リンパ浮腫を克服するために

リンパ浮腫治療に関する情報を発信していきます!

講演会のお知らせ

2007年05月31日 12時15分03秒 | お知らせ
ブログ管理者です。
更新の間隔があいてしまい、申し訳ありません。

小川先生から講演会の日程をお聞きしましたので、掲載いたします。

日時:平成19年6月10日(日) 13:00~16:00
会場:艮陵会館(仙台市)
参加費:無料

第31回日本リンパ学会総会・リンパ浮腫治療研究会
市民公開講座「リンパ浮腫 最新の治療は?」


今後も日程が確定し次第掲載してまいりますので、よろしくお願いいたします。

市民公開講座のお知らせ

2006年10月18日 10時34分26秒 | お知らせ
ブログ管理者です。
小川先生が10月22日(日)に神戸国際会議場で開催される市民公開講座「リンパ浮腫治療公開シンポジウム」に出席されるということですのでお知らせいたします。
リンクはこちら

学会に行ってきました。

2006年07月27日 22時30分50秒 | お知らせ
リムズ徳島クリニックの小川です。
6月・7月は学会シーズンであり、合計4つの学会で発表してきました。
日本リンパ学会・日本外科系連合学会・日本乳癌学会・日本婦人科腫瘍学会です。
このうち外科系連合学会と婦人科腫瘍学会は初めて発表しました。
最近乳癌学会関係では、リンパ浮腫に関する発表が増えてきて非常に喜ばしい状況となっています。
しかし婦人科腫瘍学会ではなかなかリンパ浮腫に関する発表は少なく、私を含め2題のみでした。やはりリンパ浮腫患者さんの多くは婦人科の手術後ですから、今回の私の発表がきっかけとなり婦人科関係の医師や看護師の方にもっと興味を持っていただければと考えています。
また日本乳癌学会では、リンパ浮腫に関するガイドラインを作成しようという動きがあり、私もその委員に選んでいただきました。
リンパ浮腫に関する診療や治療が保険で行えるようになり、もっと多くの医療機関で、糖尿や高血圧のように普通に治療を受けられるような状況になれるよう働きかけていければと思います。

亀よりも遅い足取りですが、ほんの少しずつでも前に進んでいけるよう頑張ります。

近況です

2006年06月11日 23時04分05秒 | お知らせ
リムズ徳島クリニック院長の小川です。
久しぶりにブログの書き込みです。
今年は出張が非常に多くゆっくり休む暇もなく、ついつい書き込みができませんでした。
これからの6月・7月は学会シーズンです。
もう終わりましたが、6月3日は東京で日本リンパ学会でした。
今後は、6月22日に金沢で外科系連合学会、7月7日にまた金沢で日本乳癌学会、7月20日に岐阜で日本婦人科腫瘍学会と次々出席します。
日本リンパ学会では、「市民公開講座」で患者さんにリンパ浮腫に関するお話をしましたが、今後の各学会では、外科医・婦人科医に対してリンパ浮腫に関するお話をしてきます。
やはりリンパ浮腫の治療は「早期発見・早期治療」であり、この考えはその他の病気とまったく同じです。それにもかかわらず、リンパ浮腫患者さんは浮腫を発症した早期から適切な指導を受けられないということが一番問題だと考えています。
今後いろいろな学会に出席して、リンパ浮腫の現状を訴えていきたいと思ってます。とくに患者数が一番多い婦人科医師にはぜひとも協力していただき、「リンパ浮腫治療ガイドライン」など作っていければと考えています。

記事の更新はなかなかできないかもしれませんが、時々のぞいてみてください。

リンパ浮腫治療セミナー

2006年03月13日 07時56分29秒 | 浮腫治療
リムズ徳島クリニック院長の小川です。
本年に入って本当に講演会やリンパ浮腫治療に対する講習会が多く行われ、休みのたびにどこかに出かけている状態です。

