映画を見ながら株式投資

今の時代に起きていることを正しく認識し、自分なりの先見の明を持つ。

セルピコ

2008-12-10 00:06:30 | ★★★★★★★★★☆
監督 シドニー・ルメット
キャスト アル・パチーノ、ジョン・ランドルフ、ジャック・キーホー、コーネリア・シャープ、トニー・ロバーツ、F・マーレイ・エイブラハム、M・エメット・ウォルシュ、ラリー・ボンド、トニー・ロー・ビアンコ
1973年 アメリカ、イタリア

【あらすじ】
恐るべき汚職と腐敗にまみれたN.Y.の警察組織に熱い正義と使命感に燃える男・セルピコが立ち向かう。

【感想】
随分と久しぶりに見ましたが、初見時よりもはるかに印象が良かったです。素晴らしい出来でした。昔はアル・パチーノの出演作品の中ではそれほど好きな作品というわけではなかったのですが、考えを改めざる得ないです。

映画を見るようになってから、当然の如く誰もが通る道であるアル・パチーノにハマってしまい初期作品だと「スカーフェイス」、「狼たちの午後」「スケアクロウ」等に混じって立て続けに見てしまっていたのが悪かったのかもしれません。若干、個性の面で引けを取る本作は印象が霞んだようです。名作多すぎるのも困ったもので、贅沢な要望を言えば、間を空けて欲しかったですね。

本作の場合は実話であるという説得力が強烈です。逆にこの事実を知らないで見てしまうと損をすることになるでしょう。

その汚職について簡単に説明させていただくと、ギャンブルなどの違法行為を行う一般人に対して、集金屋と呼ばれる警官が賄賂を受け取ることでその違法行為を見逃してやるのですが、この汚職は常態化しており、幹部ですら事実を知りながら黙認しており、見て見ぬふりをしています。この話からすると幹部ですら以前は手を染めていたのかもしれません。アメリカという国でこのような行為が普通に行われていたという事実に対して、驚きを感じざるを得ないです。

そしてこの腐敗した世界に、正義感の強いセルピコという一人の刑事が立ち向かいます。彼は同僚から激しい妨害を受けながらも、最後まで自分の信念を貫きます。
にもかかわらず、セルピコを待ち構えていた結末は心が折れるのではないかと思う位悲惨なものでした。最後にベットの上で涙を流すセルピコには心打たれました。(なんでこれでアカデミー賞取れなかったのか理解に苦しむ)

この結末をあえて冒頭に持ってきたシドニー・ルメットの演出も冴えていたと思います。重いですが、とてつもなく理不尽なことに対して一人で戦った男の雄姿とその末路をぜひ見ていただきたいです。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

セルピコ デジタルニューマスター版 [DVD]

東北新社

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