(※漫画「エースをねらえ!」の二次小説です。内容にネタバレ☆等を含みますので、一応ご注意くださいm(_ _)m)
なんだか唐突な気もするんですけど、今回は……ごにょごにょ☆な回ですww
自分的に読み返すと、なんかスゴイ恥かしいというか、なんていうか(/ω\*)
いえ、カルシェラの多少エロめなのとかは、べつにわたし大して恥かしいと思ってないんですけど(笑)、具体的にエロいシーンがあるわけでもないのに、今回はスゴイ恥かしいなと思いましたww
まあ、描写的に参考になってるのは、旧こみくす4巻の、
>>俺はまるでせきとめられた激流だった。
苦しかった。
どこかへ流れたかった。
さまざまな選手に会い、失望し、お蘭に会いお蝶に会い、才能は認めながら打ちこめず、もうこの世に俺の流れる出口はないのかと諦めかけて――
やっと、岡に会った。
出口……狂うほど探し求めた俺の出口。
もう遅いぞ、岡。俺のせきは切れた。逆巻いておまえの中に流れこむ。
途中で悲鳴をあげても遅い!覚悟しておけ!
っていう、そんなところかな~なんて
変な意味ではなくて、宗方コーチは自分の中のすべてを入れられる、受け容れることのできる選手を求めていたと思うので、本当にひろみとの出会いっていうのは、彼にとって<奇跡>以外の何ものでもなかったんだろうなって思います。
藤堂たんも言ってるとおり、ひろみって確かに>>「素直で教えやすい」子ではあると思うんですよね(^^;)
でもやっぱりそれだけではなくて、ある程度素質というか、才能っていうのも必要だし、そのふたつっていうのは、揃いそうでいてそう簡単には揃わないものなんだろうなっていう気がしたり
宗方コーチの好み(?)として、たぶん「ひたすら耐える女」っていうのに実は弱いんじゃないかっていう気がするんですけど、どうなんでしょうね(笑)
あとは映画でも語られてるとおり、ひろみがお母さんに似てたっていうのも、ある意味自分の好みだし(っていうか、一歩間違ったら私情?笑)、その子が自分の課す特訓にひたすら耐えて伸びていく……宗方コーチにとってひろみっていうのは、生涯の最後で巡り会えた、至福のプレゼントにも等しい存在だったのかなと思います
>>「今、父に会った。俺とお蘭の父に。
あの父を憎んだ。父を思って死んだ母が痛ましかった。身を引いた愛が理解できなかった。
その上、22でプレイヤーとしての自分を失った。
苦しかった。父を呪い、我が身を呪い、母の死に顔が頭を離れず、いっそ狂えたら……と。そうしたら、どれほど楽かと……。
その生き地獄から、岡が救ってくれた。
俺だから育てられる。俺にしか育てられない。
そう確信した時、自分の過去の一切が肯定できた。
悩みも苦しみも痛みも、一切が岡を育てられる自分を作ってくれた環境だと思えるようになった。
そして、求めず父を愛した母の一生もわかった。
俺自身がいつか、同じように岡を愛していたから。
愛している、愛している、愛している……!!
これほど愛せる相手にめぐりあえるとは思わなかった。
生きてきてよかった……!!」
う゛~んやっぱりその、なんていうか……宗方コーチとひろみの関係っていうのは、ただの師と弟子を超えた、強烈な魂のつながりだと思うので――男女としてくっつくとか、体の関係を持つとか、そういうのを遥かに超越した関係性だと思うんですよね。
まあ、わたしがこんな二次小説を長々と書いてるのは、宗方コーチとひろみがウィンブルドンで勝ち上がっていくところが見たいっていうのと、ふたりに師と弟子以外の意味でも結ばれてほしいっていう個人的な願望によるんですけど……でも、最初のほうで某陶芸家(笑)の人が言ってるとおり、男女の仲になるとかなんとかいうのは、ある魂の観点から見た場合にはほんと、ゴミ屑程度のことだなと思ってはいます(^^;)
昨今の漫画とか小説の売れ筋っていうのは、「なんだかんだ言っても、結局ソレでしょ?」っていう部分が大きいのと同時に――<それ以上のもの>を人は誰でも求めていて、その部分が表現されてる作品っていうのは、極めて少ないんじゃないかな~という気がしたり。。。
「エースをねらえ!」が名作漫画として、これからも永遠に生き続けるのはたぶん、愛の絶頂で滅びるという、オペラにも通じる普遍性があるからなんだろうなと思うんですけど、なんにしてもこの作品に出会えてわたし自身は本当に幸せでした(&今も幸せです)
ではでは、次回はひろみの語りで、その次くらいからがGAME-3-(対モアランド戦☆)という感じかな~と思ったり♪(^^)
それではまた~!!
