スクープ・悪意の不在

監督 シドニー・ポラック
キャスト ポール・ニューマン、サリー・フィールド、ボブ・バラバン、メリンダ・ディロン、ルーサー・アドラー、ウィルフォード・ブリムリー、ジョセフ・ソマー、バリー・プリマス
1981年　アメリカ
ジャンル：ドラマ、サスペンス

【あらすじ】
ある朝、ギャラガーが新聞を広げると、第一面で自分の生活が暴露されていた。そして、そこに書かれていることは、彼の生活を綿密にとらえてはいるが真実ではないのである。それもそのはず記事は、FBI特捜班がでっちあげた内容をもとに書かれたものだったのだ。

【感想】
社会派サスペンスもシドニー・ポラックが作ると正統派とは違ったややくだけた感じになる。あまりに正統派な社会派ドラマは疲れるので私にはこれくらいがちょうどいいです。それでも本格的なものに期待している人にとってはがっかりなんでしょう。

マスコミの誤ったスクープ報道によって一人の男が事件の疑いをかけられ、周辺の人間にまで被害が及んでしまう。悪意さえなければ嘘の情報を報道しても法律的には許されるからという姿勢で人を傷つけるマスコミへ対する警告がメインでしょう。ポール・ニューマン演じる主人公の男が非常にクレバーな人間で最終的には全員が彼一人に振り回されることになる。主人公の恋人が自殺してしまうまでの展開からするとラストは随分と方向性が変わったように感じました。ポール・ニューマンがおいしい所を持っていく形になっているのですが、他の役者だったら文句を言っていただとうと思います。

また冒頭で正統派な社会派ドラマとは違うと言いましたが、主人公の恋人がヒロインの行動によって自殺したのに、その後2人が成り行きでできてしまっているシーンによるもの。ハリウッド映画は主人公の奥さんが死んだらすぐヒロインとくっついてハッピーエンドというパターンが本当に多いですね。本当にそれでいいのかといつも思ってしまう。お国柄なのかもしれませんけど。

ただ本来ならうんざりしてしまうような深刻なストーリーを面白く見れるように上手くアレンジしたのではないでしょうか。おかげで鑑賞する上で敷居は低かったです。

お薦め度：★★★★★★☆☆☆☆

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