昨日は香川県で「香川リンパ浮腫治療セミナー」が開催され、私とともに当院理学療法士が出向き、リンパ浮腫に関する基本的な話とともに、治療の実際について実習を行いました。
医療従事者(医師・看護師・理学療法士)が対象であり、「リンパドレバージ」の手技をデモンストレーションし、「バンデージ」は実際に手を取り教えたという具合です。
やはり医療従事者もリンパ浮腫に対する対応に苦慮しているというのが現状であり、非常に熱心に聞いていただきました。
最近話をしながら医療従事者の意識の変化をみてとれるようになり、質問も具体的な内容が多くなり、真剣に取り組んでもらえているとうれしく思っています。

今月は、3/19に大阪の患者会「あけぼの会」の講演会、3/21に東京後藤学園でセラピストの卵への講義、3/25に京都の「日本バプテスト病院」で医療従事者向けの講演と続きます。
4月は「大阪市立医療センター」での講演会。5月は福島の患者会で講演です。
まだまだ続きますが、皆様とどこかでお会いできればと思います。

それと、4月から東京大森の「後藤学園」附属の「入新井クリニック」に月一回(第3木曜日の予定)診察に行く予定も入りました。徳島までお越しになれない方は、そちらで診療することもできますのでお問い合わせください。

講演苦労話

2006年03月10日 07時38分46秒 | お知らせ
リムズ徳島クリニック院長の小川です。
このブログを始めてからもう長い期間がたちましたが、なかなか書き込みができず申し訳ありませんでした。
今年に入ってから、毎週週末にどこかに講演に出かけており、なかなか自由な時間がありませんでした。
これからは少しずつ日記のように書き込んでいければと考えていくつもりです。
リンパ浮腫の話だけでなくなるかもしれませんが勘弁してください。

さて、本日は講演に出かけたときのありえない苦労話です。
2月18・19日に、長崎県で行われた講演に出席しました。
徳島から長崎に行くにはいくつかルートがありますが、今回は18日に徳島-東京・東京-長崎と飛行機で移動しました。非常に揺れて気分が悪くなりましたが、どうにか長崎に着きました。
19日に無事講演が終わり、長崎-名古屋(17:15着)・名古屋(18:00発)-徳島という飛行機のルートで帰る予定でしたが、JALからANAに乗り継ぐ必要があったため一旦保安ゲートから外に出てチェックインする必要があり乗り継ぎ時間が十分かどうか気にしていました。
運が悪いことに名古屋に飛ぶJAL便の出発が遅くなり、17:30に名古屋に着きました。17:45がチェックインの締め切りでしたので、走って外に出てANAカウンターでチェックインしました。その時点では17:40でありチェックインできましたが、その後搭乗口に入る保安ゲートが混雑しており、17:55分頃ゲートから中に入りました。保安ゲートを通る直前に外のANA職員から「徳島便のお客様・・・」という呼びかけがありましたが、もう後一人でゲートを通れるところまできていたためそのまま保安ゲートを通りました。遅くなったため中のANAの職員に話したところ、「その便はもう出発したので乗れません。」「払い戻しをするか明日の便にしますか?」という事務的な返事のみでした。
こちらは何を言っているかわからず「???」という状態でした。
まだ18:00までには時間があったし、こちらは呼び出しも直前までなく混雑した保安ゲートを仕方なく待って中に入ったわけですから、落ち度はないと思ってましたし、なぜ飛行機が出発したのか不思議でなりませんでした。
その後の応対も誠意がなく、「なぜ乗せてもらえなかったか?」の問いにも「お客様が早く入ってもらえなかったからです・・・」とのことでした。
こちらは正規の手続きをしたのだから飛行機に乗る権利があるはずだが、そのことに関する関係者からのコメントはいっさいありませんでした。(職員は自分たちは当然のことをしたまでですという感じでした)
出発時間が迫っていたなら、チェックインしたときの職員が案内するとか何か方法があったはずですが、「職員の責任は全くない」というような態度に腹が立ちました。
いくら文句を言ってもらちがあかず、仕方なく名古屋から新幹線とJRを乗り継いで深夜に徳島に着きました。(飛行機なら19時には徳島に着いていたはずでした)
後になってANAに文句を言いましたが、打っても響かず「苦情処理をしています」という感じの対応しかなかったため、もう話をすることはやめました。
今まで年間10-30回は飛行機に乗っていましたが、出発を遅らされいらいらした事はありましたが、今回みたいな事は当然初めてですし、あり得ないことだと思いました。
皆さんこんな経験はありませんよね・・・

ということで、非常に疲れた一日の報告でした。

もうANAには絶対乗りません!!!


