恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか
現代訳
恋している、というわたしの評判は早くも立ってしまったことだ。人知れず思い始めたのだったのに。
作者は壬生忠見。
身分はそれほど高くなかったものの、歌にかけるプライドは相当なものがあったと伝えられています。
さてこの歌は「 天暦の御時歌合せ 」でよまれた歌で、先日載せた40番歌
忍れど 色に出でにけり わが恋は
ものや思ふと ひとの問ふまで
と合わせられたそうです。
なおこの2首は20番勝負の歌合せの、最後の対戦だったそうで、「 持{ 引き分け } 」という選択もあったがそれは選者としては逃げているようなものとおもわれるかも。
判者は迷いました。どちらも捨てがたい。どうしたらいいだろう。
その時、その場にいらした村上天皇が、小さい声で
「 忍ぶれど・・・ 」
と口になさったそうです。
「 帝は兼盛の歌{40番歌}の方を高く評価なさってるのだ 」
と思った判者は兼盛に軍配をあげたそうです。
勝った兼盛は大喜び。
逆に負けた忠見は大ショック。
「 恋すてふ・・・ 」
の歌は、考えに考え抜いた自信作だったそうで、この歌で、自分の歌人としての評価を高めようと思っていたのが、なんと負けとは。
ある説によると、打ちのめされた忠見は、ものものどを通らなくなり、ついには死んでしまったとも言われてるそうです。
帝は本当に兼盛の歌を勝ちと考えたのでしょうか。
ひょっとしてすると帝も迷って、たまたま兼盛の歌を口ずさんだのかもしれなのかなという見方も。
一首の和歌は人生を左右するほどの重みを持っていたというお話です。
さて、みなさんはどちらの歌がお好きですか。
知らない世界だわ~
リリーさんてロックのバンドのファンだったり、和歌や歴史にも興味があるんですね
それも私には知らない世界だったし、
ますますリリーさんに興味持ちましたよ。
そういう所好きです
和歌は昔から好きでした。
平安時代とかの雅な世界に憧れてました。
タイムトラベルできるなら光源氏と恋してみたいなんてね・・・
まあその時代の下々の身分だったら出来ない世迷言だけど。
まあ、夢見る乙女だったのね。
ロックからは今はまだ遠ざかっています。
今はブログでの皆さんとの交流と漢字ナンクロが楽しみです。
いつもありがとうね。