「憲法って、面白っ!」シリーズ、第1回から第11回までは人権総論についてつまみぐい的に述べてきましたが、ぼちぼち人権各論にも入っていこうかと思います。
ただ、その前に、鳩山民主党政権になったことで、憲法をめぐる動きがどうなるのかを考えてみたいと思います。
鳩山由紀夫氏は、名前のイメージからハト派だと思っている人もいるかもしれませんが、彼は現行憲法を、特に9条を変えて「自衛軍」を憲法に明記しようとしています。そのことは、彼のホームページで明らかにされています。
憲法改正試案(鳩山由紀夫ホームページより)
そこでは、「憲法の条文と政治的現実があまりに乖離していることは、日本の政治から健全なリアリズムを奪い、日本の「政治の言葉」について侮りをかい、外国の信頼を失うもととなる」と述べられています。
こうして、彼は“政治的現実”に合わせて自衛隊を「自衛軍」と規定しようとしています。
憲法の条文と政治的現実があまりに乖離しているという現状認識については私も同感です。
しかしながら、憲法を現状に合わせるのか(そしてさらに日本のいっそうの軍事化への歯止めを取り払ってしまうのか)、それとも現状を憲法の理念に一歩でも近づけていくのかという方向性については正反対だと言わざるをえません。
また、この「試案」には、「主権の委譲」という奇妙な項目があります。
日本国は、この憲法の定める統治の基本秩序に反しない限り、法律により、主権の一部を国際機構に委譲することができる。
2 日本国は国際社会の平和と安定に寄与するために、集団安全保障活動に参画するときは、法律により主権を制限することができる。
「国民主権」というのは小学校でも習う憲法の三大原則のひとつですが、それを場合によっては「委譲」したり、「制限」したりできるというのですから、とんでもない話です。特に具体的に念頭に置かれているのは国際機構(といっても実際には米国でしょうね)とともに軍事活動をおこなうことでしょう。その際に国民の意志にとらわれず、さらには国内法に縛られることなしに米国がやっているのと同じ程度の軍事活動をしようとしているのではないかと思います。
この「試案」では徴兵制は否定されています。これで安心する人も多いかもしれません。戦争に行きたくないのに嫌々行かされるということがなければ、少なくとも自分が兵士にされることはないのだと。そして「自衛軍」に志願する人は戦争が好きな人で、自分とは関係ないのだと、そんなふうに思うかも知れません。
しかし、米国の現状を見ればそうではないことがはっきりしてきます。米国はベトナム戦争時は徴兵制でした。しかし、現在は志願制をとっています。で、今では意に反して戦場に追いやられる人がなくなったでしょうか? そんなことはありません。まずもって貧しさのために、軍隊以外に就職口がないために軍隊に入る人がいます。一定の期間勤め上げたら奨学金が支給される、資格が取れる等々の条件に魅力を感じて志願する人もいます。そして、大々的に展開された反アフガニスタン、反イラクキャンペーンにのせられて志願した人もいます。
彼らは戦場で部隊と自分のモラルが崩壊していくことを肌身で感じ、PTSDに悩まされ、別人のようになって帰還してきます。戦争とは勝っても負けてもそういう人々を生み出さずにはおれないものです。
鳩山氏の「試案」は、これまでは単に一議員の個人的な見解でしかありませんでした。しかし、これからは、選挙で大勝し与党となった党の代表の見解だということになってしまいました。もちろん、民主党が圧勝したのは、国民が鳩山氏の改憲案を支持したからではなく、自民党があまりにもひどかったからです。したがって、民主党が自民党と同じ危険な動きをするのなら、はっきりとNO!を突きつけていかねばなりません。そうでなければ、このような鳩山「試案」がいつの間にか国会の場で「憲法改正法案」として議論されているということになりかねません。(鈴)
ただ、その前に、鳩山民主党政権になったことで、憲法をめぐる動きがどうなるのかを考えてみたいと思います。
鳩山由紀夫氏は、名前のイメージからハト派だと思っている人もいるかもしれませんが、彼は現行憲法を、特に9条を変えて「自衛軍」を憲法に明記しようとしています。そのことは、彼のホームページで明らかにされています。
憲法改正試案(鳩山由紀夫ホームページより)
そこでは、「憲法の条文と政治的現実があまりに乖離していることは、日本の政治から健全なリアリズムを奪い、日本の「政治の言葉」について侮りをかい、外国の信頼を失うもととなる」と述べられています。
こうして、彼は“政治的現実”に合わせて自衛隊を「自衛軍」と規定しようとしています。
憲法の条文と政治的現実があまりに乖離しているという現状認識については私も同感です。
しかしながら、憲法を現状に合わせるのか(そしてさらに日本のいっそうの軍事化への歯止めを取り払ってしまうのか)、それとも現状を憲法の理念に一歩でも近づけていくのかという方向性については正反対だと言わざるをえません。
また、この「試案」には、「主権の委譲」という奇妙な項目があります。
日本国は、この憲法の定める統治の基本秩序に反しない限り、法律により、主権の一部を国際機構に委譲することができる。
2 日本国は国際社会の平和と安定に寄与するために、集団安全保障活動に参画するときは、法律により主権を制限することができる。
「国民主権」というのは小学校でも習う憲法の三大原則のひとつですが、それを場合によっては「委譲」したり、「制限」したりできるというのですから、とんでもない話です。特に具体的に念頭に置かれているのは国際機構(といっても実際には米国でしょうね)とともに軍事活動をおこなうことでしょう。その際に国民の意志にとらわれず、さらには国内法に縛られることなしに米国がやっているのと同じ程度の軍事活動をしようとしているのではないかと思います。
この「試案」では徴兵制は否定されています。これで安心する人も多いかもしれません。戦争に行きたくないのに嫌々行かされるということがなければ、少なくとも自分が兵士にされることはないのだと。そして「自衛軍」に志願する人は戦争が好きな人で、自分とは関係ないのだと、そんなふうに思うかも知れません。
しかし、米国の現状を見ればそうではないことがはっきりしてきます。米国はベトナム戦争時は徴兵制でした。しかし、現在は志願制をとっています。で、今では意に反して戦場に追いやられる人がなくなったでしょうか? そんなことはありません。まずもって貧しさのために、軍隊以外に就職口がないために軍隊に入る人がいます。一定の期間勤め上げたら奨学金が支給される、資格が取れる等々の条件に魅力を感じて志願する人もいます。そして、大々的に展開された反アフガニスタン、反イラクキャンペーンにのせられて志願した人もいます。
彼らは戦場で部隊と自分のモラルが崩壊していくことを肌身で感じ、PTSDに悩まされ、別人のようになって帰還してきます。戦争とは勝っても負けてもそういう人々を生み出さずにはおれないものです。
鳩山氏の「試案」は、これまでは単に一議員の個人的な見解でしかありませんでした。しかし、これからは、選挙で大勝し与党となった党の代表の見解だということになってしまいました。もちろん、民主党が圧勝したのは、国民が鳩山氏の改憲案を支持したからではなく、自民党があまりにもひどかったからです。したがって、民主党が自民党と同じ危険な動きをするのなら、はっきりとNO!を突きつけていかねばなりません。そうでなければ、このような鳩山「試案」がいつの間にか国会の場で「憲法改正法案」として議論されているということになりかねません。(鈴)










