報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「前回のようなヤンデレラは実在しない」

2017-11-27 19:18:43 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[11月5日19:58.天候:曇 JR仙台駅新幹線ホーム→東北新幹線“やまびこ”56号9号車内]

〔13番線に、20時ちょうど発、“やまびこ”56号、東京行きが10両編成で参ります。この電車は途中、福島、郡山、宇都宮、大宮、上野に止まります。グリーン車は9号車、自由席は1号車から5号車です。まもなく13番線に、“やまびこ”56号、東京行きが参ります。黄色い線まで、お下がりください〕

 夕食と土産物を買い終えた魔道師達は新幹線ホームに移動した。
 車両の規格が統一されている東海道新幹線では全駅に可動式安全柵が設置されているが、そうではない東北新幹線では設置されていたりしなかったりだ。
 仙台駅には付いていない。
 尚、東海道新幹線では16両編成1323席の法則というものがある。
 JR西日本500系が追い出されたのはこの為。
 まあ、バリエーションが無くなってつまらなくはなったが。
 東北新幹線では安全柵は設置できないものの、バリエーションに富んでいる所が良い。

〔「13番線、ご注意ください。“やまびこ”56号、東京行きが到着致します。黄色い線の内側まで、お下がりください」〕

 やってきたのは古参のE2系。
 黄色いヘッドライトが稲生達に接近してくる。

 稲生:「そう言えば、冥鉄に新幹線は無いですね」
 イリーナ:「無いね。ヘタすりゃ、未だに蒸気機関車が走っているような鉄道会社だからね」
 稲生:「0系や200系がいたら面白いのに」
 イリーナ:「『怨念で走る彼岸鉄道』というコンセプトだから、夢の超特急は冥鉄の方針に合わないんだろうね」
 稲生:「国労や動労の闘争にすら、新幹線は使われなかったそうですからねぇ……」

 尚、未だに上尾事件でブッ壊された165系は冥鉄で鋭意運行中です。
 深夜の上尾駅や大宮駅で見かけたら要注意!

〔「ご乗車ありがとうございました。仙台、仙台です。車内にお忘れ物の無いよう、ご注意ください。13番線に到着の電車は……」〕

 稲生:「0番台だ、0番台」

 稲生がそう言いながら乗り込んだ。
 E5系などでは普通車も電球色の照明だが、E2系ではグリーン車だけ。
 1000番台はアクリル製のカバーに覆われた直接照明だが、0番台は間接照明である。
 後者の方がムーディーアポ山さんな雰囲気だが、照度が低いという難点があったが、気になるほどのものではない……と思う。

 稲生:「えーと、ここが僕とマリアさんの席。その後ろが……先生の席です」
 イリーナ:「あら?いいの、ここで?」
 稲生:「ええ」

 イリーナの席は車いす対応の1人席だった。
 恐らく対象となる車椅子使用の乗客がいなかったので、一般販売されたと思われる。
 その前に、稲生とマリアが座る。

 稲生:「毛布使います?」
 イリーナ:「ブランケットあったんだ。使う使う」
 マリア:「中国人みたいに持ち帰っちゃダメですよ」
 イリーナ:「いや、しないから」

 中韓人のマナーの悪さは、他国の外国人観光客にも不評!

 ホームからオリジナルの発車メロディが鳴り響く。
 壮大さは旧バージョンの方が良かったと思うが、現行バージョンは生演奏を録音したものだという。

〔「13番線、ドアが閉まります。無理なご乗車はおやめください」〕

 稲生:「(発車メロディの)無理な変更はおやめください」

 ボソッと呟く稲生。

 マリア:「ん、何?」
 稲生:「いえ、何でも無いです」

 ドアが閉まって、列車はVVVFインバータの音を響かせて走り出した。

〔♪♪(車内チャイム)♪♪。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございます。この電車は、東北新幹線“やまびこ”号、東京行きです。次は、福島に止まります〕
〔Ladies & Gentlemen.Welcone aboard the Tohoku Shinkansen.This is the Yamabiko superexpress bound for Tokyo...〕

 稲生:「そうだ、マリアさん」
 マリア:「なに?」
 稲生:「all aboardってどういう意味?」
 マリア:「……『発車します。ご注意ください』」
 稲生:「それでいいんですか?」
 マリア:「それでいいと思う」

 確か、新幹線だったかと思う。
 ホームの発車案内電光掲示板に、当該列車が発車する際に、『All aboard』という表示が出るの。
 最初は都営地下鉄だったかもしれないと思ったのだが、作者が都営大江戸線で見たところ、そういう表示は無かった。

 稲生:「あと、これは『アルカディアタイムス』に載っていたんですが、『ニューヨークの地下鉄で「Ladies & Gentlemen」と言わないようにする計画か?』ですって」
 マリア:「は?」
 稲生:「『LGBTの利用者に「Ladies & Gentlemen」と呼び掛けるのは不適切だからとの判断か?』とのことです」
 マリア:「……アメリカ人、アホだ」
 稲生:「それが、その……」
 マリア:「ん?」
 稲生:「7月にはロンドンの地下鉄で、既にそうした動きがあったようです」
 マリア:「……バカばっか。しばらく日本にいていいかな?」
 稲生:「是非いてください」
 マリア:「ていうか、日本の地下鉄は?英語放送では言ってない?」
 稲生:「いやー、日本の地下鉄で『Ladies & Gentlemen』は聞いたことないですねぇ……」
 マリア:「日本語では?」
 稲生:「元から『お客様』で殆ど統一されてるから大丈夫です」
 マリア:「……もう少し私も日本語を勉強してみよう」
 稲生:「マリアさん、素でだいぶ上手くなったじゃないですか」
 マリア:「いや、もう少し滑らかに喋れるようにしておきたい」
 稲生:「そうですか?」
 マリア:「自動翻訳魔法での私の日本語、かなり硬い表現なんだって?それじゃダメだと思う」
 稲生:「僕は別にいいと思いますけどねぇ……」

 稲生は後ろの1人席に座るイリーナを振り向いた。

 稲生:「先生、ロシア語ではどうですか……って」
 イリーナ:「クカー……」
 稲生:「あ、ダメだこりゃ」
 マリア:「多分、ロシア語も英語と似たような言い回しなんじゃない?」
 稲生:「なるほどねぇ……」

 尚、LGBTに配慮するが故の『Ladies & Gentlemen』禁止令は、米英国民からも疑問の声は上がっているという。

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