アラン・シリトー『長距離走者の孤独』新潮文庫
表題のほか、7編の短編が収録されている。
短編は、はじまりの文章と最後の一文が重要だと思っている。
特に最後の終わり方が、余韻を残す文章だといつまでも、その一文を
眺めていたくなるものだ。
このシリトーの短編もそんな名文が散りばめられていた。
しかし、どれもこれも孤独というか、寂しい話が多かった。
別れた女房がある日突然やってきて、雑多な話をしてはいつもお金を
借りてゆく。思い出があると家からもらっていた『漁船の絵』は、
質屋で売られている。そんな行為にも何も言わず、またその絵を買い戻す
主人公…。
『フランキー・ブラーの没落』も心に残る。
昔一緒に遊んだ知能が遅れた少年。
大人になって主人公が再会したときの場面が切ない。
心の奥に響く短編集だ。
表題のほか、7編の短編が収録されている。
短編は、はじまりの文章と最後の一文が重要だと思っている。
特に最後の終わり方が、余韻を残す文章だといつまでも、その一文を
眺めていたくなるものだ。
このシリトーの短編もそんな名文が散りばめられていた。
しかし、どれもこれも孤独というか、寂しい話が多かった。
別れた女房がある日突然やってきて、雑多な話をしてはいつもお金を
借りてゆく。思い出があると家からもらっていた『漁船の絵』は、
質屋で売られている。そんな行為にも何も言わず、またその絵を買い戻す
主人公…。
『フランキー・ブラーの没落』も心に残る。
昔一緒に遊んだ知能が遅れた少年。
大人になって主人公が再会したときの場面が切ない。
心の奥に響く短編集だ。