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素晴らしき哉、人生!

2009-07-08 17:02:57 | ★★★★★★★★★☆
監督 フランク・キャプラ
キャスト ジェームズ・スチュワート、ドナ・リード、ヘンリー・トラヴァース、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル、ボーラ・ボンディ
1946年 アメリカ
ジャンル:ドラマ、ファンタジー

【あらすじ】
人生に絶望し、自殺しようとした男は、二級天使の力で自分のいない世界の悲惨さを体験し、生きる希望を取り戻す…。

【感想】
あまりに感動的ですが、後になって「もし自分が存在しなかったら」ということを考えると少し怖くなるというのが一番の感想です。

私は自己投影することで罪悪感を感じてしまったので、この映画に単に猛烈に感動した人とは大きな距離があると思っています。

テーマになっている「もし自分が存在しなかったら?」という問いかけ。
こんな自分でも世の中にとっていい意味で影響を与えていることはあるのかもしれないと考える一方、人に言えないような逆の面もあるのは間違いないと思う。(深く考えないようにしている)この映画では素晴らしい面しか描いていません。少しずるい。ひねくれ者にはこの逆の部分が気になってしまった。

非難されるのを承知で書けば、負け組みであったり大きな挫折を経験している人の方が感動できる映画なのでしょう。競争社会に生きている以上、勝ち組と呼ばれるような人程、多くの他人を蹴落としているわけですから。そこまで行かなくても割と順調に人生を渡ってきた人(例えば:有名大学→有名企業に就職→そこそこ出世コースect)には伝わりにくいかもしれません。言いにくいですが、私はどちらかと言えば後者に属するので。もちろんこれから先、どうなるかはわかりませんので仮に転落するようなことがあれば真っ先に本作を観ようとは思っています。

少々否定的なことを書いてしまいましたが、それでも歴史的名作として名高いだけのことはあると思います。特に物語の大半を占める主人公の気の毒な人生のおかげでラストの展開が非常に鮮やかです。ここまでラストシーンの印象が強いのは前半の部分による対比があったからこそです。構成的に非常に優れていると思います。現実の世界に戻った彼のはしゃぎ具合は大袈裟ですが、だからこそ人生についての製作者の意図がストレートに熱く伝わってきます。特に8000ドル集まるシーンはとても感動的。出来すぎだけど。

ラストを素晴らしいものにするための演出として必要不可欠だったとはいえ、そこに至るまでが重苦しいのと個人的にはチャプリンの映画と被る面があるので点数では差をつけています。ただし人生のバイブルだと宣言する方も多いので、モノクロだからと毛嫌いせず一度は鑑賞されることをお薦めいたします。この時代にこのような作品を送り出したアメリカという国の凄さを感じるところです。

知らないのはもったいない映画の一つ。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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