ノベラーエクスプレス関東

 自作の小説がメインのブログです。
 主にSF、ファンタジー、ミステリーの脳内妄想を文章化したものです。

“大魔道師の弟子” 「魔道師達のクリスマス」 受付開始編

2016-12-24 20:47:05 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[12月24日17:00.天候:曇 長野県北部某所 マリアの屋敷]

 稲生:「こんばんは。ご来館ご苦労様です。こちらにご記入をお願いします」

 クリスマスパーティ開始1時間前。
 早目に来る魔道師もいるので、この時から準備を始める。
 因みに稲生はエントランスで受付係。
 下っ端の見習なので、そんなことをやらされる。

 稲生:(顕正会の衛護隊や、正証寺の任務を思い出すなぁ……)

 稲生は受付台の前に立って、来館する魔道師達の記入を見ていた。
 尚、稲生は案内して受付票を書かせているだけ。
 その内容が正しいかどうかまでは精査しない。
 精査できるとしたら、英語だけ。
 辛うじて外国語は英語なら何とかなる稲生だが、それ以外の言語についてはお手上げだからだ。
 特にダンテ一門の魔道師達はロシア系が多い。
 その為、キリル文字なんかで書かれた日にはさっぱり読めない。
 ダンテ門流内の公用語は英語ということにはなっているのだが、文字となると統一されていないらしい。
 尚、位の高い魔道師が来ると、ラテン語で書いて来たりする。
 本当に自由な門流である。

 稲生:(結構、みんな早目に来るなぁ……)

 稲生は偏見ながら、ロシア人とかは時間にルーズなイメージがあるので、遅刻上等だと思っていたのだ。

 エレーナ:「よっ、稲生氏。めりーくるしみます」
 稲生:「あっ、エレーナ。……何だよ、それ?」
 エレーナ:「あれ?日本語では、そう言うんじゃないの?」
 稲生:「言わないよ。……てか、絶対わざとだろ?」
 エレーナ:「ちっ、マリアンナに影響されてクソ真面目になっちゃったね」
 稲生:「いやいやいや、んなワケない。……あっ、こんばんは。ご苦労様です。では、こちらにご記入を……あ、はい。恐れ入ります」
 エレーナ:「忙しそうだね。手伝おうか?」
 稲生:「いや、いいよ。僕の仕事だし」
 エレーナ:「私だって普段ホテルでフロントの仕事をしてるんだから、こんなのお手の者よ」
 稲生:「そりゃ頼もしい。だけど、大丈夫だよ。それより、ポーリン先生とリリアンヌは?」
 エレーナ:「ポーリン先生は後から来るし、リリィはもうすぐ来るよ」

 と、その時、また玄関のドアが開いた。

 リリィ:「ヒィヤァッハーッ!ブラック・クリスマース!!」
 稲生:「り、リリィ!?」

 リリィは覚醒した状態でやってきた。
 普段は野暮ったい魔女のローブにとんがり帽子を被って来るのだが、今は魔法の薬を作る時にするパンクファッションに身を包んでいた。

 リリィ:「悪魔の宴だ、ゴルァァァッ!」
 稲生:「わ、分かったから、これに記入してくれる?」
 リリィ:「ヒャッハーッ!!」
 エレーナ:「……おい、リリィ。同じ見習とはいえ、稲生氏の方が先輩で年上だぞ。言う事聞けや」

 はしゃぐリリィに、エレーナが姉弟子としてキツく注意した。
 すると、ビクッと体を震わせるリリィ。

 リリィ:「あ……ハイ」

 リリィは急にしおらしくなって、受付票にボールペンを走らせた。
 リリアンヌとはフランス人の名前。
 その為、リリィの書く文字はアルファベットながら、内容はフランス語だった。
 ポーリンはイギリス人、エレーナはウクライナ人、リリィはフランス人と多国籍組なのである。

