僕は名もない凡人でいたい

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「卒業研究」面接

2017年05月29日 | 大学
第1回目の「卒業研究」面接は、2名の教員と対面式で行われた。

事前提出とそれに対する評価は済んでおり、創作に難点はあるものの迷いはないので、面接に向けた準備らしい準備はせず。
薬を飲み忘れたりハンカチを置いてきたりしたので、自分が思うよりも緊張しているようだった。
途中、コンビニでタオルハンカチを買って行く。

面接前、廊下で他学科の卒研面接の学生と互い違いに待機した。
誰もが資料を読んだり書いたり、広げたり畳んだり、そわそわと落ち着かない様子である。
源氏物語絵巻のコピーを広げている人に声をかけたくなったが、面接前の貴重な数分間を邪魔するわけにはいかない。
自分も質問事項の確認をした。

「音楽小説を書く覚悟が出来た、ということでいいですか?」

この一言から、面接は始まった。

担当の先生方は声の大きさや熱量が物凄く、「陰と陽」で言うなら「陽と陽」、話し方はピストルではなく散弾銃である。
作品の構成、内容、骨格、人称、文体、全体のバランスなど、多角的に批評を受ける。

内容については、先生方と私とで食い違いが多々あり、すり合わせに時間を費やした。
私が話し出すと(話すのはとても苦手なのだが頑張る)、先生方も散弾銃をさっと引っ込め、耳をすまし、真剣に考えてくれるのがわかる。

最終的に、

「大学の卒業研究でやるには壮大すぎる。間に合わないのではないか」

というのが、主担当の先生の意見であった。
私も、自分の作品における最大の難点だと思っていた。
この1点を聞くために、今回の面接に臨んだと言ってもいいくらいである。

「途方に暮れています。どうしたらいいのでしょうか?」

主担当の先生は少し思案し「この作品の核はどこにあるか」というシンプルな問いから、私が考えもつかなかったアイデアを出してくれた。
現役の編集長は本当にすごい!

そして、次の課題は

「第2回提出(7月上旬)までに完成された初稿を提出する事」

である。
ブログを書いている場合じゃないだろう。

美容院で予想外の展開

2017年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム
男性美容師が1人で経営している美容院に行った。
約3時間の施術中、店内は客(私)と美容師の2人きりである。

その間、おならの音が2回聞こえた。
1回目は会話中、2回目はムーススパ中である。
私ではない。

1回目は自然現象だし、とスルーした。
しかし、2回目いや2発目と書くべきか……が聞こえた時、次があったら、もう私には聞こえないふりをする自信がない、と思った。
そうなった時の空気感を想像し、3発目を警戒する。
美容師は「すみません」というのでもなく、気にもとめない様子で自然な会話を続けている。

(頼む! せめて会話中、目を合わせている最中はやめてくれ!)

もはや髪より、そっちの方が気になってしまった。
祈りが届いたのか3発目は聞こえず。ほっ。

……って、なんで客が美容師のおならを警戒しなくちゃいけないんだあ!

前進

2017年05月22日 | 大学
「美術史(日本)1」レポート結果が返却された。
95点のS評価で、嬉しい!

頑張った甲斐があった。
あとは6月上旬の試験を残すのみ。
 ☆ ☆ ☆
「卒業研究レポート①」はB評価で、次の日曜日に第1回目の面接に臨む。
この日は絶対に、なんとしても大学に行かなければならない。
先週末の捻挫で、医者に全治3週間と言われたが、1週間で治してやるわ!

通信部の学生は、高卒からプロ作家まで色々な人が在籍している。
プロのジャーナリストの方は、すでに卒研を書き終えたらしい。
作品との距離の取り方が完成されている上に、文章表現も適切なので、最初から評価が高かった。
すごい。

人と比較しても仕方ないので、自分は自分のペースで書こう。
今回、主担当の先生から「文章にそこはかとなく明るさが感じられ、それは大変貴重」と評される。
自分の文章の特徴をひとつ、発見した。

星野道夫『ノーザンライツ』

2017年05月17日 | 本と雑誌
学生時代、大好きだった星野道夫さんの写真とエッセイ。
逗子の古本屋でまた再会できました。
厳冬の地で出会った人々への、著者のまなざしが温かいです。

  9月も半ばを過ぎると、フェアバンクスには晩秋の気配が漂ってくる。太陽の沈まぬ光に満ちた夏は遠く去り、美しい秋色も色褪せた。が、それを悲しむにはまだ早い。来るべき冬を待ちながら、風に舞う落葉を眺め、カサカサと枯れ葉を踏みしめる、不思議に穏やかな日々がまだそこにある。満ち潮が押し寄せ、再び引いてゆく前の、つかのまの海の静けさのようなとき。人の一生にも、そんな季節があるだろうか。
  (星野道夫「ノーザンライツ」新潮社 平成12年)


虐待に苦しみ、自分を消してしまいたかった当時の私。
死ねないのなら、せめて世界のどこか遠くへ行きたかった。

そんな時、星野道夫さんの写真とエッセイは、私の心を遠くへ遠くへと飛ばしてくれました。
今読んでも、言葉の一つ一つ、写真の一枚一枚が変わらぬ輝きを放っています。

番組の企画でクマに襲われ、亡くなられたとの事。テレビを見なかったので知りませんでした。
現在、没後20年特別展「星野道夫の旅」が全国展開されています。