深部リンパ管系について

2005年12月13日 19時25分22秒 | リンパ浮腫とは
リムズ徳島クリニック院長の小川です。
久しぶりの投稿になります。
10月から11月にかけては、学会や講演会が多くてその準備に手間取り書き込みができませんでした。お待ちいただいていた皆様には深くお詫びをいたします。

今回は前回の表在リンパ管の続きでリンパ管の流れのうち深部リンパ管のお話しをします。



表在リンパ管で集められ太い集合管となったリンパの流れは、頚部腋窩鼠径リンパ節に流れ込み、その後体の奥の深部リンパ管と呼ばれる太いリンパ管になります。

まず臍のラインから下の両下肢を含めた下半身の表在リンパ管は両側の鼠径リンパ節に入ります。その後腸骨動静脈に沿って「後腹膜」と呼ばれる腹膜の外側の部分を通って上行します。(腹膜とは?後腹膜とは?という説明は専門的すぎて難しいため、今回は割愛します。)
両側のリンパ管は、臍の奥あたりで合流し一本の太いリンパ管になります。その後「乳び槽」と呼ばれるリンパ管が拡張した部分になり、そこに小腸や大腸などの腸管からのリンパ液が流れ込みます。腸からのリンパ液内には食べ物を消化して吸収された脂肪が多く含まれるため、脂肪分の多い食事をした後には白濁したリンパ液になります。

その後リンパ管は「胸管」と呼ばれる様になり、胸腔内を通って最終的には左の鎖骨の裏で頸静脈が鎖骨下静脈に合流する静脈角という部分で静脈に合流します。また、左顔面や左上半身のリンパ液も頚部リンパ節・腋窩リンパ節を経由して左静脈角に流れ込みます。

右顔面や右上半身のリンパ液は頚部リンパ節・腋窩リンパ節を経由して反対側の右静脈角に流れ込みます。

文章で書くと非常に難しくなりましたが、このような特徴的なリンパ管の走行は、リンパ浮腫がどのような手術を受けるとどの部位に発症しやすいかを理解するために必要な知識ですので、図を参考にしていただき理解してみてください。

深部リンパ管系の特徴的走行とリンパ浮腫の関係
①、深部リンパ管は直接心臓に流れ込むのではなく、一旦静脈角で静脈に流れ込んで全身の血流に入る。
②、両側の腸骨リンパ節を切除するような婦人科癌や膀胱癌・前立腺癌などは両下肢に浮腫を発症する可能性がある。(片足の場合が多いがその理由ははっきりしない)
③、直腸癌は切除するリンパ節が腸骨ではなくもっと奥のリンパ節でありリンパ浮腫を発症しにくい。
④、胃癌や膵臓癌・食道癌などの手術で胸管を切断してしまうと、両下肢に浮腫を発症することがあるがめったには起こらない。
⑤、胃・腸など腹部臓器からの転移は左静脈角付近にみられることがあるため、転移すると左顔面や左上肢に浮腫を発症することがある。
⑥、深部リンパ管系に入る前の腋窩リンパ節を切除する乳癌などの手術や鼠径リンパ節を切除する肛門癌・外陰部癌・下肢の悪性腫瘍では、脇道が少なくリンパ浮腫を発症しやすい。しかし重力の影響を受けやすい下肢の発症率が圧倒的に多い。

以上のような特徴がありますが、一律に決められるものではありませんのでご承知ください。
おおよそのリンパ浮腫発症率は、乳癌手術後で約5%程度。子宮癌手術後で20-30%といわれていますので、浮腫を発症しない患者様の方が多いと言うことを理解いただき、過度な心配をしないようにしてください。

今回の深部リンパ管の走行は、「用手的リンパドレナージ」という治療を行う際に非常に重要になりますので、難しいとは思いますが覚えておいてください。





リンパ管のつながり(表在リンパ管系)