 エレーナ:「稲生氏、私はリリィを連れて行く」
 稲生:「あ、ああ……って、エレーナ!キミがまだ受付をしていない!」
 エレーナ:「おおっと!」
 リリィ:「フフ……フフフフフフフ……」

 と、そこへ、玄関前に黒塗りの高級車が止まった。
 そこから降りて来たのは、黒いドレスコートに身を包み、その上から白い毛皮のコートを羽織ったアナスタシアだった。
 護衛をするかのようにその周りを歩く弟子達は、黒いスーツやブレザーに身を包んでいる。

 アナスタシア:「こんばんは。受付はこちらでよろしいかしら?」
 稲生:「あ、はい。ご苦労様です。こちらにお願いします」
 アンナ:「私が代わりに……」
 稲生:「アンナ……さん」

 アナスタシア組の弟子の1人、アンナがボールペンを走らせた。
 他人に起こった話を又聞きさせ、その話の中に引きずり込むという魔法を使う。
 また、呪いなどの魔法にも長けており、稲生を試したこともある。
 もし稲生が悪い男だと判断したら、それを守る魔女として稲生を暗闇の底に沈めていたと言い放っていた。
 実際はそんなアンナの逆鱗に触れることも無く、こうして無事にいられている。

 アンナ:「これでいい?」
 稲生:「あ、はい。ありがとうございます」

 アンナもロシア人。
 だがしかし、書いた文字は……英語だった!
 しかも、ちゃんと内容は合っている。

 稲生:「それでは控室が2階にありますので、そちらの階段からどうぞ」
 アンナ:「ありがとう。先生、そちらだそうです」

 他の弟子達がアナスタシアをエスコートしていく。
 ダンテ一門の中で最多数を誇る弟子を抱えるアナスタシア組。
 但し、弟子の数が最多であり、それらが連携する魔法は他の組とは引けを取らないまでも、個人個人の魔法力は弱めらしい。

 アンナ:「マリアンナが笑っているから許してるけど、泣かしたりしたら、無限ループの地獄に落とす。私は魔女で結構。悪い男から女の子を守る為にね」
 稲生:「了解しました」
 エレーナ:「まあ、その前に当のマリアンナ自身にブッ殺されそうな気がするけどね」
 稲生:「はい、そんな気がします……」
 リリィ:「フフフ……」

 と、今度はポーリンが入ってきた。
 玄関の向こうでは老婆の姿をしていたが、受付台に近づくに連れて、どんどん若返って行く。
 ついにはイリーナと同様、30代前半くらいの女性の年齢にまで戻った。

 稲生:「こんばんは。ご来館ご苦労様です。こちらにご記入願います」
 ポーリン:「うむ……」

 エレーナが代わりにポーリンの名前などを記入した。
 ウクライナ人が書く文字もキリル文字だと思われるが、エレーナは英語で記入した。
 魔法を使わずともマルチリンガルな彼女は、東京のホテルでは外国人相手に英語を使う機会が多いからだろう。
 それと、ポーリン自身が英語圏の国の者だからか。
 師匠に心酔しているエレーナとリリィ。
 それまでの稲生に対する軽口は潜め、またリリィもはしゃぐのをやめた。

 ポーリン:「まだ時間があるのだろう?控え室で少し休みたいのだが?」
 エレーナ:「先生、私がご案内致します」
 リリィ:「フヒッ、私も行きます……」

 こうしてポーリン組の面々も、控え室に向かって行った。

 稲生:(ところで、大師匠様はどのタイミングで来られるんだろう?……大師匠様だから、魔法でもう到着されていたりして……?)
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Unknown (匿名)
2016-12-25 13:13:47
管理人さん、メリークリスマス!


