以下、某メーリングリストにおけるやりとりにて、持論炸裂の記録。
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ここでは早くから、女子サッカーWCの話題沸騰で、特にTさんの差し入れエピソードのせいで、すっかり興味と親近感がわき、
普段スポーツはあまり観戦しない私も、博論のチャプター締切前々日にもかかわらず、つい生中継でみてしまいました。
サッカーはほとんど全く人気のないアメリカでも、選手が美人揃いのせいか、今回の決勝戦はえらい盛り上がりようで、サンフランシスコ市内中心部では、野外スクリーンを出した応援会場までつくられ、全国ネットからローカル局までテレビでも大騒ぎだったのですが、
非常におもしろいことに、日本が勝った後もお祭りはつづき、各局ニュースでもトップ扱い。サンフランシスコなどの応援会場でも、「日本おめでとう!」と号泣するアメリカ人にあふれ、すっかり祝勝ムードです。
試合を中継したスポーツチャンネルでは、さすがに日本チームのインタビューはなかったにせよ、試合終了後も、とてもステキな音楽つきの試合中のハイライトビデオ(日本チームの、です。)を作って流していました。
アメリカ人はああいったハリウッド的ビデオを作らせると非常にうまいので、ある意味、試合に勝った瞬間以上に感動させられて泣いてしまいました。
中継の解説者たちも、必要以上に震災を引き合いには出すこともなく、ただ、いい試合だった!日本よかった!という、アメリカにしては考えられないくらい、潔い論調でした。
今朝も、ニュースショーに帰国したアメリカ選手団が全員出演していましたが、みんな、非常にさわやかで、選手の一人が(GKではない、かわいい金髪の人)
「日本チームはとにかくすごかった。あれだけのチームと互角に戦えたということに誇りを感じている」と言って、周りの選手もキャスターも納得の様子でうなずいていたのが印象的でした。
アメリカでの日本の存在感は、インドと中国の圧倒的な勢いに押されて風前の灯火だったところに震災が起こり、弱り切っていたため、今回の勝利は、日本はまだつぶれてはいないという証明として、とてつもなく大きな希望になると感じました。
以上、対戦国アメリカでの反応でした。
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(上記文への感想と質問を受けて)
なでしこJAPAN効果か、博論のチャプターの締切もちゃんと守ることができたので、ご質問にお答えしたいと思います。
> ところで、気になったのは
> 「アメリカにしては考えられないくらい、潔い論調でした。」
> という部分。
> 本来はナンバーワンで無いと気に入らない国民なんだ、ということなんでしょうか?
スポーツに関して、どの国でも自国中心の報道になるのは当然ですし、まあ、そうあるべきですよね。
それでも、たとえば日本なんかだと、純粋に強い国については、客観的に「強いですね」と認めることが普通だと思うんですが、
アメリカの場合、私が感じた限りでは、そう簡単には他国を「強い」とは認めたがらないんですよね。
他国が試合に勝った場合、どうにかして相手の純粋な実力以外、あるいはアメリカの弱さ以外の理由を探そうとするわけです。
なので、今回も、日本は震災があったから、アメリカとしても花を持たせてやったんだ、とか、
震災があったから、背負うものがアメリカとはちょっと違うからねえ、とかいうような論調が出るだろうと身構えていました。
ところが、そういう往生際の悪さとか、「アメリカ=世界のすべて」といった態度が全然みあたらなかったのです。
そして、日本の中継でどこまで映っていたかわからないのですが、
試合終了後の、アメリカチームの憮然とした、あるいは呆然とした表情は、テレビ越しに視ていても居心地が悪くなるほどでしたが、
これは、彼女たちが本当に真剣に、手を抜かず戦っていたからこそ、負けたことの猛烈な悔しさを率直に表現していたんだと、
その後のインタビューを聞いていて理解できました。
ただ、日本が強くて、自分たちはそれに負けたと、清々しく認めた上で、それがいまの日本にとっての力になることが嬉しいと言っていました。
中継をの解説者も、それがわかっていたから、震災を必要以上に強調することなく、日本を素直に讃えたんだと思います。
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(上記回答に対してさらなる質問:
> アメリカでの盛り上がりは、東河岸、西海岸の大都市郊外に住むサッカーママが中心で盛り上がったのであり、
> サッカーママとティーパーティーはほとんど重なり合わない集団であるはずでは?