Grand Stroke-11-
Side:仁
『いつか、弟子というものは師を越えて大きく育っていくものよ。その時には仁、あなたもヒロミのことをただの弟子としてだけでなく、<女>としても受け容れるべきなんじゃないかしらね』
俺は岡があの様子では、今ごろぐっすり眠っているに違いないと想像しながら――自分のほうではまったく眠れずに、繰り返し煙草を吸ってばかりいた。
さらに、リンデロイス先生の言葉に追いうちでもかけるように、藤堂に言われた言葉が、胸の中に甦ってくる。
『負け犬の遠吠えとでも思って聞いてください、宗方さん。あなたは岡くんにテニスのコーチとして、すべてを与えた。それは本当にそうなんだと思います。でもその<すべて>の中に、一番重要なものが欠けているかもしれないと、想像してみたことはないんですか?すべてを与えながら、その一番重要なものだけは与えないだなんて……それは少し、残酷なことなんじゃないでしょうか』
(だったら俺に、一体どうしろというんだ?)
以前俺は岡に、こう言われたことがある――自分は一方的にコーチから与えられ、育てられ、受けただけだ、と。だからこれからは受けた恩の十分の一でも百分の一でも返すように務めたいと思う、といったようなことを……。
あの時も俺は、岡にどう答えたらいいかわからなかった。
実際にはより多くのものを与えられ、受けたのは、むしろ逆に俺のほうだったのだと、そのことが岡にわかるのはおそらく、岡が現役のプレイヤーを退いて、俺と同じように誰かを教えはじめるようになってから、という気がする。
こちらが一与えたことに対し、岡は十応え、また俺が十を与えたとしたなら、おまえは百も千も多く応えてくれたのだと――恩返しなど、そのことを思えばする必要など一切ないのだと、俺はどう口で説明してやったらいいのか、今もってわからない。
ただ、先ほど岡の話を聞いていて、彼女が師である自分の手を離れつつあるのだということを、俺ははっきりと感じとっていた。おそらく、明日のモアランド戦は面白い戦いになるだろう……それこそ、先ほど岡が言っていたとおり、試合の勝ち負けではなく、それ以上の<何か>がコート上でテニスドラマとして演じられるのではないかと、そんな気がしてならない。
なんにしても、これ以上のことは考えていても埓があかない――俺がそう思って煙草を揉み消し、ナイトテーブルのスタンドの光を消そうと思った瞬間のことだった。
コンコン、と二度ドアが弱々しくノックされ、バスローブを一枚だけ羽織った格好の岡が、部屋の中へ入ってくる。
「どうした?眠れないのか」
時計を見ると、ちょうど午前零時だった。明日の試合は午前十一時半にはじまる予定なのだが――体力を温存するために、なるべく長くぐっすり眠ったほうがいいのは、言うまでもなく当たり前のことである。
にも関わらずどうしても眠れなくて俺の部屋までやって来たのだろうと、そんなふうに俺はこの時思っていた。
「あの、コーチ……あたし、一度は眠ったんです。大体一時間くらい、深くぐっすり。でもそしたら今度は目が冴えて眠れなくなって。このまま眠れなかったら、せっかく今いいコンディションなのに、明日調子を崩すんじゃないかとか、つまらないことが心配になってきて……」
「……………」
いつもの俺ならばたぶん、「羊の数でも数えて寝ろ」とでも言ったに違いない。
だが、この時の岡は様子がどこかいつもと違っていた。どこがどう、というのは、俺にも説明が難しいのだが。
「なんだ?まさかこの俺に子守唄を歌って寝かしつけろとか、そんな無理な注文をしにきたわけではあるまい?」
「それに近いです、コーチ……」