2005年10月16日 18時32分49秒 | リンパ浮腫とは
リムズ徳島クリニックの小川です。
記事の間が開いて申し訳ありません。
今回は、リンパ末端から吸収されたリンパ液がどのようにして流れていくかを解説してみます。
難しいことは省略して、できるだけわかりやすくしてみます。

以前お話しした「リンパ末端」でリンパ液がつくられ、その後ゆっくり流れて行きます。
全身の皮膚で考えると、リンパ管は皮下脂肪の中に編み目状に張り巡らされています。
リンパ末端から「毛細リンパ管」と呼ばれる非常に細く、リンパ管の特徴である弁構造もないリンパ管のまだまだ始まり部分に入ります。
この毛細リンパ管は、弁がないぶんどのような方向にも流れていくという特徴があります。例えば、弁がしっかりしたリンパ管では、管内のリンパ液は中枢方向に向いてしか流れませんが、毛細リンパ管内は横にも下にもという感じで移動させることが可能です。
リンパ浮腫患者さんの皮膚では、この毛細リンパ管の中にもたくさんのリンパ液が貯まっていますので、前回お話ししたように柔らかくゆっくりと手のひらを使ってドレナージしてあげれば、目的とする方向にリンパ液が移動する様が確認できると思います。
この毛細リンパ管は皮膚直下に分布していますが、そこからもっと深く皮下組織内にはいると前集合管・集合管と呼ばれる弁構造を持ったリンパ管になります。集合管は徐々に合流して太いリンパ管になり、リンパ節を経由して中枢に向かいます。
この集合管の太いものは、おもに皮下脂肪同士を層状に分けている線維組織という部分や筋肉の表面の筋膜に多く分布しているため、リンパ浮腫患者さんの一部では超音波検査(エコー検査)を患肢に行うことでリンパ管が拡張して太くなっている状態を確認することもできます。
以上のように「リンパ末端」から始まって「集合管」に至るリンパ管を総称して「表在リンパ管系」と呼んでいます。
この表在リンパ管系も属性があって、集合管くらい太いリンパ管になるとどこのリンパ節にはいるか決まっています。例えば右足と右下腹部の集合管は右鼠径部のリンパ節に流れ込みます。臍より上の右上腹部・胸部や右上肢の集合管は、右腋窩リンパ節にといった具合に体の真ん中から左右・臍の高さ・鎖骨の高さなどでは集合管のつながりが少なくなる境界線が引かれます。これを「リンパ分水嶺」と呼びます。すなわち山の頂上で雨水を分けるようなものです。
この理屈から言えば、右鼠径部のリンパ節だけが機能を失った場合には、右下腹部から右下肢だけに浮腫が見られるということになります。
ではこのような浮腫を改善させるためにはどうするかというと、この分水嶺をこえて右腋窩リンパ節に流れ込むようにリンパ管が発達すればよいと言うことになります。
ただし集合管でのネットワークは少ないため、その時活躍するのが皮膚直下の毛細リンパ管であり、分水嶺をこえる様に中のリンパ液を移動させてやれば、腋窩リンパ節所属の集合管に流れ込むといった理論になります。

