夫:「分かってますって」
 貴婦人:「こんばんは、敷島社長」
 孝夫:「こんばんは」
 貴婦人:「奥様とお坊ちゃまは?」
 孝夫:「あ、えーと……」
 シンディ:「あちらにおいでです」
 貴婦人:「是非お食事したいですわ」
 孝夫:「は、はあ……。では、最高顧問。私は今の方の応対がございますので、これにて失礼!」
 峰雄:「ああっ、待ちなさい!まだ話は終わっとらんぞ!」

 敷島はアリスとトニーと合流した。

 アリス:「どうしたの、タカオ?もう接待は終わったの?」
 孝夫:「強制終了だ、べらもうめ!招待客のおかげで助かった!」
 貴婦人:「んまぁ!可愛らしいお坊ちゃまね!私、幼児教育の研究を行っておりますチャッピー池田と申します。将来はお受験なさるのねー?」
 孝夫:「いやあ、そうなんですよ。是非とも息子には、高い教育を受けさせたいと思っておりまして……」
 チャッピー池田:「あら、私の本をお読み下さったのねぇ?いいことですわー」
 孝夫:「はい。池田先生のお噂はかねがね……」

 シンディは後ろに控えながら、とても敷島の行動について理解できなかった。

 接待が嫌だと言っていたのに、今はこの幼児教育専門家の貴婦人を接待している。
 一体、どういう意味なのかと……。

 シンディ:(人間について、私はまだ全てを理解していないみたい……)
 孝夫:「(老い先短い老害ジジィ共の相手より、未来ある子供の為に動く方が建設的だよ)それで先生、何か料理をお持ちしましょうか?あのローストビーフなんか美味しそうですよ」
 峰雄:「あいつめ、最高顧問を無視してあんなババァを相手にしてやがる……!」
 シンディ:「会長?」
 峰雄:「キミは秘書だろう!?だったらすぐに孝夫を連れ戻してこい!」
 シンディ:「ええっ!?」

 さすがのシンディも、この命令には素直に従うべきなのか迷ってしまった。

 シンディ:(姉さんならどうするだろう……?)

 尚、結局、敷島は老害ジジィ……もとい、本社役員達の相手をするハメになり、幼児教育研究家の相手はアリスが行ったという。
ジャンル:
小説
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