岡はもぞもぞと俺のベッドの中に入りこんでくると、そのままの格好で眠ろうとした。流石にこれでは、今度はこっちのほうが眠れない。
「コーチ、どこへ行くんですか!?」
「おまえはそこで寝てろ。俺は別の部屋へ行く。何しろ、これだけだだっ広い城だ。空いてる部屋ならばいくらでもある」
「べつにいいでしょう!?コーチにとってあたしは<女>じゃないんだし……あたし、今はもうわかってます。コーチにとってはエバハート夫人くらいの女の人じゃないと、とても恋愛対象としては見てもらえないんだってこと。だったらべつに……」
構わない、と言いかけた岡に対して、俺は手を差し伸ばした。
よりによって何故、こんなに都合の悪い時におまえはこんなことを言いだすのかと、ただ腹を立てることが出来たら、どんなに良かったことだろう。
「明日、おまえにはここが一番の勝負どころといっていい、大きな試合がある。俺はおまえのコーチとして、今自制心を持って接することも、そう難しくはない。岡、たぶんおまえは何か勘違いしてるんじゃないか?俺がリンデロイス先生のことを好きだったのは、見た目がどうこうといったことじゃない。もちろん、そうした部分もなくはないが、何分あの頃の先生というのは男勝りというか、女らしさの欠片もないような感じだったからな。今俺が抱きつかれて困るのは――岡、おまえひとりだけだ」
岡は俺の右手をとると、自分の頬にすりつけるようにし、そこに涙を零した。
「こんなことをして、もし明日……おまえが負けたら、俺は後悔するだろう。コーチとして一体何をしていたのかと、自分を責めることになる。だからもう、おまえは自分の部屋へ戻って寝る努力をしろ」
岡がバスローブの下に何も着ていないらしいのに気づいて、俺はそこから目を逸らした。何故こんな時にと思うが、いや、むしろこんな時だからこそ、なのだろうか?
結局俺は、自分の心の誘惑にではなく――岡自身に対して負けた。
「あっ……」
ベッドの上に押し倒された瞬間、岡が短く声を上げる。
「一度こうなった以上は、おまえが途中で悲鳴を上げても、俺はやめる気はない。逃げるなら今のうちだ。俺の言っている意味がわかるな?」
岡はこくりと頷くと、震える手で、自分からバスローブの帯をといていた。
「あとはいい。俺がやる」
――ずっと堰き止められていた激流が、狂うほど探し求めた出口へ向かうように、岡の体に向かって流れだす。奔流のように激しく逆巻くそれを、これほど小さな体が受け止めきれるのかと思うのと同時に……テニスの技術的・体力的なことでいうなら、確かにこの娘は俺の課したことによくついてきたものだと、今さらながらにそう感じずにはいられない。
岡の細いながらも筋肉のついた肩も腕も腰も足も、すべてはある意味俺が形作ったものだった。仏作って魂入れずというのが、こういう意味だとは思わないにしても、藤堂が言っていたことはある意味正しいのかもしれなかった。
そして思う……結局のところ俺は、怖れていただけではないかと。下手に男女の仲などになるより、コーチとプレイヤー、師と弟子でい続けたほうが、関係としては確実に長続きするとわかっているだけに、こんな小さなつまらないことのために岡を永遠に失うかもしれないことが、怖かったに違いない。
だが、岡のことを抱いてしまった今では、これを<小さなつまらないこと>などと言うつもりは、俺にはない。この娘の唇も首筋も肩も胸も腰も脚もすべて――今では、すべてがこの俺のものだったのだから。
>>続く。。。
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