先日、管理人さんに紹介しましたジゴロの伏見直樹氏が、なんと!TVで紹介されていました。
https://www.youtube.com/watch?v=WlD_9f0qYIA

でも「女を口説く(功徳?)秘訣は、一に押し、二にマメ、金、 そしてマメとは・・・」
の一番大事?の話の間に、電車が思いっきり走り何も聞こえなかった!(作ってるだろ~!のテリー氏のコメント)
もし良かったら、管理人さん、中板橋の伏見氏の店に行き、秘訣?を教えて貰ったら如何でしょう? 気さくな方の様ですから、?店が込んで無ければ、話て貰えるかも?
特に、婚活の話なら、スケベ目的?でなければ、親身に話て貰えるかも?知れませんね。

何か顕正や法華講よりも、口説く(功徳?)有るかも?

匿名さんへ (雲羽百三)
2016-12-25 17:17:20
 どうも、メリークリスマスです。

 押しに金……まあ、当たり前のことですね。
 電車が思いっきり走り、何も聞こえない……という表現は昔、私も作品内でやったような記憶が……。
 ま、ベタな演出の法則ですね。

>何か顕正や法華講よりも、口説く(功徳?)有るかも?

 ヘタな精神論より実用論の方が世の中役に立つってもんです。
Unknown (匿名)
2016-12-26 10:51:24
ジゴロ(元?)伏見直樹氏のプロフィールです。

名前:伏見直樹(ふしみ なおき)
生年月日:1955年10月16日(61歳)
出身地:北海道久遠郡

出身地は、なんと久遠??
 
あ、だから彼は、口説く(功徳?)があるんですね?
因みに、伏見氏の著書では、彼の母親が学会に入って、何か色々イザコザ?があった、と書いてありました。

ただ、伏見氏の出演した昔の番組?の中で、女性から
「でも、伏見さん、もう有名になっちゃったじゃない?」
「ああ? あれシャレ!シャレ! ○○って悪いディレクターがいてさ!」など、話を盛ってる可能性もあり、どこまで本当か知りませんが。



匿名さんへ (雲羽百三)
2016-12-26 22:02:39
 こんばんは。

 うーん……あまりこういうのは面白半分に取り上げるだけで、本気にしない方がいいかもしれませんね。
 私自身がジゴロになれる素質でもあれば別なのでしょうが、こういう小説を書いている時点で【お察しください】。
Unknown (匿名)
2016-12-30 12:17:45
伏見直樹氏がテレビジョッキーに紹介された動画です。

https://www.youtube.com/watch?v=Vr9jd_2_6jk

あの某党代表の蓮舫氏がこの類?番組のキャスターをやっていたのですね。(テレ朝深夜番組プレステーションのキャスターもやっていた)
しかし、伏見氏の教える?口説く(功徳?)テクニックとは

①「ジゴロって知っています?ヒモって、悪い男やってるのですよ、電話番号教えてくれませんか・・」って、
たけしじゃないが、「ジゴロやひも」の男に普通、電話番号教えませんよね?


② 「貴方の直樹です」って、朝昼晩とシツコク電話していたら、「ストーカー扱い」で通報されるでしょう?

③ 女を飽きさせないギャグ、ジョークって、
「イエー!イエー!イエー!ドントポッチイ、飲んじゃえ!イエー!頑張れゲンさん」勝手に喋ってるだけのような?  たけし曰く「イエー!イエー! ふざけんな!」

徳さんのバス旅の番組のパートナーの何某律子も
コメント求められ「最初から電話番号教えませんね」

だから「あ、しゃれ、しゃれ」なのでしょうね?


 管理人さん、良いお年を。!
匿名さんへ (雲羽百三)
2016-12-30 20:33:59
 こんばんは。

 創価学会が破門になる直前辺りの番組ですねw
 バブル期の頃の感覚と25年以上も経った現在とは感覚も違うでしょう。
 今ならストーカー扱いされるような行為も、当時なら黙認されていたのかもされません。
 なので、あまり参考にはならないですね。

 蓮舫さんも議員になどなっていなければ、二重国籍だのと問題視されずに済んだのにと思います。
 てか、当時からベリーショートか……。

 いや、何でもありません。
 こちらこそ、お読み頂き、ありがとうございました。
 来年もよろしくお願い致します。

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