本が好き♪図書館ブログ

私立高等学校図書館からの
メッセージ&日常のあれこれ

アントワーヌ・レリス 著 『ぼくは君たちを憎まないことにした』

2016-12-13 | 本の紹介
昨日から、2学期期末テストが始まりました。
テストが終わった午後も、図書館には勉強のため残っている生徒がいっぱいです。

アントワーヌ・レリス(Antoine Leiris)著、土居佳代子 訳『ぼくは君たちを憎まないことにした』
読了しました。
著者は昨年11月にフランスのパリで起こった同時多発テロ事件で、最愛の妻を奪われました。
遺族となったジャーナリストの夫がFacebookに掲載したテロリストへのメッセージ
“Vous n’aurez pas ma haine”(ぼくは君たちを憎まないことにした)が世界中で話題となりました。

「掛け替えのない人を、最愛の人を、息子の母親を君たちは奪った。でも君たちを憎まない。
憎しみという贈り物を君たちにはあげない。
怒りで応じてしまったら、君たちと同じ、まさに無知に屈することになるんだ。」

イスラム過激派の容疑者らを「君たち」と呼んでいることも話題となり、
メッセージは世界を駆け巡り、3日間で20万回以上も共有されました。

この作品は、その時のメッセージを載せるとともに、
事件から約2週間の日常の中にまだ1歳5か月の息子と共に生きる希望が綴られています。
暴力と混乱のなかに灯された言葉、人間の尊厳を感じる、胸をゆさぶるドキュメントです。
突然、大切な人を悪意をもって無差別に殺害されてしまうことの無力感も感じました。

先日読了した原田マハ 著 『モダン』に収録された冒頭の短編小説「新しい出口」は、
アメリカ同時多発テロ事件で親友を亡くしたアシスタント・キュレーターの再出発を描く作品でした。


この本を読み終えたちょうどその時、ニュースでは世界各地で起こったテロ事件を伝えていました。
中東やアフリカで10日から11日にかけ爆破攻撃が相次ぎ、少なくとも163人が死亡390人以上が負傷しました。
トルコ・イスタンブールのサッカー場で、エジプト・カイロの教会で、
イエメン南部アデン、ソマリアの首都モガディシオ、ナイジェリア北東部ボルノ州の州都マイドゥグリ。
世界の平和がまだまだ遠いことを、平和な日本でも考えなくてはなりません。
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