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処女の泉

2010-06-23 00:03:47 | ★★★★★★★☆☆☆
監督 イングマール・ベルイマン
キャスト マックス・フォン・シドー、グンネル・リンドブロム、アラン・エドワール
1960年 スウェーデン
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
16世紀、スウェーデンの片田舎に住む富豪の一人娘カリンは、教会に行くため、長い道中の旅に出る。だが途中、カリンは3人の無頼漢に犯され殺されてしまう。後に事実を知ったカリンの父親は敢然と犯人たちに復讐を誓い、それを実行する。

【感想】
この映画が持つ本当の意味や重さは宗教や神の存在に対して意識の低い日本人には十分に伝わりようがない。にもかかわらず伝わったという人間は何か勘違いしている。仮に私がキリスト教徒だったらもっと違う世界があったと思う。

最後まで息苦しい。こんなに息苦しい映画は他にないのではと思うほど。意話の途中まではキリスト教徒としてごく自然に神に感謝するような場面が描かれているが、娘を犯された後、殺されてから状況は一変する。父親が復讐への決意し、実行した際には神の存在は心の中から消えていたはず。父親自身が神にしか許されていない裁きを自分の手で下したのだから。

ラストで少女の死体から泉が湧くシーンが意味しているのは神のいたずらなのか、怒りなのか、哀しみなのか、懺悔に対する慰めなのか解釈は難しい。しかし直感的に私は不快感を持った。無抵抗に殺された人間と悲しみに暮れる家族に対して、神が死体から泉を作る程度のことしかしてくれないのであれば、人間へ対する冒涜だと思われてもおかしくない。残されたものに救いはあったのか?虚しさだけではないのか。映像は非常に美しいですが、だからと言って素直に美しいと感動できるようなものでは到底なかった。監督が無神論者であれば話はわかるが、神の存在を信じているのにあえてこのシーンを持ってきたのだとすれば人間性を疑ってしまう。

イングマール・ベルイマンの中ではわかりやすい部類なので入門用には最適かと。映像だけを楽しめばいいなんてことは決して言えない。カルト映画に分類されると思う。

お薦め度:★★★★★★★☆☆☆

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