めそのたわごと

夢の場所へ 揺られながら 汽車に乗って

薬指の標本

2006-12-31 23:00:02 | cinema
薬指の標本

工場で働く20歳のイリスは、作業中に誤って薬指の先端を切り落としてしまう。それを機に工場を辞め、知り合いのいない港町に出て、新しい仕事を探し始める。見つけたのは“標本作製助手”の求人。早速、白衣を着た中年男と面接し採用される。そこは依頼を受けて標本を作製し保存する特殊なラボで、男は標本技術士だった。数日後、イリスは標本技術士から誂えたかのようにぴったりと足に合った革靴をプレゼントされる…。
私の大好きな、小川洋子さんの『薬指の標本』が映画になったということで、興味津々、観に行きました。日本の小説なのに、何とフランス映画!ということで最初に知ったときはちょっとびっくりしました。でもあの感じはフランス映画の雰囲気と合うかもと思ったし、実際観たら全く違和感なく、小説を読んでなんとなく頭の中で思い描いていたイメージがそのままスクリーンに映し出されたようでした。それでも、和文タイプをぶちまけるシーンなんか、さすがにフランスで和文タイプは不自然だし、どうするんだろう?とちょっとドキドキしながら観ていたら・・・なるほど、そう来たか!!これはバラしてしまってはつまらないと思いますが・・・それでもいいという方だけ続きを読んでくだサイ




正解は、マージャンパイです。まあパイの数なんて高々数百枚だし、得点棒とサイコロをあわせてもせいぜい20分もあれば拾えてしまう気がしますが・・・でもフランス人にとってはエキゾチックで不思議な感じなんでしょうし、このシーンとてもきれいで見入ってしまったし、これはこれで納得できたのでよかったです。

小川洋子さんというとたぶん一番有名なのは『博士の愛した数式』でしょうが、私の中ではこっちの作風のほうが小川洋子さんのイメージです。というわけで、読んだことない人、ぜひ読んでみてくださいね

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5 コメント

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麻雀 (kossy)
2007-01-01 01:39:17
あけましておめでとうございます。
麻雀牌を拾い集めるのに徹夜するなんて・・・などと不思議感覚いっぱいになりましたが、原作との兼ね合いがあったのですね・・・う~む。
マージャンパイ (charlotte)
2007-01-01 02:02:52
あけましておめでとうございます。
TBありがとうございました。
私もあのマージャンパイをぶちまけちゃうシーンがとっても好きです。光がとても温かく差し込む夕暮れ時が美しいシーンでした。
マイベストシネマにも入れました。笑
原作は読んでませんので、是非とも読んでみたいです。
TBありがとうございました (ミチ)
2007-01-01 14:42:30
あけましておめでとうございます!
【薬指の標本】良かったですよね~。
小川さんの小説のイメージはこういう感じです!
【博士~】以降はちょっと雰囲気も変わってきたような?
フランス映画が映画化してくれて良かったです。
日本人ではこのエロスは出ませんもの。
はじまして (雪になあれ)
2007-01-01 21:25:46
TBありがとう
そして・・・あけましておめでとうございます

自分も欧州人の麻雀牌を採用する感覚は何となく分かるような気がしました。
色んな方の映画評を読んでみると、あのシーンは賛否あるようですがプラス思考(エキゾチックなもの)で受け入れたいですね、littleduckさんに同感です。
自分は2度も観に行ってしまいました。
小川洋子さんらしい原作、原作を凌ぐほどの監督さんの手腕、ホントいい映画でした。
もう一度観たいですね。
明けましておめでとうございます&コメント・TBありがとうございます (めそ)
2007-01-03 12:54:37
>kossyさん
確かに原作を読んだことがなかったら、あのシーンはちょっと不可解かもしれませんね

>charlotteさん
あのシーンはほんときれいでしたよね。あそこだけじゃなくて他のちょっとしたシーンでも静謐で美しくて、息を呑みました。

>ミチさん
原作を読んでから映画を観るとがっかり・・・という作品もよくありますが、これは原作のイメージそのまんまでしたね。確かに日本人だとちょっと・・・ですよねこういうのはフランス映画の得意とするところですしね!

>雪になあれさん
基本的にプラス志向なもので(笑)原作に忠実に世界観はそのままに、製作者なりの解釈もうまく織り交ぜて、よくできていたと思います。どなたかのブログで「同じようで違う、違うようで同じ作品になっていた」という感想がありましたが、全くの同感でした。