文字ばっかりでわかりにくいと思いますが、これがリンパドレナージの理論です。
治療の項に移れたらもう一度詳しくお話しします。

次回はもう少し先のリンパ管(深部リンパ管)について解説します。

薬物療法について

2005年09月15日 19時54分56秒 | 浮腫治療
投稿をお待ちいただいている方に申し訳なく思っておりますが、なにぶん公務が多く・・・という言い訳をさせてください。
少し薬物について問い合わせがあったものでお話ししておきます。
リンパ浮腫に対する特効薬はありません。
しかし症状を改善するかもしれないと言うことでいくつか薬物を使用します。
①利尿剤:急激なむくみの進行や、高齢者で浮腫を改善させることで心臓に負担がかかりそうな患者様には当院でも使用します。利尿剤は、血管内の過剰な水分を尿として排出し、組織間質内の水分もいくらかは出やすくなります。しかし慢性期のリンパ浮腫のようにタンパク質の多い成分が組織間に貯まっている場合には、十分排出してくれません。よって、慢性になったリンパ浮腫に対して長期間利尿剤を使用することに関しては反対です。副作用としての低カリウム血症や脱水による腎障害も気になります。
②エスベリベン:痔の薬として保険認可を受けている薬ですが、リンパ浮腫に対する特効薬のように使用されているのが現状です。抗炎症作用や毛細血管からの漏れ出しを防ぎむくみをとる効果、リンパ管の機能を改善させる等の働きをするといわれています。痔の薬としても非常に緩いお薬ですが、リンパ浮腫に対しても効果は確立されていません。もちろん特効薬であれば保険認可が下りるはずです。しかし海外の論文をみてみると、エスベリベンを使用しながらマッサージをした方がしないよりも改善がよかったというものもあり、患者様によって効果が異なります。もし内服されている方で長期間使用しても効果がなかったという患者様は中止してみてください。それでも浮腫の悪化がなければ長期間使用することはないと思います。もちろん中止して浮腫が悪化するようなら、エスベリベンの効果があるわけですので、無理に中止しなくても良いと思います。
③漢方薬:いくつかの漢方薬が使用されています。利尿作用を持つものや、抗炎症作用を持つものなど様々ですが、エスベリベンと同様に処方されしばらく服用しても効果がなければ中止することも考えてください。「漢方薬は副作用がないから安心・・・」というのは間違いで、漢方薬も成分によっては「低アルドステロン症」といって血液中のカリウムが低下してしまう場合もありますので注意してください。

長く書きましたが、リンパ浮腫に対する特効薬はありません。当院では一部の患者様をのぞき内服はほとんど使用しません。服用して浮腫の改善効果があったものだけ使用してください。

まとめてお返事します

2005年08月25日 19時01分47秒 | 浮腫治療
どんぐりさん、ゆららさん、ひろどんさん、ぱるこさんコメントいただきありがとうございました。
このブログは、日記のように少しずつ増やしていけるというブログの特質を無視して、私が時間のあるときにしか書き込んでいけないという非常にのろいブログです。
申し訳ないとは思うのですが、お許しください。
今回コメントいただいたリンパ浮腫のしくみや治療方法は後々書き込んでいくつもりですが、今回とりあえず器械の使用方法について私の意見を述べさせていただきます。
空気圧を使用して患肢を圧迫する「空気波動型マッサージ器」は、手や足をカフと呼ばれる筒の中に入れて器械のスイッチを押すだけで手軽に圧迫をしてくれるため、便利で楽かもしれません。
問題点をあげるとすれば、「むくんだ手足の先から浮腫の原因となっている手足の付け根にリンパ液を押し上げるだけ」ということです。もし器械を使用した後に圧迫しなければ浮腫はすぐに元に戻ってしまいます。
手足の付け根のリンパ節・リンパ管が正常なら問題ないでしょうが、行き止まりの部分にたくさんのリンパ液を送り込んでもあふれてしまうだけになりかねません。
そのための対処法として、患肢の付け根のリンパドレナージや器械使用直後からの圧迫をしてもらうように説明しています。
私たちが行っている治療では、患肢を手で毎日触ってもらって感触を確かめながら「用手的リンパドレナージ」を行ってもらうことが基本となります。
器械に頼ってしまうと、患肢の変化に気づかないこともあるでしょうし、器械を使用した後に炎症を起こしたり浮腫の悪化を招くことになりかねません。
浮腫の状態は毎日変化しますので、器械を使用するとしても毎日手で触って感触を確かめてから行ってください。
また、一般の医師が器械をすすめる理由は、医師の使用する教科書にリンパ浮腫の治療法として書かれているためです。このような教科書は私にはどうしようもありませんので、もう少し長い目で見てください。いずれ今あげたような問題点を修正した教科書も出てくるはずです。
器械を製造・輸入している業者にも、その様な問題点をお話しし注意文書等を入れてもらえるように考えておりますので、徐々に改善がみられると思います。
器械を使用してはいけないのではなく、十分注意して使用しましょうということです。

入院治療費のことに関しましては、申し訳ありませんがクリニック事務までお電話いただければ幸いです。

なお今回は書き込みましたが、なかなか返信できないと思いますのでそのへんはご勘弁ください。