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ヴェロニカ・ゲリン

2012-04-11 23:19:55 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ジョエル・シューマカー
キャスト ケイト・ブランシェット、キアラン・ハインズ、ブレンダ・フリッカー、ポール・ローナン、コリン・ファレル
2003年 アメリカ、アイルランド、イギリス
ジャンル:ドラマ、サスペンス、実話

【あらすじ】
1996年、アイルランドのダブリンで、麻薬犯罪を追及し過ぎたゆえに、命を落とした女性ジャーナリストがいた。『エリザベス』のケイト・ブランシェット主演による、衝撃の実話の映画化。子どもたちにまで蔓延する麻薬の実態を摘発しようと決めたヴェロニカは、記者仲間でもタブーとされていた組織の中枢にまで取材を試みる。しかし、その強引な行動に対し、自宅に銃弾が撃ち込まれるなど彼女に魔の手が忍び寄るのだった。

【感想】
*重要なネタばれあり。未見の方は注意

主人公が命と引き換えに勝ち取った功績というよりは、死んでからようやく周りが動き出したようにも受け取れる。本当に命を落とさなければならなかったのかと考えると素晴らしい結果だったとは言い難いです。

街に麻薬が蔓延するアイルランドで撲滅のため、命をかけて戦った女性新聞記者の功績を描く。

メディアが巨大権力と戦うという共通点から「インサイダー」を思いだしました。しかし本作はアイルランドという国の事情もあり、主人公の戦いがまさに命懸けだったことが強く伝わってきたと思います。

麻薬の黒幕を報道しようするヴェロニカに対する抵抗がしだいにエスカレートしていきます。最初は自宅に銃弾で警告、それでも従わないので殺し屋に銃で撃たれ、顔をボロボロに殴られた挙句、息子の命まで脅迫される。これでも退かなかったヴェロニカが熱かったです。

ヴェロニカは最後まで強い女性で通すのではなく、脅迫された際に泣き崩れるなど弱さを見せるあたりが感情移入できた。関連したケイト・ブランシェットの演技が素晴らしかったです。

ただヴェロニカという女性がなぜ脅しや暴力を受けてまで麻薬撲滅のために戦ったのか、彼女の使命感がどこからきているのかこの作品を観ただけではわからないのがやや解せないものがありました。職業上のプロ意識と説明されても納得はできないでしょう。麻薬が人を蝕んでいることに関するエピソードをもう少し織り交ぜたほうが完成度は上がったはずです。

ヴェロニカという女性にフォーカスし過ぎたあまり、背景に関する掘り下げが足りなかったのは残念でしたが、それ以上に実話として感心させられるものがありました。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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