ふつうの暮らしとリハビリテーションとケア

もし、障害を負ってしまったらどうするか?
今までの生活は??
暮らしを支えるリハビリテーションとケアを考えます。

存在とADL

2006年07月19日 | 生活を思う
以前の職場で働いていた時のこと。
病院玄関ロビーを歩いていると、
なにやら担当患者さんの御家族さんがポツンと座っている。

どうしたんだろう・・・?と思いながら声をかけてみる。
どうやら再発し、入院となったが、Drから延命措置はしない、
と言い切られたというのである。

話を聞くだけ聞いて、私が聞いておさまるなら、それでもいいですが、
もしおさまらないなら、病院の意見箱にお気持ちをお聞かせください。
と伝えた。

後日、その方の投書があり、医師は謝罪の言葉を並べていた。

その時の言葉が今でも残る。
「私は、おばあさんに、どんな形でもいい、
例え寝たきりになっても、長生きして欲しい・・・」

まさに、その御家族として、中心的に存在してきたのだろう。
もちろん、家族の形態はいろいろあり、上記のような家族もあれば、
嫁姑でやり合っている御家庭もある。

それぞれにそれぞれの物語がある。
そして、それぞれの人が、それぞれに存在している。

存在を紐解くと、
「時間存在:過去の歴史から未来へ放たれる希望に基づく現在」
「関係存在:人の存在は、他者から与えられる」
「自律存在:自己決定できる存在」
(「死」を子供に教える 宇都宮直子 著 より)

そう、人は他者から存在を与えられることが大きい。
そしてその中で、自己決定しながら暮らしている。
そのベースとなるのは「未来」。それぞれの物語だ。

この方とは逆に、医療者の目から見てそんなに重い麻痺はないのに、
在宅ケアではなく施設ケアを求められることもある。

それを医療・介護職がどうのこうの言っても仕方がないと思う。
その御家庭での長い物語の中の一瞬である、とおもう。

決して麻痺の軽重ではなく、ADLの出来・不出来ではなく、
「行為・動作の自立」ではないように感じる。

その方が、「決定・段取りの自立」ができる環境があるか、ないか、
それにかかっているように感じている。

そして今まさに、私も物語の真っ最中だ。
どういう展開が待っているのだろう?


大雨が続いている。
被害にあわれた方の一日も早い復旧を祈ります。
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4 コメント

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Unknown (くろ)
2006-07-19 21:53:07
ご本人さんと家族とがうまくハーモニーを奏でられるといいんですが。
「決定・段取りの自立」っていうのが、ブログの題の通りなんですね。ADLって、動作を取り出してどれぐらいできるか見ているだけですが、24時間・1週間etc..で見ていくとそんな単純じゃないんですよね。
その辺が援助していければよいと思います。
Unknown (onuki)
2006-07-20 06:58:15
最初の延命処置のほうの患者さんの件も問題ですが、
後半の重度でないのに施設ケアを求められるというのもよくあることだけに我々としてもいろいろ思いは交錯しますね。

まあ、仰るように対象者や家族の問題ですので、あくまで外野の我々はどうこう言えないのですが。

対象者と家族の物語の中で何が出来るのか、
決して主役の演技を妨げず、それでいて主役の演技によりよいエッセンスを与えられる、
そんなさりげない介入が出来るのが理想でしょうか。
くろさん (life-reha-care)
2006-07-20 07:26:00
その方の生活の流れは、連綿として続いているのです。

それを切り取ってみてしまうのが、病院なのかな?
なんて感じたりもします。
おぬきさん (life-reha-care)
2006-07-20 07:28:27
そういう方を受け入れない・協力的でない御家族さんを
悪者にしても何にも始まりません。

それをふまえて医療・介護職がどうするか?
どうケアを展開するか?なんだと思います。

我々のポジションは、「中立」でないと、と思っています。

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