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ノー・マンズ・ランド

2009-12-01 00:04:01 | ★★★★★★★★☆☆
監督 ダニス・タノヴィッチ
キャスト サイモン・キャロウ
2001年 イタリア、フランス、ベルギー、イギリス、スロヴェニア
ジャンル:ドラマ

【あらすじ】
ボスニアとセルビアの中間地帯“ノー・マンズ・ランド”を舞台に、1993年のボスニア紛争をベースに、戦争や報道するマスコミの愚かさをユーモアたっぷりに描く。

【感想】
戦争の愚かさや虚しさを描いた作品は今までいくつも製作されていますが、本作は特にオススメです。

まず一つ目にハリウッド映画だと所詮はアメリカ万歳の結論になってしまうのだが本作にはそれがない。
二つ目にアプローチの手法として「プライベート・ライアン」他のように戦場の生々しい光景を見せるのではない点。美しいのどかな自然の中で当事者であるセルビア人とボスニア人の兵士だけでなくフランス戦車部隊、イギリス人テレビレポーター、ドイツの地雷撤去班、国連の最高司令部がみんな真剣に行動しているにも関わらず戦場の前ではまるでコメディのようにおかしく感じられてしまうシニカルな演出が秀逸。

セルビア人とボスニア人の兵士も途中で共通する知り合いの女性の話題で盛り上がって仲が良くなりかけるのですが、結局の所分かり合えない状態になってしまう。なぜお互いが憎しみあって戦争しているのかも上手に説明することなどできないのです。

ラストも誰一人報われることのない不毛な結末が待ち受けています。そこには虚しさ以外に何もありません。

これだけ戦争の虚しさを表現した映画はなかなか見当たらないでしょう。激しい戦闘シーンがないのでそこに物足りなさを感じる人はいるかもしれませんが、強烈な主張のある映画なので見かければ騙されたと思って観てもらいたいです。

お薦め度:★★★★★★★★☆☆

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