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オスプレイ墜落事故(その三)オスプレイの重大事故は頻発する

2017-02-25 | 沖縄

 2015年5月17日にハワイで訓練中の海兵隊のオスプレイが、右エンジンの故障で墜落し、海兵隊員2名が死亡し、20名が重傷を負った。海兵隊は、指揮官の「着陸場所の選定ミス」を事故原因に挙げた。しかし、事故現場はヘリコプタが常用する野戦訓練用着陸帯(LZ)だった。「ヘリコプタのように離着陸できる」オスプレイなら、当然着陸できると指揮官が考えるのは当然である。市民が撮影した動画には、オスプレイがプロップローターの巻き上げた猛烈な砂塵の渦の中に機影を消し、再び現れたときは墜落間際で、すぐに機体が着地横転して炎上する姿が捉えられている。事故原因は、吸い込んだ砂塵が高温溶解し、コンプレッサータービンのブレード上にガラス固化体を形成してエンジン出力を低下させたことである。これが、海兵隊が砂塵防止のために高江のヘリパッドの芝生に固執した理由である。しかし「尖閣有事」では、誰が、いつ、芝生を貼りに行くのだろうか?

 沖縄に配備されたオスプレイは、判明しただけでも今回を含め24機中3機が事故を起こしている。最初は、2014年6月の被雷事故で、当時米海軍安全センターは、沖縄のMV22オスプレイが6月27日に駐機中被雷したとして、損害額200万ドル(約2億円)以上の「クラスA」事故に分類した。しかし現地の米海兵隊は、「6月27日ごろ、普天間に駐機中に落雷の被害を受けた」と事実と異なる回答で事故の隠滅を図った。今年になって、「駐機中の落雷」は真っ赤なウソで、実際は6月26日に岩国から普天間に飛行中のオスプレイが、宮崎県小林市の上空で被雷し、右側プロップローターと制御機器を損傷していたことが暴露された。辛うじて普天間に着陸したものの、一つ間違えれば大事故は免れなかった。

 もう1件は、上記の給油訓練に参加していた別のオスプレイが、前脚を出さずに胴体着陸した事故である。事故の詳細は「軽微」として今も隠されている。しかし、卵の殻のようなフルモノコック構造のオスプレイは、わずかな損傷でも強度が保てなくなる。実際アリゾナ州ユマで、2007年8月21日の緊急着陸時に前脚を破損したオスプレイは、修理不能で秘かに廃棄された。こうした事故隠しの累積で、2009年の段階で帳簿上在籍するはずのオスプレイが、すでに40機も行方不明になった。

 オスプレイの欠陥・事故隠しは米軍の宿痾となっている。2010年4月に、米空軍のCV-22オスプレイ(横田に配備予定)がアフガニスタンで墜落し、兵士4人が死亡、16人が負傷した事故の調査は、フライトレコーダーの「行方不明」と、生き残った副操縦士の「記憶喪失」で打ち切られた。

 沖縄の事故に続いて、1月28日にはイエメンでも重大事故が発生した。対アルカイダ作戦支援で揚陸艦マキン・アイランドから飛び立った米海軍のオスプレイが墜落した。この作戦で特殊部隊SEALsのメンバー1人が死亡、4人が負傷した。映画「ブラックホークダウン」の再現である。海軍は、兵士を収容作業中に「ハードランディング」して飛行不能となったとしている。「ハードランディング」と「パイロットの操縦ミス」は米軍のオスプレイ事故報告書で常に使われる事故隠しの常套語である。

(ハンマー)


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