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エレファント・マン

2009-07-10 13:37:26 | ★★★★★★★★★☆
監督 デヴィッド・リンチ
キャスト ジョン・ハート、アンソニー・ホプキンス、アン・バンクロフト、ウェンディ・ヒラー、ジョン・ギールグッド、フレディ・ジョーンズ
1980年 イギリス、アメリカ
ジャンル:ドラマ、実話

【あらすじ】
19世紀末のロンドン。21歳の青年ジョン・メリック。彼はその特異な容姿から“エレファント・マン”と呼ばれ、見せ物小屋で自らを晒しながら生きていた。
そんなある日、メリックの姿が小屋を訪れた外科医フレデリック・トリーブスの目に留まる。そして、研究のためにメリックを病院へ呼び寄せるトリーブス。
やがて、彼の研究発表や雑誌での紹介をきっかけに、メリックは一躍時の人となる。だが、彼は大衆の好奇や同情の眼差しを受けながら、自身は普通の人間らしく生きることだけを切望していたのだった・・・。

【感想】
生まれながらに奇形であるため醜悪な外見により「エレファント・マン」と呼ばれた実在した人物ジョン・メリックの半生を描いた作品。

恐ろしい容姿とは異なり、心は優しい彼が、彼と好意的に接する人たちに徐々に心を開いていく一方で彼を差別する人間からあまりに残酷な仕打ちを受けることになります。

ジョン・メリックの外見についてはwikiをはじめとして多くのサイトに写真が載っています。(製作した聖フィリップ寺院の模型の写真もあります)この写真を見る限り映画の中の彼の姿は決して誇張などしておらず、むしろ抑えているようにさえも思えます。初めてメリックを見た看護師が悲鳴を上げるシーンがありますが、ある意味、後のいじめよりも残酷かもしれません。だからこそ彼の「人間らしさ」や「純粋さ」に引かれるものがあります。

それまで怒りや葛藤といった感情を表に出さなかったメリックは最後に悲痛の叫び「I am not an animal. I am a human being」をあげます。誰よりも純粋だったメリックには耐えられなかったのです。いつもとは異なる寝方をするシーンにはまともに向かい合えなかったです。

あまりにも世の中不公平、なぜ彼のような優しい心と酷い外観を持つ極端な人間がこの世に生まれてきたのかということに対して宗教的なものすら感じます。とはいえ、その感情は言葉ではうまく表現できない。複雑なものが絡み合う感じです。

デヴィッド・リンチの作品ですが、いつもの難解さは全くないのでその点では見やすいと思います。(もちろん奇形人間という題材については別の話だが・・)ただし「イレイザーヘッド」にあった無機質で機械的な効果音についは本作でも使用されていますのでリンチらしさも見受けられると思います。

個人的にはデヴィッド・リンチの最高傑作です。

お薦め度:★★★★★★★★★☆

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