への回答として)
お返事をいただきありがとうございます。
実は私も最初、女子サッカーの盛り上がりは大都市のだけの現象かもしれないと思ったのですが、
あえて「アメリカの反応」と感じた旨書いてみたのは、マスコミの論調が気になったからでした。
最初からきちんと注目していなかった私には、はっきりとしたことはわかりませんが、
逆に、ぼんやりと一般的なニュースを追いかけていた立場から言えるのは、
彼女たちへの注目度は、準決勝あたりから、全国的に上がり始めたということです。
選手は皆そろって明るくてキュートな白人女性で、夫はテレビを視るたび、「これこそアメリカ人が大好きなアスリート」だと言います。
また、アメリカでは、アスリートに関して、男より女の方がアイドルになりやすいとも言われますが、
彼女たちの人気は、サッカーだからというより、「かわいくて強い白人の女の子だから」というところにあるんだろうと思います。
(アメリカの人気アスリートは、男子の場合は人種はさまざまなのに、女子はほぼ徹底して白人なんですよね)
今回のアメリカ女子チームは、白人とはいえ、リベラルなサッカーママの娘達が大活躍したわけですが、
そもそもの人気の土壌を作りあげたのは、サッカーママ達だったかもしれないものの、
誰がなぜ、いつ仕掛けたのか、少なくとも準決勝あたり以降のマスコミの扱い方には、
ティーパーティー層へのアピールがしっかりなされていることが感じられました。
たとえば、決勝戦を観戦する特設応援会場の中継は、サンフランシスコやニューヨークのようなリベラルな大都市からだけでなく、
海外に駐留する米軍基地からも行われ、まさに世界中のアメリカ人が一丸となって応援した、というイメージでした。
そうしたイメージが、試合を生中継した全米最大のスポーツチャンネルESPN(ディスニー傘下)で打ち出されていたのは、とても興味深いと思いました。
また、キュートで強い白人女性アスリートは、むしろティーパーティー層にこそもっとも好まれるアメリカ人像だからなのか、
"American Idols" というキャッチコピーのもと、
三大ネットワークはもちろん、ティーパーティー御用チャンネルFoxまでが こぞってとりあげ、
ニュースショーのみならず、芸能ワイドショーまでもが注目。パーティでのドレスがファッションチェックでとりあげられたりもしています。
ただ、ティーパーティー層が、実際にどのような反応を示しているのかは、わからないのですが。
特に、選手たちの発言は、まさにサッカーママの教育のたまもの(?)というか、政治的に正しくて(politically correct)、
ご指摘のとおり、ティーパーティーの論調とは、基本的には相容れないと思います。
"ホッケーママ"のペイリンなんかは、とんちんかんに喜んでいそうですが。
ちなみに私の友人の中にも、子供の頃サッカーをやっていたという人が割といるんですが、
確かに、いずれも大都市郊外出身の白人女性ですね。
(私自身が女ということで、女性の友人の方が多いせいだと思いますが、
男性でサッカーをしていたという人にはまだ会っていません。)
かなり前に、そんな友人の一人に、アメリカ人とサッカーについて尋ねたことがありますが、
「アメリカ人にとって、サッカーは子供の活動で、大人になって観戦するものではない」と言っていました。
(その彼女は、実は何年か前までナショナルチームの補欠でした)
夫(ロサンゼルス郊外出身)のサッカー観も、「比較的裕福で知的な白人の子供のアクティビティ」だそうです。
すっかり長くなってしまいましたが、こんなところが、今回のサッカーママとティーパーティーの関係についての私見です。
ところで、これはあまりにひねくれた見方かもしれませんが、一連の報道で、
震災を引き合いに出しすぎることなく、日本の試合ぶりが、とても公正に評価され、しかも称えられていたのは、
震災時の「トモダチ作戦」以後、日米間の問題を、アメリカの希望する方向へ軌道修正できつつあるこの時期に、
惨状から救ってやるべき国というより、アメリカにとっての正しく・優秀な植民地としての日本のイメージを
(どちらかといえば共和党的な方向で)打ち出したいからなんだろうか・・・などというようなことも、
特に、日本の勝利に歓声を上げて喜ぶ米軍兵士を観たときなどに、実はちらっと考えたりもしました。




もう二度と先輩に無謀な挑戦はいたしません」(フロッギー談)











